四日間の奇蹟 (宝島社文庫 347)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (508ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796638432

感想・レビュー・書評

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  • 再読!
    やはり泣ける。10年ぐらい前に読んで、衝撃を受け、ストーリも覚えていましたが、再度読み直しました。
    第1回「このミステリーがすごい!」大賞・金賞受賞作品。
    本書は「このミス」シリーズを読み始めるきっかけになった作品ですが、正直、その後は「このミス」で素晴らしいと思える作品にはほとんど出会えませんでした。

    ストーリとしては、脳に障害を負った少女千織。その少女を助けるために指を失ったピアニストの如月。山奥の診療所を千織のピアノを演奏するために訪問します。
    その診療所で如月に好意をもっていた真理子と再会します。
    しかし、ここで事故が発生。千織をかばった真理子は重体に。
    そして、不思議な出来事が起こるといった鉄板のストーリ展開。

    生きるということ
    自分自身と向き合うということ
    切なさ、辛さが伝わってきます。
    そんな癒しと再生のファンタジーです。
    後半はストーリがわかっていながらも心揺さぶられ、熱いものがこみ上げてきます。

    さらに、本書で出てきたピアノ曲
    「別れの曲」
    「月光」
    ストーリと曲がつながります。

    これ、やっぱり映像で見てみたい。
    とってもお勧め

  • 心というものが肉体を離れて存在する。とクライマックスに出てくる言葉とても心揺さぶられた。登場主要人物みんなが、傷ついた過去があって生きている。突然の事故で、生涯を終える4日間だけ少女の体を借りて思いのすべてを悔いなく生きる彼女こそが本当の主人公だったのかなと思った。人生に起きる色々なことは、全て意味があって意味あるものにしていかないともったいない。と思わせてくれた作品だった。2005年に映画になっていて観たいと思った。

  • 第1回このミステリーがすごい!大賞の受賞作。

    評価は色々あるようですが、個人的には、とても引き込まれました。面白いです。音楽用語や脳医学用語が多用されているにも関わらず、情景が目に浮かぶくらいグイグイ読ませてくれます。

    また、主人公の敬輔や、真理子の言葉で語られる「捨てきれない理想への執着」、「自己犠牲の精神とその葛藤」といった心の動きにとても共感しますね。

    軸となる出来事も描かれるテーマ
    も、1つ1つはよくあると言えばよくあります。ただ、それら多くのテーマが物語の中にしっかりと織り込まれ、終盤に向かうにつれ、テーマに対する作者の主張、答えが明確になっていく(しっかり回収されていく)。それを読ませる文章力、構成力が素晴らしいと思います。

    視点によっては、このような作りが寄せ集めに見えたり、目新しさを感じなかったりするので、評価が割れるんでしょうね。あと「ミステリー」という括り方の問題。本作は決して推理小説ではないので、そこは注意です。

  • いいんだけど、似たようなストーリーのゲームやったことあって「似てるなぁ」って思いながら読んでた。惜しい!

  • 知的障害を持つ少女と事故で指が一本欠けてしまったピアニストの心温まる奇跡の話。

    作品のテーマとして「心」とは脳が作り出すものか?それとも体という入れ物に宿るものなのか?といったことを考えさせられる。

    ストーリーとしてはどこかで読んだことあるような、3ページぐらい先の展開が読めてしまうようなものだった。しかし、ハッピーエンドというか心温まる締めくくりだった。

    音楽に感動できるということが羨ましいと感じた。千織をとても愛おしく感じた。

  • 後半部分は涙をこらえながら読み進めました。きれいな風景が目に浮かぶ描写で引き込まれた作品でした。

  • 何の予備知識も無く読み始めて、最後は泣くほど感動。
    これが「新人賞」を取ったデビュー作とは
    とても思えないクオリティの高さ(えらそーですが)。

    何を勘違いしたか、ミステリのつもりで読み始めて、
    「中々人が死なないな〜」などと思っていたが、
    逆にこれほど「死」と、その裏返しとして「生きる」こと、
    家族や人とのつながりなどを考えさせられる作品は無い、
    とも言えるのでは無かろうか。

    緩急がはっきりした文体で、特に前半は
    ものすごく贅沢に紙面を割いて主人公の心象を
    丁寧に丁寧に描写していく。
    ヘタをすれば冗長と取られかねない手法だが、
    ダレることなく読ませるのは作者の力量かと。

    また本当にちょっとした伏線もきちんと回収するので、
    もはや「心地よい」レベルと言えるかと(^o^

    特に秀逸なのは、登場する音楽の描写と、
    死を目前にした人間の目まぐるしい心境の変化。
    作者は一度死んだことがあるんじゃないか!?(^ ^;

    ストーリーに関することは...
    何を書いてもネタバレになるので(^ ^;

  • 指を失いピアニストの道が閉ざされた如月ケイスケは指を失うキッカケとなった脳に障害を持つ少女【楠本千織】にピアノを教えながら、日々を暮らしている。
    ある日、彼等は山奥の施設でピアノを弾く事になるのだが、奇跡の四日間が始まる。

    H氏の代表作(ネタバレになるので作品名は秘密です!)と本作の根幹となる仕掛けが被るのですがソレはそれコレはこれで、どちらも良い作品である事には変わりありません。
    ただ、どちらの作品にも共通する事は、登場人物達の心の痛みが伝わって来て、物語のラストがどうしようもなく切なくてて涙が止まらないということです!

    良い作品に出会えて良かった!

  • 厳しい意見もあるみたいだけれど、あ、好き。と思った。

  • ベートーベン「月光」
    第一楽章アダージョ・ソステヌート
    第二楽章アレグレット
    第三楽章プレスト・アジタート

著者プロフィール

作家・翻訳家。東京大学文学部卒。レコード会社洋楽部ディレクター等を経て作家に。
著書に『四日間の奇蹟』、『君の名残を』(以上宝島社)、『黄蝶舞う』(PHP研究所)ほか、訳書に『安アパートのディスコクイーン─トレイシー・ソーン自伝』、『フェイス・イット─デボラ・ハリー自伝』(以上ele-king books)、マット・ヘイグ『ミッドナイト・ライブラリー』(ハーパーコリンズ・ジャパン)、テイラー・ジェンキンス・リード『デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃』(左右社)など多数。

「2022年 『ボクのクソリプ奮闘記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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