背徳のマリア (下) (ガッシュ文庫)

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著者 : 綺月陣
制作 : AZ Pt 
  • 海王社 (2011年6月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796401777

背徳のマリア (下) (ガッシュ文庫)の感想・レビュー・書評

  • ここまでしなければならんのか、と言うくらいに彰の愛情は業が深い。結城と和己の兄弟も業が深い。一人浮世離れしているのが早坂で、安藤も豪快に境界線を越える。だが、BLを読み慣れていると「男同志でもいいじゃない」が当たり前になってしまっている自分の脳内を再確認させられた。いつの間にか気付かないうちに「BLなので普通ではあり得ないとしても間違いなく男同士が愛し合う」と疑いなく思い込んで読んでいるな…と。それでも男でなければならない事が書いてあった。BLとして成り立っているのが当り前じゃないんだ…

  • こんなに後味悪く終わるとは思ってなかった…。これを後味悪いと感じるかは人それぞれだと思うけど、少なくとも今までのBLの基準で考えると一瞬呆然とすると思う。

    安藤先生が意外なほど最後までいい人(笑)

  • 同性カプにとって永遠に叶わぬであろう夢を実現させようとする男たちの暴走。どちらも深過ぎる愛ゆえというのは理解できるのだけど、結城にしろ彰にしろ自己完結してしまってはいないだろうか。彼らの出した結論に相手の意思や想いは含まれていないから。子供こそが愛の証と思い込んでしまうのもそれが不可能である男同士だからというのであればなおさら悲しみが増す。書き下ろしを読むと「背徳のマリア」の物語は完結していないと思えてるのでその後がとても気になってしょうがない。

  • 5年ぶりの再読。
    今回は落ち着いて読めた。
    初読のときはガクブルしたもん。

    やっぱり安藤の存在は大きいね。
    このムサい男がいなかったらこの物語は痛過ぎてつらい。

    それにしても、黒崎結城のマッドさには恐れ入るなあ。
    愛し合ってるのに一方通行だったもんなー。

  • 上巻の面白さに驚愕し、続けざまに下巻を読んだ。

    冒頭から衝撃の短編で幕開ける。医者の兄が実の弟に胎児を孕ませる話だ。それがまた波乱を呼び「背徳のマリア」という物語を背徳の激しい渦の中に巻き込んでいく。

    「龍と竜」もシリーズ通して読んだ事があるので、こう繋がっているのか…とラストにまた感嘆した。

    BL、NLを超えた素晴らしい小説だった。一生本棚に置いて大事にしたい本がまた出来ました。

  • 圭介と彰編のラストを読んでその展開に衝撃を覚えてしまいました。救いがないわけではないけど、それでもやりきれなさが募ったりして…。
    でも読み進めていくうちに、この展開で良かったんだと思えました。
    成功しても失敗しても、みんな笑顔でチャンチャン、というラストこそ釈然としなさそうなので。みんな笑顔だけど、あのラストだからこその笑顔だと思うので。
    いろいろと考えさせられるシリーズでした。

  • 衝撃的すぎて、読了してから呆然……。
    当時だから発表できたようなもので、今の業界事情だったら完全スルーどころか下手したら発禁ものだと思う。
    ヤンデレなんて可愛い表現すっとばして、もはや妄執とよべるベレル。

    表題作の兄弟よりも、個人的には医者カップルの方が好みです。
    というか、これダブル主人公で、安藤を通して互いにリンクしてる話ですよね……。
    受がどちらとも自分で腹をかっ捌くとか、もうどうかしてるとしか。
    病み度が尋常じゃない感じで、読んでてしんどいのに、結末を知りたくてもつれそうになる勢いで文字を追ってしまいました。

    どちらのカップルの話も、片方のひとりよがりな行動が目立つ。
    勝手に勘違いして、勝手に恐怖して、相手の気持ちや言葉を信じられずに、ひとり疑心暗鬼になって……というか、ここまで考えてそれってその時点でもう病気だよね……。
    両想いなのに一方通行という図式は、相手の方が本当は辛いんだよなー……と思うので。
    兄弟なら弟が不憫。医者なら攻が不憫。
    作中、唯一のオアシス的役割というか、良心的役割を果たしていた(良心というか、不屈の精神力?)安藤が、受を不憫だ不憫だと言いますが、全然不憫には見えないというか、むしろ攻の気持ちを考えると、この自分勝手な受の横っ面張り倒してやりたい。

    救いのないラストにも見えますが、見方によっては幸せにも見える。
    というか、受にとっては幸せなんだろうという感じ。
    ふたりとも幸せには見えないので、読後感は砂を噛んだ感じです。
    それでもテーマが深く読ませるだけのものがあったので、評価高め。

