当確への布石

著者 :
  • 宝島社
2.82
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本棚登録 : 154
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796658355

作品紹介・あらすじ

私立大学で教鞭をとり、犯罪被害者救済活動を続けてきた大原奈津子は、衆議院統一補欠選挙東京6区への出馬を決める。前議員の田所孝夫がセクハラ事件を起こし、その失職に伴う補選だった。そんな折、元犯罪者の顔写真や所在等を記したビラを撒いて騒ぎを起こしていた「凶悪犯罪抑止連合会」という実体不明の団体から奈津子宛てに、推薦状が届く。不審な団体からの支持は選挙を不利にするため、奈津子は、教え子の夫で元刑事の平澤栄治に相談する。栄治は抑止連の正体を突き止めるべく、捜査を開始した。選挙を知り尽くした策略家・森崎啓子や、抑止連との関係を書きたてる雑誌記者・井端純平のキナ臭い動きに翻弄されながらも、栄治の捜査によって補選のカラクリが見えてくる…。選挙と、その周辺に渦巻く数々の策謀。さまざまな人物の思惑が交錯し、それぞれの企みが絡み合うなか、開票日が近づく。第5回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 女性選挙の本

  • タイトルはそういう意味だったのか。
    大学で教鞭をとり、犯罪被害者救済活動を続けてきた大原奈津子が衆議院補欠選挙への出馬を決めた矢先、「凶悪犯罪抑止連合会」という不審な団体から彼女を支持するとの推薦状が届く。

    前半はやや退屈ながらも後半は謎が次々解けて面白かった。
    選挙期間中のもっとドロドロした思惑、策略、選挙の裏側などを期待していたが意外にあっさりだった。
    (図書館)

  • タイトルはそういう意味か・・・と。

    選挙活動中の色んな人の入り交じる思惑、足の引っ張り合いや様々な駆け引きや心理戦・・・を期待していたのですが、そういう面はずいぶんアッサリとしていたように感じました。陣営の必死さは伝わってくるものの、盛り上がらない選挙っぽい。

    私がその地域の有権者だったら・・・この大原候補の主張には共感する部分もあるけれど、支持する!というところまでいかないかも。もうちょっと訴えに深みがあったらよかったのに。でも演説は聞きに行ってるかも。

    犯罪被害者で苦しんでいる人々のために活動する主人公が出馬という設定は興味深かったものの、犯罪被害者の心の傷に感情移入が出来ずじまいでした。栄治さんの娘の事件や奥さんのことは置き去りになってしまったところや、他の候補者のことも薄っぺらい感じがしてちょっと残念。

    ただ自分たちの身近に潜むかもしれない再犯の恐れのある人物への対策は早急に必要だと思います。私たちの生活の安全・安心のためにも、やはり累犯者を安易に世の中に放ってしまう世の中では困りますから。

  • 「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞(2007/5回)・
    「暗闘士」を加筆改題・「高山月光」を改名)

  • 選挙ものでミステリというのはなかなか新鮮で面白かったです。ミステリとしてはちょっと弱めかな?

  • 初めての選挙もの。このミス受賞作との事でチャレンジしてみました。
    ミステリー?っては思いますが、しっかりした作品でした。結局、悪意のある人はいなかったのね。

  • このミスの大賞ということだが、大賞という感じは薄い。
    話の流れに乗るまで時間がかかり、乗っかったと感じたら既に謎が解決の方向に進んでいた。最後まで読んでみて、「当確への布石」というタイトルの意味がわかった。
    最終章は、〆として悪くはないと思うが、全体の雰囲気の流れとしては、正直蛇足にも感じる。

  • 4月に県議選があったので、選挙絡みのテーマに惹かれて読んでみた。参謀にはやはりその道のプロがいると違うとか、微妙な風の流れがあるとか、マスコミ対策、候補者本人の体力など、「魔物」といわれる選挙の一面が伝わってきた。

  • 選挙モノがなかなか新鮮で楽しめました。

  • 2010/9/27 家にあって緑のカバーが目を引いたから手に取ったら、このミス優秀賞受賞と書いてあったから読んでみた。面白かったけど、長かったから前半部分は入り込めず読むのに時間がかかった。
    ビラ配りの実行犯のこととか、検察警察の話とか、奈津子の過去など、細かい話が色々多くて、全体として話が膨れてる印象を受けた。その中でも英治の奥さんの話と催眠療法の話が全く解決されずに放置されたままなのがしっくりこない。
    1番の謎解きである清美の思惑を軸にして話を短くまとめた方がいい気がする。
    最後の方の奈津子と選挙事務所の人たちが、必死に選挙活動頑張ってます的な描写はかなり読み飛ばした。

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