蛇淫の血 (ガッシュ文庫)

著者 :
  • 海王社
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本棚登録 : 183
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796402415

感想・レビュー・書評

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  • 既読ですが書き下ろし付だったので新装版を購入。何度も読み返してるのに、また最後までじっくり読んでしまった…
    一見ハードな正統派任侠のようでありながら、そこにダークで官能的な愛がプラスされていて、独特の持ち味があります。
    読んでると、なんだか脳みそ痺れるかんじ。

    日本画を専攻するごく普通の大学生だった凪斗は、突然命を狙われた瞬間から人生が一変してしまいます。亡き母親が「凪斗」と名づけ、平穏な人生を歩むように願い戒めたにもかかわらず、角能という男が現れたことで、彼は岐柳組四代目候補としての生き方を余儀なくされます。
    最も嫌悪していた道を強制的に歩かされることになった凪斗が、あたかも蛇が脱皮するようにウブなお子ちゃまから魔性の極道に変化していくのが感動的。その一番の要因は角能への愛であるのが純情でせつなくて泣けます。そして、およそ組を支えていけるような器でもない一回りも年下の凪斗に、角能もまた魅入られて溺れていくのがエロかった。

    かなりの主従萌えでした。不遜な印象の角能が凪斗の前に跪くとこ(縛ったテープはずすためなんだけど)とか、守るために自分の体を張って凶弾を受けてしまうところとか。ベタだけど萌えポイント。
    子供じゃないのにおんぶされてしまって、しかも感じるというのもプレイちっくでエロス。
    そして、なんといっても凪斗が刺青を入れるシーン。角能が「俺がおまえのために用意した絵を、この肌に入れさせてくれ」と言いくるめる場面から扇情的で痺れた。
    極めつけは、匕首片手に覚醒した受の「俺に角能さんをください」プロポーズ。漢らしく成長した受とこれまた漢らしい姐さんに、はげしく萌え。

    書き下ろしは、心にズキンとくるシビアな話。もうカタギじゃないんだよ、という自覚と諦念かな。そこはもう「俺が受け止めてやる」と豪語する角能に、全て忘れちゃうくらいどうにかしてもらうのが正解みたいです。

  • 沙野 風結子さんの本で検索して気になってた本
    新装版が出るとわかって楽しみにしてました。

    引き込まれて一気読み☆5
    書き下ろしが+されてかなりページ数があったようですが
    あっと言う間に読み終わっちゃいました。
    濃いのにドロドロし過ぎないところがいい。
    裏社会物好きな方は是非!
    蜘蛛の褥も楽しみですが他の2作も早く読みたいな。

  • 旧版持ってるけど書き下ろしと小冊子目当てで購入♪書き下ろし、岩泉の件が辛い。「悪く思われたくなかった」という凪斗の気持ちが痛いほどわかる。それを我儘だと凪斗は自戒してるけどそんなことない。誰でも思うこと。そう思っていても岩泉を自分の円から弾き飛ばすしかなかった凪斗が悲しい。4代目を継ぐとなってからは円をさらに強固にしなくてはならなくて…。でも、今の凪斗は一人じゃない。円の中にはSSのメンバーや父たち、そして中心に立つ凪斗を力強く護る角能がいる。頑張ってる子蛇を包む角能の温かな輪、という表現がすごく好き!
    奈良さんのイラストは旧版のもの。巻末に奈良さんのコメント入りラフ画あり。表紙絵の別案のラフとかかしら?奈良さんはラフまで美しいから眼福!

  • 出し直し。
    既読だけど、大好きなシリーズなので買い直しします。旧版も保存。

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