すぐそこの遠い場所

  • 晶文社
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本棚登録 : 396
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794963819

感想・レビュー・書評

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  • ファンタジーって難しい。

    身も心もすっかりその世界に入り込めれば問題は無いが、
    「よいしょ」と、跨いだまま、上空からぬぅ~っと
    眺めたりしていたのでは
    (ここって要するに玩具の国って事なんだよな。)
    などと、余計な理性がチラチラ顔を出し、
    ほんと、ゆっくり読書に集中できない事もある。

    そこで(大事だな。)と感じたのは

    もしかしたらこんな不思議な世界がどこかにあるのかも知れない!

    と、信じさせてくれる鎖の存在だ。

    こことそこを繋いでいる鎖。

    その点、この本のタイトルは最高だ。
    『すぐそこの遠い場所』

    (見えるけど見えない)
    (見えてないけど、本当はあるもの)の存在くらいは
    きっと誰もが知っている。

    次々に中味が変わって行く不思議な辞典の中に
    どこかで見たような、
    いや、一度も見た事は無かったのかも、

    前から知っている様な
    いや、初めて聞いたかもしれない。

    読後も本を読んでいた様な、
    いや、読んでいなかったかも知れない。

    曖昧な読後感の中で、ぽぉ~っとしているその間にも
    辞書のページは再び真っ白に戻って行く。

    手に残った鎖をひき、繋がっていたものが
    (不思議な辞書)についての
    答えをきっとくれるはず。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「この本のタイトルは最高だ。」
      クラフト・エヴィング商會 は本当に上手ですよね。チョッと見知らぬ世界に連れて行って呉れる感覚がとっても好きで...
      「この本のタイトルは最高だ。」
      クラフト・エヴィング商會 は本当に上手ですよね。チョッと見知らぬ世界に連れて行って呉れる感覚がとっても好きです!
      2012/08/10
    • MOTOさん
      nyancomaruさんへ

      そうですよね♪
      言葉に膨らみを感じるというか、紙面のうえでじっ…と、してない感じがとにかく好きです。
      ありえな...
      nyancomaruさんへ

      そうですよね♪
      言葉に膨らみを感じるというか、紙面のうえでじっ…と、してない感じがとにかく好きです。
      ありえない世界が息づいてくる、この不思議感!
      2012/08/10
  • 何処かにあるアゾットという異世界の辞典。

    コレは面白かった。

    アゾットの世界は21エリアからなるそうですが
    そのエリア一つ一つに特色があって、
    この世界とはまた違う法律もあって・・・

    でも時々、この世界ともニアミスしてて・・・

    アゾットに行きたくなる本でした。

  • この世界観!
    すっかりはまってしまった。

  • 同著者の作品「クラウド・コレクター」の関連本です。
    前作はクラフト・エヴィング商會の先代店主が不思議の国「アゾット」を旅行した記録を解読する物語でした。本作ではその「アゾット」という国にある様々なアイテムを通して、この奇妙な国の文化をより深く掘り下げる「事典」のような構成になっています。「クラウド・コレクター」と合わせてお読みになることをおすすめします。
    架空の国や文明を実在するかのように語る「偽書」がお好きな方におすすめです。

  • <THE DICTIONARY OF AZOTH>
      
    写真/坂本真典
    装幀・レイアウト/吉田篤弘、吉田浩美

  • クラフト・エヴィング商會の先代が大切にしていた謎の書物「アゾット辞典」。そこには不思議な世界アゾットについて書かれている。見るたびに中身が変わるというその書物を、 クラフト・エヴィング商會は翻訳することにした。 寝る前に少しずつ、2ヶ月くらいかけて読んだ。読んでるうちにアゾットの世界に行ってしまいそう。紙石鹸に書かれた詩が好き。

  • 「アゾット事典はひとつの手がかり」ということでこのような素敵な翻訳?事典を作られたことに驚く.挿絵も素晴らしい出来で空想の世界が広がります.内容もなかなかに哲学的で,最後の方で「エラノス・カフェ」が登場して最後がO,D,G.楽しめました.

  • 読書会の課題本である「クラウド・コレクター」の姉妹編ということで、図書館から借りてきた。「クラウド・コレクター」に登場する”アゾット”といわれる架空世界の設定資料集みたいな本だった。半分近くが挿絵や写真なので、読むのにそれほど時間はかからない。面白い部分もあったが、説明内容がただの駄洒落でしかなくて、拍子抜けさせられた部分も多い。

  • 素敵、とか、面白い、綺麗、で終わらない、何かふと足元の不安になる世界。

  • クラウドコレクターを読んでからの方がいいと思います。素敵なイメージの品々。テキストと写真。

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