果てしなき渇き (宝島社文庫 577)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796658393

作品紹介・あらすじ

部屋に麻薬のカケラを残し失踪した加奈子。その行方を追う、元刑事で父親の藤島。一方、三年前。級友から酷いイジメにあっていた尚人は助けてくれた加奈子に恋をするようになったが…。現在と過去の物語が交錯し、少しずつ浮かび上がる加奈子の輪郭。探るほどに深くなる彼女の謎。そして用意された驚愕の結末とは。全選考委員が圧倒された第3回『このミス』大賞受賞作品。読む者の心を震わせる、暗き情念の問題作。

感想・レビュー・書評

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  • 感想
    主人公はいつも何か信念があって、悪と戦う、そういうイメージを覆すものだ。不倫していた妻への暴力で退職になった藤島。娘にも危害を加え、娘が犯罪に走るキッカケを作ったのも自分。薬をやりながら、なんとか身体を動かして娘を探す。彼は一体どこを目指しているのか。。

    話が果てしなく重いので読むのは結構疲れる。

    加奈子は結局最後まで出てこなかったが、悪魔みたいな女だな。悪魔のような女といえば白夜行や誉田哲也の作品を思い出させた。

    あらすじ
    警察を退職し、警備員の仕事をしていた藤島はある日コンビニで凄惨な殺人現場に出くわす。その後、元妻の桐子より娘が帰って来ないという電話がくる。家へ駆けつけたところ、娘の部屋から大量の覚醒剤が見つかる。

    藤島と桐子は、妻の不倫で別れ、二人とも娘の加奈子を放置状態にしていたため、彼女のことはよく分からなかった。その日から藤島の加奈子の捜査が始まる。加奈子は中学の頃より、アポカリプスというギャングと付き合いがあり、そこから手の入れた薬を予備校内で流していたことが分かる。

    その後、加奈子に翻弄されたギャング、半グレ、警察、ヤクザがお互いを潰し合う。

  • 気分が悪くなる物語
    第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作品
    映画にもなった作品ですが、よく、これを映像化したものです!
    暴力+いじめ+レイプ+ドラッグ+売春+殺人などなどダークな世界が満載のバイオレンス+ミステリー

    ストーリとしては、
    部屋にドラッグを残して失踪した娘加奈子を追う、元刑事の父親の藤島。
    娘を追いかける藤島の狂気が恐ろしい。
    暴力、レイプ、ドラッグ、拳銃何でもありです。
    そして、徐々にあきらかになる娘の輪郭。さらに深まる謎。
    娘はいったい何者なのか?
    今も生きているのか?
    救い出すことができるのか?

    一方、三年前の物語も並行で進みます。級友からいじめにあっていた尚人は自分を助けてくれた加奈子に恋心を抱きます。加奈子を慕って参加した場所で待ち受けていたものとは?
    ここからも加奈子の正体が徐々に浮き彫りになっていきます。

    どちらも、これでもかというぐらい残虐で嫌悪感満載のシーンが続きます。そんな中で、登場人物のだれも理解ができません(笑)みんな狂っています

    そして、いよいよ衝撃の結末へ
    といった展開です。

    グロが好きな方にはお勧め
    一般の方にはお勧めしません。

  • 中三春、読了。
     だんだんと暗い真実が見えてくる小説です。個人的には好きだったけど、暗い話が苦手な人にはオススメしません。

  • 18禁の内容で、当初予想していたイメージをはるかに振り切る内容で…
    読み手の好き嫌いがはっきり分かれる一冊だとおもいます。

  • 主人公(父親であり元刑事)がかなりクズで驚いた…

    父親が行方不明の娘を探すストーリー、とザックリ捉えていたので、主人公があまりにも酷くて辛かった。

  • グロくて救いようのない話。
    主人公が酷くて、それがなんだかリアルだった。

  • 誰も幸せにならないストーリー。映画を知ってから読み始めたので全てが役所広司で脳内再生されてしまった、、。(映画は怖くて見られない)藤島一家のクズっぷりがしんどかった。

  • 2020年11月20日読了。失踪した娘を追う元刑事の藤島は、自分の知らなかった娘の真の姿に迫ることになり…。第3回「このミス」大賞受賞作。暴力的でハードボイルド調なグイグイ来る展開に引き込まれあっという間に読んでしまった。魅力的な筋書きながら「真相がわかる驚き」「あっと驚くどんでん返し」に振るのではなく、主人公が暴力と欲望の闇に堕ちていくプロセスに注力しているのがなかなかおもしろい、「読む人を選ぶ」とある通り私の相方はこの話は受け付けなかったよう。読んでいる間はそれほど気にならなかったが、高校生たちのアングラ組織やヤクザ、地元の有志たちが所属する闇クラブなどの描写はいかにもフィクションのようで現実感がなかったり、娘が闇堕ちした理由も「わからんでもないが、そこまでなるか…?他人を巻き込むなよ…」と思ったりもする。

  • 子どもの虐待、暴行が加わるだけで胸糞悪い小説になることは絶対的。タブーな作品であることは間違いないが、だからこそページを捲る手が止まらない。物語の推進力は爆発的で、系統としては我孫子武丸の作品に近似かな?主人公の藤島が狂気の沙汰にあり、退廃的かつ暴力的で自己中心的な全く共感を寄せられないという点でユニーク。手で顔を覆いながらも、指の隙間からチラッと覗き観たくなるような、怖いもの見たさという人間の心理をついているなあ。

  • ★4.5
    失踪した娘加奈子を追う父藤島
    謎の加奈子、藤島の素の姿などなど気になって気になってあっという間
    深町秋生の本で読んでないのが少なくなってきた
    楽しみが減っていく
    もっと読みたい

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著者プロフィール

1975年山形県生まれ。2004年『果てしなき渇き』で第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。同作は14年『渇き。』として映画化、話題となる。11年『アウトバーン』に始まる「八神瑛子」シリーズが40万部を突破。著書に『卑怯者の流儀』『探偵は女手ひとつ』など多数。

「2022年 『天国の修羅たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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