- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796120111
感想・レビュー・書評
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古典文法や敬語について一通りの学習を終えた受験生が、それらの知識を古文の解釈に生かすための方法を学ぶための本です。
たとえば助動詞の「む」の用法について、文末に登場する場合は比較的強い調子で用いられるので推量ないし意志の意味になることが多く、文中に登場するばあいは比較的軽い調子なので仮定ないし婉曲の意味になることが多く、さらに相手に対して用いられるときには勧誘ないし適当を意味するばあいも考えられる、といった説明がなされていて、これまで学んだ知識をべつの角度から整理しなおす助けにもなります。
また敬語については、従来の尊敬語・謙譲語・丁寧語という分類に替えて、「話題中の人を敬う語」と「対者を敬う語」に分類し、前者に尊敬語と謙譲語を、後者に丁寧語、下二段活用の補助動詞「たまふる」、荘重体敬語を含めるという、独自の分類をとっています。最初に見たときにはすこし戸惑いましたが、下二段活用の「たまふ(る)」の解説はかなり見通しのよいものになっていると感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古文解釈の座右の書。古文文法を理詰めで考える楽しさを教えてくれる。自分の中で古文文法の整理がついたし、解釈にどう活かしていくかの方法論も知ることができた。
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「伊藤和夫」の古文版。
私は高校1,2年のころ、古文があまり得意ではなくて、成績も平均前後をふらふらしていた。
問題文と「合えば」読めるが、「合わない」とさっぱり筋が追えないという状況で、
文法も、助動詞の一覧と意味までは覚えたものの接続があやふやで、
助詞に至っては係助詞以外知らないというありさまであった。
2年生のときの担任が、たまたま国語(現代文も古典も教える)の先生だったため、
相談したところ、「古文も言語なんだから、量を読め」と言われた。
そこで、比較的読みやすい部類に入る、奥の細道とか、土佐日記とか、徒然草とかを
文庫で読んだ。そうしたら、いつのまにか成績は上がったのだが、王朝文学への苦手意識は拭えず、
源氏物語や狭衣物語あたりが出題されると、「誰が主語なのかも分からない」状況に陥るのであった。
その頃、伊藤和夫氏の英語の参考書群が気に入っていたこともあって、彼の方法論を
古文でも応用できないかと自分なりに取り組んだりもしていたが、何分実力不足で、難儀していた。
そんなとき、この本に出会って、「ああ、これだ」と思ったのを覚えている。 -
自分が受験生だったら絶対に手を伸ばさない参考書。レイアウトも単調。
ただ、古文読解における「感性」を廃し「論理」をもちこまんとした筆者の姿勢に脱帽。指導者としては必須の書ではないだろうか -
使用時期の目安 高3 7月〜9月
英文解釈ならぬ、古文解釈の本。
難しいが、得るものも大きい。文法が一通り完璧になったらやってみる。ただ、古文を得意にしたい人のみやる。「苦手にはしたくない」程度の人は『マドンナ』古文をやろう。
サラッと読んで、使えそうなテクニック(主語の補充など)のみを学ぶのにもいい。 -
授業で分かりにくいこと・言ってくれないことを見つけるには最適。