できればムカつかずに生きたい

  • 晶文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794964564

作品紹介・あらすじ

どうしたら傷ついたりめげたりしないで強く生きられるんだろう。多発する十七歳の少年たちの犯罪のこと、ひきこもりの末亡くなった兄のこと、プチ家出をする少女たちの心情、「いじめ」の本質について考えたこと…生きにくいこの時代で悩み考えぬいて得た、ヘヴィでリアルな心の処方箋。

感想・レビュー・書評

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  • どうしたら自分らしく強く生きられるんだろう。
    なんか自分としっくりこないなぁ。どうやったら自分がやりたいことにまっすぐ突き進めるのかな。
    傷つきやすい思春期に体験し考えたことは、今も現在進行形のままだ…
    生きにくいこの時代を生き抜くために、自分の頭で考えた著者のエッセイ。

    ・自分の身体は誰のものか。自分だけでのものではない。多くの生き物の死を食べてできているのだから。
    ・今の日本に父性が足りない。厳しく切り捨てるという考え方が敬遠されがちだ。
    ・いかに今の自分と向き合うか。他者と関わることで違和感を感じ、それが、私が「自分」を認識できる手段だ。

    色々「自分」という人間について悩んでいた時に読めて良かった。まずは自分と向き合う勇気が必要だ。

  • まっすぐな言葉の模索
    人を呪わない言葉を話す、そのためにはまず、自分が呪いから解かれる必要がある。
    相手に対して過剰に攻撃的になる時、自分がどう感じているのかを相手に伝えることが大事だと感じた。

    いじめってなんだろう?
    人は関係のために生きるのではなく、生きるために時々関係するのである。
    人の関係性をシーツで例えた表現が心に残った。

  • 田口ランディさん、『コンセント』で衝撃のデビューを飾った作家さんのエッセイです。
    どうも『コンセント』には馴染めなくて続く『アンテナ』は読まずじまいでしたが(^^ゞ
    田口さんはお兄さんが長い間の引きこもりの末に亡くなり、お父さんは船乗りで気性が荒く酒乱。
    そのためにお母さんがノイローゼになっていたという家族に囲まれて育っているのだけど、
    そういう環境を通して「自分が自分であること」を模索し続けた様子や自分の体験を踏まえて
    世の事件に対して彼女なりの感じたことを素直に語っています。
    冒頭の17歳の時の自分を語る部分でいきなりKOでした。
    彼女がワタシの思春期のなんとも言えないモヤモヤした焦りとか怒りみたいなものを
    スッキリと代弁してくれた気がしたのです。そしていじめとはなんぞや・・・という問いに対して
    田口さんの友人の「皆で大きなシーツを持っているようなもの」という例えになるほど洒落たことをいうなぁと
    唸ってしまったし。
    さらに「恨みつらみの晴らし方」という章では「恐喝は楽しい」・・・なんてサラっと言ってのける。
    なんと言っても結婚して13年目にしてお子さんを授かったということも親近感が湧いた
    「子どもは生まれてきただけで大仕事を成し遂げたのである。
    だから残りの人生は好き勝手に生きていいのだ」という意見にもなんとなく頷ける。
    アイヌのシャーマンの話、屋久島の縄文杉の話。世の中の面白いことをかぎつける天才ではなかろうかと
    いうほど色々な経験をしているし、その豊かな経験を語る筆力にもたけている。
    極論的な発言が多く精神世界を語る部分もあるので嫌悪感を抱く人もいるかもしれないが
    私には目からウロコのオンパレードでした。是非オススメします、読んでみてください。

  • 参考図書でした。

  • 田口ランディは小説はもちろんだけど、本人の生い立ちを知った時にヘヴィーだなぁと思ってしばらく敬遠してた。今回はタイトルに惹かれて久しぶりに読んだ。読んでよかった。このままでいいんだ、って認めてもらえたような気になったり、それは自分の弱さの裏返しだよ、って教えてもらったりでオイラにとって素敵な言葉がたくさんあった。スピリチュアルなことは苦手だけど、今回は素直に耳を傾けることができた。導いてくれる話が多かったからだと思う。「世界とは私が編集した一冊の雑誌のようなもの」と言うのはとても合点がいった。自分がどんなことをテーマにして世界を見ているかで、世界の彩りは変わっちゃうんだよね。悲劇のヒロインや無冠のヒーローを気取っていたら、世界はいつもなんとなく薄暗いかもね。オイラはそれに気がつくのに半世紀近くかかったな。やっとオイラは自分の人生をどんな雑誌にしたいかが見えたから、ここからはコンセプトからぶれないように全力で走るんだ!本気で楽しんでやる!

  • 初めて読んだ田口ランディ。いじめをシーツに例えて評している箇所が残る。毒親との決別法、筆者なりの解決の仕方を書いた文章すがすがしい。これが共感されるのかな?もう何冊か読んでみよう。

  • エッセイを読み始め、初読の田口ランディ。
    想像してた文章、そして人物と全然ちがいました(勝手に男だと思ってた...)。ご自身の生い立ちの話しがなかなかに重ためですが、そこの章がグッと引き込まれたかも。いろんな内容の話しを書かれてるので、初ランディとして読むのはいいのかもしれません。

  • 「十七歳の少年の凶悪事件が相次いでいますよね、それに関してはどんな風に思われますか?」ということをよく質問される。
    わからない。全くわからない。

  • 4-7949-6456-0 284p 2000.11.5 3刷

  • 自分を見つめる目もすごいが、それを的確に言葉で表現仕切れる人は、この人以外になかなかいないのでは?ないだろうか。

    と、思うほどに、この本を読んでいると、自分がランディの中からランディの目線で物事をみている気になってくる。

    はたまた、自分の中にあるランディと重なる部分が共鳴して泣けてきたりする、とてもとても不思議な一冊です。

    初めて知ったランディなのに、ここまで淡々と私の中に入ってくるなんて。

    そのことに驚き、そして、読んでいてそんな現象が楽しくもあり、ある種の新しい思想に目覚めたランディをさらに見つめるという不可思議な離脱体験ができる、そんな一冊でした。

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著者プロフィール

作家。

「2015年 『講座スピリチュアル学 第4巻 スピリチュアリティと環境』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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