大学崩壊 (宝島社新書)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796618489

作品紹介・あらすじ

教授も、学生も、制度も、全部ダメ!研究も講義も放棄して学内政治やセクハラにうつつをぬかす教授たち、幼稚園児のような学生たち、助手という奴隷をかかえる大学制度。大学はどうすれば立ち直れるのか?腐った大学にメスを入れる現職教授の叫び。

感想・レビュー・書評

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  • 105円購入2012-04-08

  • 本書は、大学教員がいかに愚か者について書かれている。

    森鴎外の「研究業績のないものに学問権を与えると、その大学は駄目になる」を引用している。
    これに従うと、駄目ではない大学の方が少ない。実践系の大学教員がいる。かれらの研究業績って何?そもそも研究しているのか。教職大学院なんて学問をするためにつくられたわけではない。もう駄目なんていう話ではなく、大学が学校になっている。昔みたいに師範学校にすればいいのに。

    1980年の文部省の調査によると、5年間論文を書かない(書けない)教員が全大学の25%もいるという。5年間で書けない者はほぼ永久に書けないだろう(p.17)という。
    研究したくて大学の教員になったのに、書かないって変な話だと思うが、研究するのと、論文を書くのは別なのだろうか。

    他にも、大学職員の犯した犯罪などが多々紹介されている。なんでもセクハラは教育学部が最も多いらしい。大学側は評判を落とさないように隠蔽しているそうだ。ニュースになるのはごく一部で、実際はもっと多いのだろう。

    『大学を問う』、『大学教授になる方法』など読みたくなった。

    (まっちー)

  • 10年以上前の本ではあるが、
    現状とほとんど変わっていないのではないかと感じさせる一冊。

    大学での「ハラスメント」や、ポスドク問題。
    さまざまな問題の実態に興味があれば読んでみるといいかも。
    ただし、あまり深い考察などはないので軽い読み物としてですが。

  • [ 内容 ]
    教授も、学生も、制度も、全部ダメ!
    研究も講義も放棄して学内政治やセクハラにうつつをぬかす教授たち、幼稚園児のような学生たち、助手という奴隷をかかえる大学制度。
    大学はどうすれば立ち直れるのか?
    腐った大学にメスを入れる現職教授の叫び。

    [ 目次 ]
    1 大学教授亡国論(論文も書けず、入試問題もつくれない大学教授 研究も教育もせずに、いったい何をしているのか? 痴情の果ての殺人、心中、そしてやくざ顔負けの権力抗争 ほか)
    2 教授会亡国論(「教授会」は人事などの権限はあるのに責任なし 「大学教員の任期制」は助手と非常勤講師を痛撃する ますます強化されてゆく大学教員の管理体制)
    3 大学生亡国論(大学の新入生から「初々しさ」が消えた理由 大学生の学力低下・その驚くべき現状 英語の入試問題を作成しながら考えたこと)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 日本の大学もレベルが低いね。大丈夫か?この国は。

  • 1章 大学教授亡国論: 論文も書けず、入試問題もつくれない大学教授
    2章 研究も教育もせずに、いったいなにをしているのか?
    4章 大学教授の教え子に対するセクハラは「職業病」か?
    5章 乱舞する「いびり」や「いじめ」の天才

    これを読めば、あなたの教授にたいする意識がかわり、教授とはこんなものかとちょっとは楽になります。

  • 大学は新しい時代を迎えているのだそうである。「ユニバーサル時代」という、高等学校卒業者の50%以上が大学に進学する時代で、「大学を選ばなければ、不合格となることのない時代」と言うのだーと、される。

    著者は、大学を構成する教授も、教授会も、学生も、大学に居るにふさわしくないものが、多すぎると警鐘を鳴らす。
    教員の組織は「近親相姦的純血主義」で身内のカバイあい。教授会は学内政治屋が理事会と結んで、内向きになりすぎている。学生は知識も、意欲もなく「シラケている」。身を切るような大学改革を行いきった教育機関だけが生き残ると良いとも書く。

    学生のシラケ現象は「受験校を決定する段階で、すでに志望校をかなり高い可能性で『合格』するところに決めているところからきているようだ」と推測。入試改革は「教養と文化の解体への防止策」としても必要と、訴える。教員は学会ですら「『○○を知っているか』が議論され、『考える力が乏しい』」との児玉隆夫・大阪市大学長の言葉を引用する。

    なにより「日本的なタコツボ」と化した学問にかわる「新しい知の体系を確立するため」には、「(大学教員任期法ではない)大学教授任期法」の施行を提言している、が。

  • 030504

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著者プロフィール

かわなり よう 1942年生まれ。法政大学名誉教授。北海道大学文学部英文科卒業、東京都立大学大学院修士課程修了。社会学博士(一橋大学)。現代スペイン学会会長。ロンドン大学客員研究員、ケンブリッジ大学客員研究員、マドリード大学客員研究員を歴任。書評家。武道家(合気道6段、居合道4段、杖道3段)。著書等に『スペイン通史  シリーズコンパクトヒストリア』(丸善出版、2020年)、『スペイン内戦〈一九三六〜三九〉と現在』(川成洋、渡辺雅哉、久保隆 編、ぱる出版、2018年)、『英国スパイ物語  中公選書』(中央公論新社、2018年)、『イギリスの歴史を知るための50章  エリア・スタディーズ ヒストリー』(川成洋 編著、明石書店、2016年)、『スペイン文化事典』(川成洋、坂東省次 編、セルバンテス文化センター東京 編集協力、丸善出版、2011年)ほか多数。



「2021年 『英米文学、多彩な文学解釈への誘い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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