名前のない女たち (宝島社文庫 375)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (487ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796641449

感想・レビュー・書評

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  • ※2004.6.13購入
     未読のまま売却済み

  • 個人的に、自分の知らない世界、とやらにはものすごく興味があるので、読んでみた……が、正直、期待はずれ。

    この微妙なモヤモヤ感の原因をいくつか感じたので、簡単に。
    まず一つめに、この作者さん……というか、ライターさん……というべきなのかもしれませんが、インタビューしなれてないなあ……という印象でした。
    まあ、読んでいると、こういう企画物やったの初めてみたいなので、仕方がないかなあ……と思ったりもしますが。

    あと、ちょっとぶ厚めの本ではありますが、20人もの人のインタビューを入れているせいで中身が薄まってしまっているせいもあるのかなあ……って思いました。
    なんというか、本人が話しているだけの表面的なインタビューじゃなくて、もうちょっと内面に突っ込むようなインタビューをするとか、社会問題と絡めたインタビューとか、してくれたら嬉しかったかなあ……と。

    それともう一つは簡単に「分裂する女」とか書いてるけど、なんかこれ、医学的な意味でいう「分裂」とはちょっと違う気がする……と思ったので、いろいろ知識を深めた上でのインタビューしてくれた方が通好みな気がしました。
    まあ、その代わり、インタビュアーが鬱陶しくなりすぎて、それはそれで好き嫌い分かれそうですけど(苦笑)

    まあ、なんにせよ、もうちょっと面白くする要素がいっぱいあったのに、もったいないなあ……と思いました。

    でも、インタビュアーの力量ってやっぱり数をこなせば上がってくるものだと思うので、これからに期待……ですかね。
    まあ、個人的には一番、新しい本を読んで、この人がどれだけ伸びたのかを確認してから、他を読むかどうかを判断したい気分ではありますが。

  • 2000年から2002年にかけておこなわれた、企画モノのAV女優20人へのインタビュー記事をまとめた本です。

    通りいっぺんのインタビューではなく、彼女たち一人ひとりの生い立ちに深く立ち入る本書の手法は、永沢光雄の『AV女優』(文春文庫)を踏襲したものですが、やっぱり壮絶な内容に言葉を失ってしまいます。

    昔「お世話」になっていた女優が子宮破裂で引退していたということを本書で知り、いたたまれない気持ちになりました。

  • 企画物AV女優へのインタビュー本。
    最初の結城杏奈の部分にものすごい衝撃を受けた記憶。
    壮絶な半生をあっけらかんと語る彼女を見ていると自分も頑張らんとなぁって気がしてくる。

  • 今年これが原作になった映画が公開されたんでこのシリーズを読んでみたんですけれど。いやはや…。インタビューに答えてくれる女性たちの生育暦や性遍歴があまりにも壮絶でドン引きしましたね。

    『内容(「BOOK」データベースより)
    名前さえ紹介されることなく、アダルトビデオの内容にあわせて時には女子高生、時には人妻に変身する企画AV女優たち。日雇い労働者のように、呼ばれた現場で過激なセックスを披露して、けっして高額ではないギャラを手にして消えるように辞めていく彼女たちは、何故、セックスをするという職業を選んだのか。セックスを職業に選んでしまった彼女たちが赤裸々に語る、驚くべき生と性。』

    今年、このシリーズが原作の映画化されたので、
    この本をを今読んでいるんですが、いやはや…。企画もののアダルトビデオの裏側がこれでもかといわんばかりにあらわになっているのと、女優たちの経歴の一つ一つがどれも壮絶そのもので、読んでいて非常に気分が重くなりました。しかし、彼女たちの存在から目を話せない自分もいます。

    このシリーズは読み次第、順を追って紹介していきますが、しんどいものになるでしょう。でも、書いていきますので、よろしくお願いします。

  •  田舎者女の章では、新聞配達の奨学金で専門学校に通うが肉体的に辛いのでお金は親に一括返済してもらい、借金を返すために手取りが良い仕事を選んだ。と短い文章で書くといかにも「それじゃダメじゃん」となる。しかし、話はそれだけでは終わらない。

     性を売る仕事に就く彼女たちの悲惨な家庭環境であったり、壮絶な学校でのイジメとか読んでいて気分も悪くなる。彼女たちはそれらに打ち勝つのではなく、一般人に言わせると更なる深みへと落ちていくのだ。誰も幸せになれないし、まったく救われない。

  • 「アダルトビデオ」という表のような裏のような社会で身体を売る女性たち。
    彼女らをどうとらえればよいのか。

    このインタビュー集を読んでいると、(サンプリングの問題はあるにせよ)結局AVに出る人には、いわゆる「普通」の生活とはかけ離れた経験をしている、という点で共通しているように思います。

    芸名のある女優さんへのインタビューが多いので、題名とは若干食い違ってしまっている部分があるような気がしますが、それでも読む価値は充分にあり。

    声高に「ポルノ廃絶!」と叫ぶのではなく、まずその媒体に出場する当の女性たちがどういう人で、どういう背景があるのかということに目を配らなければ、ポルノ論争は進まないのではないかというのが、正直な感想でした。

  • しょうもなく悩んでたときに読んだ気がする。
    期待してた深みのリアリティでは無かった。。

  • 人の数だけ生き方があると。

  • AV女優へのインタビュー。
    著者の文章がいまいちに感じられた。

    女としては、関係ないとは言いきれない世界だと思う。

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著者プロフィール

1972年生まれ。ノンフィクションライター。AV女優や風俗、介護などの現場をフィールドワークとして取材・執筆を続ける。貧困化する日本の現実を可視化するために、さまざまな過酷な現場の話にひたすら耳を傾け続けている。『東京貧困女子。』(東洋経済新報社)はニュース本屋大賞ノンフィクション本大賞ノミネートされた。著書に『新型コロナと貧困女子』(宝島新書)、『日本の貧困女子』(SB新書)、『職業としてのAV女優』『ルポ中年童貞』(幻冬舎新書)など多数がある。また『名前のない女たち』シリーズは劇場映画化もされている。

「2020年 『日本が壊れる前に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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