世界のしくみが見える「メディア論」―有馬哲夫教授の早大講義録 (宝島社新書 252)
- 宝島社 (2007年10月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796659024
作品紹介・あらすじ
メディアが作る「孤独な分衆」。政治、IT、ネット社会、格差-現代社会をメディア理論で読み解く大人のための、新書版教養講座。
感想・レビュー・書評
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マクルーハンの論を中心に、21世紀を生きるのにあたって「メディア論」という視座を与えてくれる、とてもよくまとまった本でした。
すっと入ったけど、なんか腹落ち感はまだ無いので、また繰り返し読みたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館で借りる。が、途中で投げ出す。
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マーシャル・マクルーハンの唱えたメディア論の存在を知ったのは確か高3のときでした。
「メディア イズ メッセージ」の意味がよくわからなくて,先生に質問してたなあ…
その頃から,ぼんやりとメディア論に興味があったけど,前むずかしそうなメディア論の本を挫折したことがあったで,講義録なら何とかなるかなと。
…しかも自分の大学だし,ということで読んでみました。
実際,すごくためになりました。
メディア論を学びたい方に,是非おすすめしたいです。
ひとつだけ意見を述べさせてもらいたいのが,メディアの例として書かれていた 電子メール。
本が書かれたのが2007年ということで、現在はさらにメディアはさらに多様化しています。
本書に,「電子メールの文章を長くして気持ちを込めるというのはありえません。それなら、電話をするか手紙を書けばいいからです。」とありました。
しかし、そうとは言えなくなってきているのではないでしょうか。
スマートフォンが普及した今、LINEというアプリが存在します。
私の周囲では、「LINEあるからもうメール使わない」という声を聞きます。
簡単な連絡はLINEのほうが手軽にできていいから、という理由からだと思います。
今、「ちゃんとした連絡(主に長文)はメール、それ以外はLINE」のような傾向があるような気がします。特に、私かそれより若い年代には。
私はLINEもメールも使います。使い分けているつもりですが、マクルーハンの考えに乗っ取ると使い分けさせられている、と表現するほうが適切でしょうか。
LINEをする相手にも、LINEでは伝えられない、メールでこそ伝えたいこと、そうするほうが適切であるように思われること、というものが存在するような気がします。
メッセージの受け手も、どこかでそう感じているのではないでしょうか。
そもそも、電子メールのかわりに電話、と完全に言い切れもしないような気もします。
メールのほうが(今はさらにメールよりLINEのほうが、かな)気軽 にいろいろ伝えられますよね。
ベタな例をあげると、謝罪や告白。
そして、メールはどことなく軽薄な気がしてしまう。
伝えたいことがらに応じてメディアは変えるべき、という考えはその通りだと思います。
…まあ、やはり本気なら面と向かってにまさることはない、ということでしょうか。
いろいろ考えさせられ、知らなかった考え方を教えられるような、いい本でした。 -
マクルーハンも喝破したように、テレビ映りがいいのは変人と田舎者。
小泉首相が毎日テレビに出ていたことが重要だった。
どこの国の歴史でも、国家は文字を獲得した部族が持たざる諸部族を征服し、統一を成し遂げることによって建設されている。
メディアの料金は基本的に加入者が払うので、払ってくれそうな金額を請求しているにすぎない。 -
マクルーハンのメディア論がすごくわかりやすい形で書いてある。
正直、マクルーハンの本を読んでも難解で難しいけども、
この本は事例もわかりやすく丁寧。
よくマクルーハンの引用でわけわからない使い方をして、
閉口する場面がありますがこの筆者は理解度が半端ないなぁと。
はじめての人がマクルーハン理論に触れるのにとてもよい本。
オススメ。 -
メディアの話になるとやっぱここに収束するのかと思うとこがあったり、微妙に反論も持ちつつ読了。
でも読むものがなくなったらマクルーハンにも手を出してみたいかもしれないです。 -
著者の方の講義の書き下ろし。07年のメディア社会学論。内容は一般的。心穏やかに読めた。メディアが豊かになったら逆にコンテンツが貧弱化したと云うのは本のトーンにしては辛辣な締め。