完本マイルス・デイビス自叙伝 (ON MUSIC)

  • 宝島社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (674ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796602228

作品紹介・あらすじ

音楽、友、セックス、ドラッグ、人種問題…。1940年代のジャズ・エイジから半世紀、つねに偉大なるイノベーターとして音楽シーンをリードし続けたマイルスが、赤裸々に語った波乱の人生。壮絶な死のあとに残された、ただ一冊の自伝。

感想・レビュー・書評

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  • ジャズに詳しくない私でも知っているジャズの巨匠たちがこれでもかと出てくるので、わからないなりにも興味深く読めました。

    驚いたのは、これほどの有名人たちのほとんどがドラッグ中毒であったこと。
    ホールを連日満員にするほどの人気を博しながら、みんな借金まみれ。
    だって薬にお金がかかるから。

    そうか。
    1940年だ言ってそういう時代だったのか。
    確かに日本でも第二次大戦後は、子どもでもドラッグを簡単に買うことができて、いろいろ社会問題になったんだよね。

    人種問題については、今まで読んできたのが1960年代の南部の話だったので、1940年代の中西部の黒人は、差別をされ、それを当たり前のことと受け止めながらも卑屈にならずに暮らしていけたというのに驚きました。

    マイルス・デイビスのお父さんは地元で有名な歯科医で、白人の患者だろうと黒人の患者だろうと区別せず癇癪を起すことができたのだそうで、これ、南部だったら黒人に口の中をいじらせる白人なんていなかったのではないでしょうか。
    マイルス・デイビスの兄弟もみんな大学出てるし。

    だから、無条件に白人がえらいなんて思っていません。
    なんなら白人に胡坐をかいているだけの人なんて、はっきりと見下しています。
    それでも、ミュージシャンとして、白人に搾取されていることを痛感せざるを得ないのが、当時だったのでしょう。

    リンカーンが読んで感動し、奴隷解放を決意したという『アンクル・トムの小屋』は、黒人からの評価がとても低いのですが、マイルス・デイビスも「俺たちの中にはアンクル・トムみたいなやつはいない」というようなことを何度も書いていて、そういうことも勉強になりました。

  • 【由来】
    ・2015/01/13のOC会で粟生さんから

    【期待したもの】
    ・モンクと仲が悪いというのはデマだった!


    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 読んでいる時にその時代のマイルスが聴きたくなる本。
    現況に満足せず常に次にやるべき音楽を追い続ける姿勢が非常に徹底していて、見習おうというようなレベルを超越している気がする。だけど何か壁にぶつかった時にマイルスだったらどうするだろう?と言うようなことを考えるきっかけにはなりそう。
    ミュージシャンとの交遊暦も凄くて、ポピュラー音楽史の中心に居たことは分かるけれども、そんなマイルスでさえ80年代後半であってもアメリカにおける人種差別問題が根深さを感じていたことが驚き。
    ページ数多い分厚い本ですが、それ程翻訳の不自然さも感じず読み終えることが出来ました。ちょっと感動する話もあったりします。トランペッターやジャズミュージシャンは勿論、普通のビジネスマンであってもちょっと音楽に興味があれば自己啓発本にもなり得るお勧め本です。

  • 若きマイルスが帝王に到る道のりには、厳しい人種差別、蔓延するドラッグがあり、常に圧迫された苦しい感情との戦い。
    音楽界の全盛を極め、そして、時代に取り残されていく悲しみ。

    作品の話からバンド編成の裏話まで、マイルス節が効いていて最高です。

  • 常に“ヒップ”であり続け、ジャズ界に革命と騒動を巻き起こし、波瀾の人生を過ごしたマイルスの全て。

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