  • 上下巻一気に読み終え本を閉じた瞬間深ーいため息。
    今はただこの狂った世界から解放された事が嬉しい。

  • これはもう狂気としか言いようがないと思う。
    上巻も重かったけれど、下巻はさらに思いと感じました。
    狂ってしまう描写や、呆けてしまう描写は変にリアリティがあって寒気がしました。執着心が恐ろしかったです。
    後日談として、また少し続きが読みたいと思いました。綺月先生、いつか書いてくださればいいののにな。

    ですが、読み終わるとどっと疲れがきます。精神的にも肉体的にも余裕がる時に読むのが一番良いと思いますよ。

  • 下巻は辛かった。
    体力のあるときにどうぞ。

  • 備考:実兄弟/性転換

  • 狂気の沙汰という言葉がぴったりですね…!
    誰も彼も狂ってるよ!
    セルフ手術のくだりとか怖すぎwww
    久々に目が急ぎすぎてもつれそうになるぐらい先が気になる作品でした

    しかしこの攻め、BLの攻めとしてダメ男すぎww色んな意味でw

  • すごかった!!とにかくすごい話です。上巻もかなりだったけど、下巻はもう執着っていうか妄執っぷりがハンパなかった。
    BLというだけでなく「命」とか「性別」とかそういう部分のテーマも深くて考えさせられる本でもあります。
    それにしても圭介の心の広さには驚きです。いやいや、あんなことされたらひくだろフツー。彰も結城もかなり病んでます・・・。結局二人とも過去の一番いい時に留まることでしか幸せになれないってのがこれまたイタイ・・・。
    医学が進歩したら本当にこんなことが可能になることもあるんだろうな~。倫理観とか人間の欲望とか色んなことを問いかけてくる物語です。

  • まさに狂気の坩堝と化している重くて痛い下巻。
    これを読んで、何も感じない人はいないのではないかと思います。いい意味でも悪い意味でも衝撃的です。

    自分を受胎させようとしている黒崎の愛が信じられなくなる和巳。都合のいい実験台だと思い込み、失望しますが、結局黒崎の切実な思いに気づき立ち直ります。肝心の黒崎は精神を病むことに。

    彰や黒崎の不幸は、約束された形がなければ愛情を信じることができない弱さにあるような気がします。愛の証とか、愛の結晶的なものがあれば、安堵し寂しくなくなると思い込んでいます。
    で、たどり着いた答えが妊娠です。
    種を守り繋いでいくことを考えれば、確かに男同士の愛は不毛だとバッサリ切られそう。その危惧が彰や黒崎を追い立てます。進歩した医学の力でどうにかしようという足掻きが切なくて胸に沁みます。彰の場合は、圭介や彼の両親に対しての罪悪感なんだろうな。世間体とか、跡継ぎとか。それは異性間でもありがちな苦悩です。
    しかも痛い事件と圭介の母親の来訪が重なり、彰の精神は限界に。

    圭介という男を愛してしまったゆえの悲劇ですが、最終的に彰は彼を純粋に愛することで、完全に自分のものにすることができたんじゃないかと思います。
    女でなくても、受胎できなくても、愛の本質とはゆるぎない互いの情にこそあるのだと、教えてくれる深い物語です。

  • こちらも上巻からの続きで重い、ぐっと重かったです。
    何故、男女が結ばれたら赤ちゃんが出来て当然なのか。
    同性同士には絶対無理だとされている愛の結晶、赤ちゃんの存在が
    重いです。
    男女間であっても今は不妊に悩む夫婦はかなり多いし、実態は殺伐としていて悲惨だと思います。男同士でなくても、得られない物はあるんです。
    好きな人の子が欲しい、遺伝子を残したい、それに執着するあまりの異常さに付いていけませんでした。
    歪んだ愛情から実の弟に自分と弟から培養した受精卵を着床させる外科医の黒崎。
    安藤の後輩で優秀な外科医である黒崎結城は弟和己を騙して妊娠させ、やがて精神に異常をきたしていく。
    一方、女性として圭介に愛され北海道で診療所を営む彰は幸せな暮らしを送っていた筈だったのに、そこでもまた妊娠という禁忌に手を出してしまう。
    人のどん欲さに吐き気すら覚えました。
    受け入れる物は受け入れてあるがままで生きる事がどれだけ大切か、虚偽にまみれても結局最後には失うんだな、と胸が痛かった。
    最後は素に戻れて圭介の愛に包まれてよかったけれど。
    足るを知る、この事が真理です。

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