新教養主義宣言

著者 :
  • 晶文社
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本棚登録 : 199
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794964151

作品紹介・あらすじ

国なんかNTTと同じ民営化しちゃえば?投票率の低さを嘆くくらいなら選挙権を売買できるようにしたら?不況脱出には消費税の連続アップで駆け込み特需を狙おう、等々、21世紀の日本社会へ向けた、一見暴論だけど実はまじめで巧妙な提案が続出。こういうクレイジーな提案ができる基盤こそ、いまは見向きもされなくなっている「教養」。経済、社会、サイエンス、コンピュータ、メディア、文学などの分野を網羅しながら、いま必要とされる教養のあり方を探る、来るべき21世紀へ向けた、イカれてスカした教養主義のススメ。

感想・レビュー・書評

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  • 翻訳家・山形浩生のエッセイ集。以下は、メモ。

    ・あとがき:A Book with an Attitude
     http://cruel.org/books/nullafter.html

    ・『新教養主義宣言』反響ページ
     http://cruel.org/books/slashing.html

  • 「人間には教養が必要」。
    一般的になんとなく通用しそうな表現です。


    それでは、その表現に「何のために必要か?」という
    問いかけを行った上、著者の山形浩生さんの前で、
    その理由について、



    「日本の固有の文化を守るためぇぇぇ、★○▼□※♪!~」

    とか

    「真理の追求のためにぃぃぃ、うんぬんかんぬん~」


    などと、分かったような口ぶりで理由を、
    管理人が述べたとします。

    多分、「そんな奴は呪われて死ねばいい」と、
    バッサリ斬られてしまうでしょう(P204)。

    http://a-e-dkmemo.blogspot.com/2013/02/blog-post_10.html

  • 11年前の発行だけど内容は全然古びていない、
    ということは殆どの問題は先送りにされたままきてしまったという事か。

    一番読み応えがあるのはプロローグの「心ときめくミームたちを求めて」
    かな。総括と提案だからかな?
    本編は多岐に渡り過ぎる書評等の寄せ集めで「山形浩生入門」的でもある。
    それぞれの章が自分の知識レベルによって読むペースに差がで過ぎるお!(笑)

    やんちゃなどエリート、な人なので文章の好き嫌いは激しそうだ。

    情報処理で世界は変わるか?とメディアと怪談とインターネット、と
    日出処の天子の書評がお気に入り。

    クルーグマンの経済入門も訳してるので、結構出てくるんだけど
    2011年現在まだインフレは起こっていない。
    今回の地震というのは、その点においては千載一遇のチャンスだと思うんだけど
    需要を無理に歪ませる、という事への根源の疑問もまた、大きくなるね。

    しかしこの本に収録してある文章の殆どがサイトでフリーで読めるっちゅうのはすごいよなぁ!

  • 「新」教養を知った。そもそも――人間が教養なんて有ると思いますか?政治家だって教師だって完全なる人間はいない。頭の固い野郎ばかりだ。きもちわりい野郎ばかりだ。小学校・中学校・高校・ましてや大学を出てるやつが犯罪を犯し、ましてや犯罪を犯さない方が危なかったりする。・・・教養なんていますぐゴミ箱に捨てて、常識も一緒に虚構に消し去って――「新」教養を知ろう。もしくは創りだそう。

  • * 2007年11月24日 23:45記載

    薦められて読んだ本(意図は不明)。


    本来教養とは実用性のあるもので、活用されるべきだということを改めて実感させてくれるかもしれない。
    少なくとも自分にここで言う教養が足りないことを気付かせてくれたのが良かった点。

    取り上げられているトピックは政治や経済、ITに留まらず文化やメディアやマンガなど幅広い。各分野での作者の展望と提案、取り上げられた文献に対する書評が合わさったような感じ。作者の知見の広さには驚かされます。

    読者としては若者も想定しているらしく、口語体で文章は読みやすいが、内容は難しいという印象。
    多々見受けられる毒舌は好みの分かれるところか。


    本書あとがきには、「ほとんどの内容が発表されてから7年以上経っているのに当時の意義をまったく失っていない」といったことが書いてある。その理由はこの間日本(あるいは世界)がほとんど変化していなかったからだと言う。
    数年後あるいは10年後にもう一度読んで見たい本。



    まぁ内容は彼のHPで読めるらしいけど。

    本書ではほぼ触れられてないが、開発コンサルタントとしての作者の業務に興味を持った。ってかNRIだったのか。

  • 遠山 緑生先生推薦

    まともな大卒者に期待される能力というのは、「現状に甘んじずに、システムを組み替える能力」なんだと私は思っているのですが、そう考えたときに20歳の時必要な経験は、「当たり前だと教えられてきたり、そう信じてきた事を疑い、見直す知的経験」だと思うんですよね。そのために必要なのは、逆説的なんだけど「教養を身に付ける」こと。しかも固定化された教養ではなくて、up-to-dateで現在の社会の枠組みが照らされるような教養。。。みたいなのを紹介文で伝えるのはなかなか難易度高いぜ。序章だけでも読んでよ。

  • 20101001読了。
    鋭い視点で社会システムなど幅広い事柄について書かれてある。

  • これが10年前に書かれた?うっそでーww

    エピローグに書かれた「本書の耐用年数20年」の煽りは伊達じゃない。
    どれも現在にあてはめて読める。いや、むしろ現代のことを本書では書いているんだよ。ってほどに時代感覚がマヒする。
    特に好きな部分は「情報」に関する記述かな。情報は「意思決定のためのツールになってはじめて価値がある」や「追加でもたらされた情報は、(別れた女は実はそんなにビッチじゃなくて、間男とセックスはせずともキス程度でおさまってた)によって傷や失望感がぬぐえるわけじゃないっていう部分は目から鱗だった。例えも秀逸w

    他にもたくさんあるけどまずは割愛。
    著作内で紹介される本も多いので、今後の参考にしていきたい。まあこの本は何度も読んで理解するというよりは、この作家の切り口を楽しむものなんだろうな。とは思いますが。

  • この人は普通に面白いのだが、何かが腑に落ちない。啓蒙と啓蒙でないのが適当に混じっているせいかなあ。これじゃ、啓蒙されたい人と、一緒に楽しみたい人と、そのどっちの人も満足させられないような気がしつつ。俺の性格のせいか。とりあえず、思ったのはラファティの全作品解説をしてほしい。正直ラファティは9割意味不明なので、もっと聞きたい。あともっとど真ん中の本と一緒に本の話をして欲しい。

  • 1999

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著者プロフィール

評論家、翻訳家。東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻修士課程およびMIT不動産センター修士課程修了。開発援助関連調査のかたわら、小説、経済、建築からネット文化まで、広範な分野での翻訳と執筆活動を行う。
著書に『新教養主義宣言』『要するに』(共に河出文庫)、『訳者解説』(バジリコ)、『断言』『断言2』(共にPヴァイン)など。訳書にピケティ『21世紀の資本』(みすず書房)、クルーグマン『クルーグマン教授の経済入門』(ちくま学芸文庫)、ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』(講談社学術文庫)ほか多数。

「2021年 『経済のトリセツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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