「死にたい」気持ちをほぐしてくれるシネマセラピー上映中―精神科医がおススメ 自殺予防のための10本の映画

著者 :
  • 晶文社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794967749

作品紹介・あらすじ

もう何も残っていない…自分なんていないほうがいい…どうなってもかまわない…いますぐ楽になりたい…生きていてもしかたがない…死んだほうがましだ…そんなふうに感じていたら、この本を手に取りおススメの映画を観てください。

感想・レビュー・書評

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  • 借りたもの。
    うつ病による自殺の防止について言及しながら、うつ病をはじめ精神病に関係がある映画を通して、病理の解説や映画における精神病について言及している。

    映画は1940~2000年代のものまで。
    10選と数は少なくとも要点を押さえた選定で感服。
    作品を見たことがなくとも一度はタイトルを聞いたことがある、名作と言われるもので、これを機に観たくなった。

    前半は映画の話を抜きに、うつ病と自殺について、それを抑止すべく周囲の人間の対応の仕方について。
    うつ病では心理的視野狭窄が起こり、自己肯定感が低くなり『孤立』感があり、それに支配されているため、自殺以外最善の道が無いと考えてしまうことを指摘。

    自殺は『孤立』感から起こってしまう。
    しかしすぐに自殺をするのではなく、より信頼がおける人物として選んで相談しに来ることから、相談をされた人は激励するのではなく、まず傾聴することを推奨する。

    うつ防止・改善のために、『認知療法』を挙げている。
    スキーマ(精神分析理論で言えば無意識に近い概念)、認知の三徴、自動思考、認知の誤りを捉え、意識的に気づかせる事が改善に繋がるようだ。

    精神病とは何か、映画に描かれた精神病の歴史(周囲の偏見であったり、対応の仕方であったり、精神科医のオーソドックスな対応であったり)、また映画業界(に限らずアメリカは特に?)で問題であるアルコール依存症について、思春期の葛藤から家族関係など、多角的な視点で映画を観ている。

    どうでも良い話だが……
    巻末の推薦図書、殆どご自身の著書じゃないか!!

  • 三葛館医学 493.79||TA

    大の映画ファンである精神科医の著者が、自殺したくなる気持ちに効く映画10本を紹介。
    同じような状態に置かれた人の人生が、映画の中ではどのような展開をしていくのかを見守ることによって、自殺の危機にある人の「問題の解決策は自殺以外ない」という考えをほぐしてくれるようです。

    和医大OPAC →http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=63135

  • 精神科の専門による自殺の説明と、セラピーになる洋画の紹介。なんとなくわかる気がした。

  • 優しい表紙デザインなのに、自殺医学的説明(めっちゃわかりやすい)も充実してるし、何より映画の紹介がとっても魅力的。
    映画情報が知りたくて読み始めたけど、自殺 そのものについてに興味が向くようになった。自殺のキーワードは 孤立。じぶんの中の 生きたい を忘れてしまわないように。そのような状態にある人の 救いを求める叫び に気づいてあげられるように。

  • 直面する問題に対する唯一の解決策が、自殺だと信じ切ってしまう状態を心理的視野狭窄という。

    性格には傾向がある。
    未熟で依存的な性格傾向の人が親になるのは問題だ。


    過去は失敗ばかり。
    現在も大したことはできていない。
    これから先を考えても、展望の開けない希望のない未来しか見えない。
    これは、うつ病の人が抱える世界観だ。
    私は鬱っぽいのかも。

    ストレスマネジメントの原則
    ①問題を抱える。
    ②それを変えることはできる?
      はい  →③
      いいえ →④
    ③変えてみよう。
    ④受け入れよう。

    孤立が自殺を引き起こす。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99406895

  • 【新刊情報】「死にたい」気持ちをほぐしてくれるシネマセラピー上映中 493.7/タ http://tinyurl.com/7str6f2 「死んでしまいたい」と思いつめた人に、観てほしい映画があります。映画通で自殺予防が専門の精神科医が、観てほしい映画10本を紹介します #安城

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著者プロフィール

防衛医科大学校・防衛医学研究センター・教授。精神科医。
著書:『自殺予防』(岩波新書)、『自殺、そして遺された人々』(新興医学出版社)、『医療者が知っておきたい自殺のリスクマネジメント』『自殺のポストベンション:遺された人々への心のケア』(医学書院)、『新訂増補 自殺の危険』(金剛出版)、など。
訳書:ヘンディン『アメリカの自殺』(明石書店)、シュナイドマン『アーサーはなぜ自殺したのか』(誠信書房)など。

「2007年 『自殺で遺された人たち(サバイバー)のサポートガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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