あしたから出版社 (就職しないで生きるには21)

著者 :
  • 晶文社
4.12
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本棚登録 : 754
感想 : 104
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794968517

感想・レビュー・書評

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  • 手探りで進んでいく中に、人とのつながりができていく。
    一人で本を出版しようと思い立ってからの経緯。
    自分から動くこと、人が助けてくれること、応えてくれること、
    何かをやることで失敗も苦労もあるけれど喜びも多い。

  • 自分が好きな本、出したいと思う本を皆に届けたい。そんな真摯な姿勢にやられました。元々「昔日の客」が読みたくて読みたくて、そこから派生して読友さんにこの本を教えてもらったのですが、こういう背景があったかと思うとまだ借りっぱなしの「昔日の客」を再読したくなります。傑作だと私も思いました。大好きな従兄弟の死、就職道は外れまくり。それでも島田さんがいなければ読めなかった本があるんだと思うと感謝のひと言です。古書店はどうも敷居が高くて入りにくいのですが京都の善行堂さんとか本当に行かなきゃ!誰か一緒に行かないか!

  • 読みながら何度も涙涙…。

  • 島田さんの文章が、くすっと笑えて、ちょっぴり痛くて、ちょっぴり泣けて、とても良かったです。
    こういう本には珍しく共感できる等身大の著者さんというか。カッコつけてないのがカッコいいな〜と思いました。誠実さって大事だなぁ!
    一冊一冊が丁寧につくられていることが伝わってきます。夏葉社さんの本を読んでみようとさっそく予約。

  • この本、このひとの文章、好きやなぁ。なんてやさしい感性を持ったひとなんやと思った。
    本人いわく、ぎりぎりまで追い詰められてのひとり出版社開業やったらしいけど、すごいとしかいえない。
    なにより人柄が、謙虚で、背伸びすることもなく、ほんとうに地に足のついたひとやなぁと思った。
    いろんなひとにとって、不器用なひとにとって、あたたかく、勇気のもらえる一冊になると思う。

  • この本は札幌の書店くすみ書房さんの会報誌「くすくす」の紹介で出会った。多分、そんな出会いがなければ手に取らなかったかもしれない。作家を目指していた若者の出版社スタートにまつわるあれこれを書いたドキュメントのようだが、決して起業物語ではない。本を読むということ。そのことを通して見えてくる世界をこの上なく大切にしている作者の姿勢が好ましい。

    本を読むということについて、次のように書かれている。
     つまり、「私」の言葉とは違う、誰かの言葉を、その文章を、一所懸命、読み続けること。その言葉で、世界をもう一度、体験すること。思い出すこと。それが、文学の一番の魅力であり、おもしろさだと思う。
     すばらしい作品を読んだ後、世界は、これまでよりも鮮やかに見える。人々は、よりかけがえのないものとして、この眼に映る。

    読み終えてみると、以前「くすくす」で手に入れた「昔日の客」はこの出版社、夏葉社のものだった。
    本を手に入れる時、以前は書店がその出会いの場だったけれど、インターネットの時代になってからどんどん書店はつまらなくなってきたと感じていた。そのなかで、くすみ書房は本棚に主張があり、読んで欲しいというメッセージが伝わる書店だった。昨年、経営の危機があり、ネットでの呼びかけで「くすくす」の会員になり、そのおかげでの出会いだった。
     本は好きだけど、どうやって良い本に出会うのか?
     出版社の「売りたい、売りたい」というマーケティングが見え見えの本ではなく、読むことでこの世界の見方を鮮やかにしてくれる、そんな本の出会いを大切にしていきたいなあと、改めて思った。「くすくす」ありがとう。

  • 小説家になりたかった、でもできなかった。20代をひきこもり、自分の為だけに暮らした。親友とも言える従兄弟の突然の死。大きな悲しみに向かい、愛情を自分の子供と同じように注いでくれた叔父夫婦に息子の死の深い悲しみや苦しさから少しでも救おうといっぺんの詩を贈る。そこから、自ら出版社を立ち上げ、その詩を書いた本を作ろうとする。素直な心からの言葉を紡いだ文章は本への愛情に溢れる。また、その一方何もわからない素人である一青年が出版社を立ち上げ軌道に載せるまでの実際の苦労や仕事のやり方なども。
    働き方、生き方、自分に自信のない生きるのが辛い人にもぜひお勧めの一冊。

  • [ 内容 ]
    「夏葉社」設立から5年。
    一冊一冊こだわりぬいた本づくりで多くの読書人に支持されるひとり出版社は、どのように生まれ、歩んできたのか。
    アルバイトや派遣社員をしながら小説家を目指した20代。
    挫折し、失恋し、ヨーロッパとアフリカを旅した設立前の日々。
    編集未経験からの単身起業、ドタバタの本の編集と営業活動、忘れがたい人たちとの出会い…。
    これまでのエピソードと発見を、心地よい筆致でユーモラスに綴る。

    [ 目次 ]
    1 ひとりで出版社をはじめる(従兄が死んだ;室戸;仕事を探す日々;Iのこと;人生は真っ暗だ ほか)
    2 よろこびとかなしみの日々(『冬の本』のよろこび。;出版社をたたみたい;町の本屋さんが好き;古本が好き;ひとり遊び ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 求めているものが見つからないときは、半径3mで探すのがいい=身近なものにいいものがある。それ以外のものは付け焼き刃。

    何をやりたいか、ではなくだれと仕事をするか。

  • 本を愛する気持ちがヒシヒシと伝わってきた

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著者プロフィール

1976年高知県生まれ、東京育ち。日本大学商学部会計学科卒業。大学卒業後、アルバイトや派遣社員をしながら小説家を目指していたが、方向転換。2009年9月に出版社・夏葉社を東京の吉祥寺で創業した。著書に『古くてあたらしい仕事』(新潮社)、『父と子の絆』(アルテスパブリッシング)、『90年代の若者たち』『本屋さんしか行きたいとこがない』(岬書店)がある。

「2022年 『あしたから出版社』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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