「爆心地」の芸術

著者 :
  • 晶文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794965202

作品紹介・あらすじ

日本の「現代美術」が急速に変貌している。「現代美術」という枠組をリセットする試みとして水戸芸術館で開催された「日本ゼロ年」をひとつのきっかけとして、村上隆の提唱するコンセプト「スーパーフラット」、美術界のイベントとしては空前の入場者数を記録した横浜トリエンナーレ、奈良美智ブームなどの現象がその変貌を示唆し、さらに9・11の同時多発テロがアートの世界を根底からゆさぶる。いまアートの「可能性の中心」はどこにあるのか?水戸(1999年)を起点にし、同時多発テロのニューヨーク(2001年)を経験した批評的想像力は、ヒロシマ・ナガサキ(1945年)へと歴史の流れを遡り、いまだ封印されている「日本・現代・美術」のともいうべき「戦争画」へと向かう。「グラウンド・ゼロ」をキーワードに、マンガ、アニメ、格闘技などの世界を巻き込みながら展開されるスリリングな同時代美術評論。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の「現代美術」が急速に変貌している。
    「現代美術」という枠組をリセットする試みとして水戸芸術館で開催された
    「日本ゼロ年」をひとつのきっかけとして、村上隆の提唱するコンセプト
    「スーパーフラット」、美術界のイベントとしては空前の入場者数を記録した
    横浜トリエンナーレ、奈良美智ブームなどの現象がその変貌を示唆し、
    さらに9・11の同時多発テロがアートの世界を根底からゆさぶる。

    いまアートの「可能性の中心」はどこにあるのか?
    水戸(1999)を起点にし、同時多発テロのニューヨーク(2001)を経験した
    批評的想像力は、ヒロシマ・ナガサキ(1945)へと歴史の流れを遡り、
    いまだ封印されている「日本・現代・美術」の〈爆心地〉ともいうべき
    「戦争画」へと向かう。「グラウンド・ゼロ」をキーワードに、
    マンガ、アニメ、格闘技などの世界を巻き込みながら展開される
    スリリングな同時代美術評論。

    晶文社(2002/5/10初版発行)


    ○1999
    日本のポップを黒く塗れ
    「現代美術」をめぐって

    ○2000
    日本ゼロ年
    日本ゼロ年パート2 東浩紀・竹熊健太郎・福田和也に聞く
    最終回 ガチンコ0年
    〈新たな分裂〉に向けて

    ○2001
    勝負論とその彼岸
    スーパーフラットを超えて
    動物かオタクか 超・平面的か平面の超克か
    奈良美智のぶきみ=かわいい 我楽苦多世界
    「爆心地」の芸術 〈ゼロ〉から〈ゼロ〉へ

  • シュミレーショニズムもすごいけど、日本での「アート」ってことを考えた時に避けては通れない1冊です。
    しかもわかりやすいし。個人的には「日本・現代・美術」読まずにこっちだけでもアリだと思います。

  • 日本現代美術の起源を見つめ直さねば・・・。

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著者プロフィール

美術評論家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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