怪獣使いと少年―ウルトラマンの作家たち 金城哲夫・佐々木守・上原正三・市川森一

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著者 : 切通理作
  • JICC出版局 (1993年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796606714

怪獣使いと少年―ウルトラマンの作家たち 金城哲夫・佐々木守・上原正三・市川森一の感想・レビュー・書評

  • 1993年刊。表題から著者が好きな脚本家が誰かは判ってしまいそう。第一期ウルトラシリーズで脚本を書いた4名(なお、上原は、二期シリーズの帰ってきたウルトラマン、市川は同ウルトラマンエースでのメインライター)について、彼らがウルトラシリーズで手がけた脚本から、その人物像、個性のみならず、これらが生まれた時代背景を解説する。類書が何冊かあるので、被る箇所も多いが、こう並べられると、当時のウルトラシリーズの持つ熱さ、メッセージ性を感得しない訳にはいかない。誰か、平成シリーズでこんな本を書いてもらえないかなあ。
    もっとも、本書はウルトラシリーズの脚本に限って評しているわけではない。市川森一の「問題意識高い監督山際永三がじわっとテレビ局からパージされていく」という談などは、確かに山際は「帰ってきたウルトラマン」の監督の一人ではあるものの、そこに止まるわけではなく、むしろ、本書の持つ、テレビ業界の持つ独特の事なかれ主義を告発する裏面が露わになっているよう。

  • よく「映画は監督で観ろ!」とかバカなこと言ってくる人がいますが、それはもちろん大切なことだけれど、ホンがなかったら結局ドラマも映画もできません。
    黒澤明が最も大事にしていたのは当然ホン、岡本喜八にも「とにかくホンを書け!」と言っていたそうです。

    この本は、初期ウルトラシリーズ(市川森一がメインライターのAまで)の、いわゆる名作回の代表的な脚本家4人のシナリオを取り上げて、彼らがどういう人生を送ってきたのかとともに解題したもの。
    よく言われてますが、ウルトラセブンにはベトナム戦争の影響が色濃く反映されている。ユートピア的未来展望が描かれていたウルトラマンからウルトラセブンへの変化。

    以下自分の思ったこと。

    ウルトラマン=在日米軍とよく言われていて、たしかにそうだけれど、セブンは葛藤する。ここにおいて気づいたけど、3つのメタファーが重層的になっているのではないかと。
    1.ウルトラマン=在日米軍、科特隊=自衛隊、地球=日本
    2.ウルトラセブン=冷戦下、ベトナム戦争の時代、東西陣営の狭間で迷える日本の若者(スチューデントパワー)
    3.ウルトラマンやセブン=沖縄と日本の架け橋になりたかった金城哲夫

    当時は子ども向け番組と普通のドラマでスタッフが分かれていなかった。
    のちに大河ドラマも手がけた市川森一、ATG系の佐々木守、取り上げられていないけどのちに金八先生を作り、やはり大河ドラマも手がけた小山内美江子。

    また、関連作品『泣いてたまるか』は寅さんシリーズを生み出した。
    やはり関連作品『コメットさん』はウルトラマンともどもメキシコで大人気、アルフォンソキュアロンやアレハンドロGイニャリトゥ、ギレルモデルトロらに大きな影響を与えたのではないか。

    市川森一の『悪魔と天使の間に…』の副読本として読んだのだが、(出来の悪い)グロンケンの回が取り上げられてないのには笑う。
    しかし、コメットさん72話『僕は挑戦者』とシルバー仮面15話『怪奇宇宙菩薩』の間にできたのがグロンケンの回、というのを調べた結果わかったのでよかった。

    高崎に空襲がなかったという記述は間違いじゃないのかな。昨年出た増補改訂版で確認してみたい。

  • 今年の抱負②:通勤読書の35冊目を読み終わりました。

    この人の本、別のも読んでみたくなった!

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