夫殺し

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著者 : 李昂
制作 : 李 昂  Li Ang  藤井 省三 
  • JICC出版局 (1993年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796606363

夫殺しの感想・レビュー・書評

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  • 思わず全身に嫌悪感の走る描写は、伝統的な制度が強いてきた女性への抑圧をこれでもかと読者に知らしめる。けれど主人公の夫であるその男もまた、屠殺を生業にする身分であるが故にしらずしらず抱え込まされてきた負の情念によって、逃れようのない苦しみの輪の中にいる。台湾のフェミニズム作家、李昂の有名作ということで、早く読まねばと思っていたけれどなんだかんだ後回しになっていたのをやっと読んだ。一気に読めてしまった。同じく李昂の『私小説』は、数年前に読んだ時、頻出する性描写に耐えられず途中でやめて積読状態なのだが、ちゃんと読みたいと思った。

  • 読みかけのこの本を何気なくリビングのテーブルの上に置いていたら、息子から「お母さん!なんつー本を読んでるの!」と思わず言われてしまったほどの、ちょっとギョッとするようなタイトルの作品。
    これは1993年の発行で、現在では絶版になっており、早くも古書扱いである。
    当時、なぜこの本を購入したのか、そのあたりの記憶は定かではないが、おそらく何かの書評誌をで紹介されているのを読んで、購入したのだと思う。
    それまで接したことのない台湾文学に惹かれたのと、フェミニズム文学というのに食指を動かされた。
    昨年読んだ「ワイルド・スワン」同様に、ほんの数十年前の社会における女性のポジションのあり方に愕然とさせられる。
    今では雇用機会均等法だのセクシャルハラスメントだのが当たり前に社会になっているが、この作品に描かれているのは、男女平等などという以前の問題。
    もちろん今の台湾ではこんなことはないのだろうが、この作品が台湾社会に投げかけた影響はどんなものであったのかとふと思う。
    タイトルのインパクトが強すぎるせいもあるのかもしれないが、文庫本になって、もっと多くの人に読まれてもいいのではないだろうか。

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夫殺しの作品紹介

林市はなぜ夫を殺害し、その死体を切り刻んだのか?飢えのためにいきずりの兵士に身を任せ、一族により川に沈められた母と、少量の豚肉との交換で屠夫のもとに嫁にだされた娘…。嗜虐的な凌辱、獣のようなセックス、飢えと恐怖と絶望の果てに、林市が見たものは?中国社会の暗部を怒りと悲しみで描き、容赦なく人間性の最深部を抉る現代台湾フェミニズム文学の最高傑作。

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