- Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796401777
感想・レビュー・書評
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ここまでしなければならんのか、と言うくらいに彰の愛情は業が深い。結城と和己の兄弟も業が深い。一人浮世離れしているのが早坂で、安藤も豪快に境界線を越える。だが、BLを読み慣れていると「男同志でもいいじゃない」が当たり前になってしまっている自分の脳内を再確認させられた。いつの間にか気付かないうちに「BLなので普通ではあり得ないとしても間違いなく男同士が愛し合う」と疑いなく思い込んで読んでいるな…と。それでも男でなければならない事が書いてあった。BLとして成り立っているのが当り前じゃないんだ…
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こんなに後味悪く終わるとは思ってなかった…。これを後味悪いと感じるかは人それぞれだと思うけど、少なくとも今までのBLの基準で考えると一瞬呆然とすると思う。
安藤先生が意外なほど最後までいい人(笑) -
同性カプにとって永遠に叶わぬであろう夢を実現させようとする男たちの暴走。どちらも深過ぎる愛ゆえというのは理解できるのだけど、結城にしろ彰にしろ自己完結してしまってはいないだろうか。彼らの出した結論に相手の意思や想いは含まれていないから。子供こそが愛の証と思い込んでしまうのもそれが不可能である男同士だからというのであればなおさら悲しみが増す。書き下ろしを読むと「背徳のマリア」の物語は完結していないと思えてるのでその後がとても気になってしょうがない。
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5年ぶりの再読。
今回は落ち着いて読めた。
初読のときはガクブルしたもん。
やっぱり安藤の存在は大きいね。
このムサい男がいなかったらこの物語は痛過ぎてつらい。
それにしても、黒崎結城のマッドさには恐れ入るなあ。
愛し合ってるのに一方通行だったもんなー。 -
上巻の面白さに驚愕し、続けざまに下巻を読んだ。
冒頭から衝撃の短編で幕開ける。医者の兄が実の弟に胎児を孕ませる話だ。それがまた波乱を呼び「背徳のマリア」という物語を背徳の激しい渦の中に巻き込んでいく。
「龍と竜」もシリーズ通して読んだ事があるので、こう繋がっているのか…とラストにまた感嘆した。
BL、NLを超えた素晴らしい小説だった。一生本棚に置いて大事にしたい本がまた出来ました。 -
上下巻一気に読み終え本を閉じた瞬間深ーいため息。
今はただこの狂った世界から解放された事が嬉しい。