ブラッドベリ、自作を語る

  • 晶文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794967817

感想・レビュー・書評

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  • 高校時代の私は、文豪の作品は授業の中でだけ、若きウェルテルも赤と黒もカラマーゾフも罪と罰もサルトルもボーヴォワールもみな数ページでとっとと挫折する軟弱ものだった。しかし本を読むのは好きで、学校帰りに国立駅前の東西書店に寄るのが日課であった。

    当時夢中になっていたのがレイ・ブラッドベリである。夢みる万華鏡のようなSF作品と、海の霧がかかったようなファンタジーが10代の不安定でスカスカな心にしっくりはまった。

    こんな作品を書くのだから、ブラッドベリ氏はワイエスの絵が似合うような孤高の人、非現実的な人と勝手に思い込んでいたのだが、あらま!なんて普通のおじさんなの。熱狂的な映画フリークだったり、有名人が大好きだったり、不倫していたり。。。むしろディズニーアニメが似合いそうな、お茶目で俗っぽいおっさんだったのである。

    でも彼はやはり天才、生まれながらの作家で、飽くなき好奇心と様々な経験が彼の豊富な引き出しとなり、あれだけの作品を生むことができたのだ。映像的と言えば、ジョン・ヒューストン監督の「白鯨」の脚本も書いていた。子供の頃、テレビで見て印象に残っているが、映像作品そのものにも関わっていたとは驚きだ。

    しかし高校時代、あれだけ夢中になっていたくせに、どんな作品だったかあまり思い出せなくなっているのはなぜなのだろう。大学時代にテニスばかりしていて頭がリセットされたに違いない。なので、改めて読み始めている。もしかしたら10代の自分にも会えるかもしれない。

    彼が話し好きだったことに感謝する人、しない人、両方いると思うが、私は100%感謝する。Thank you!Mr. Bradbury!!

  • 「華氏451度」「火星年代記」「たんぽぽのお酒」などの傑作を生み出し、SFを文学の領域にまで高めた巨匠レイ・ブラッドベリ。政治家のゴルバチョフから映画監督のヒッチコック、ミュージシャンのデビッド・ボウイまで、愛読者は幅広く、現代の文化・社会に与えた影響ははかりしれない。
    本書は、ブラッドベリとその研究の第一人者サム・ウェラーの、10年以上にわたる対話から生まれた。創作秘話、著名人との交遊、愛、信仰、未来予測……、ときに愉快で、熱くて、頑固で、人を驚かせ、愛にあふれる、ブラッドベリの生の姿が記録されている

著者プロフィール

1920年、アメリカ、イリノイ州生まれ。少年時代から魔術や芝居、コミックの世界に夢中になる。のちに、SFや幻想的手法をつかった短篇を次々に発表し、世界中の読者を魅了する。米国ナショナルブックアウォード(2000年)ほか多くの栄誉ある文芸賞を受賞。2012年他界。主な作品に『火星年代記』『華氏451度』『たんぽぽのお酒』『何かが道をやってくる』など。

「2015年 『たんぽぽのお酒 戯曲版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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