あったか言葉とチクチク言葉

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796661744

感想・レビュー・書評

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  • 教育の本。

    『はじめに』ですでに痛いことが書かれている。

    「言葉づかいを反省すべきは大人自身ではないか」p8

    そう、まさしくそうなのだと思う。反省すべき点は多々ある。けど、乱れてしまった言葉を使うたびに『ダメだからね』と指摘し、『私も気を付ける』と言ってもきた。
    こういうと自己弁護のようなのだが、私の言葉はそこまで乱れていなかったと思う。むしろ、姪っ子君から私への逆流入のような感じで私自身の言葉が汚くなっていることに、私が耐えられない。

    反省というよりは、言葉が乱れてしまった私自身にわたしが耐えられない。
    なので最近は、『単純な汚い言葉で、感情を発散しない』という事に気を使っている。

    「邪魔」というとき、『何が邪魔なのか、どうしてほしいのか』に言い換えたり、「あいつ」と言ってしまったときに『誰の事』『こんな人の事』と言い直したりしている。

    しかし、私自身が気を付けても、周囲の環境が悪ければどうしようもない。姪っ子君は私が驚くような汚い言葉や傷つける言葉を発してくる。以前は、明らかな悪意があったが、今ではそれさえもなく『当たり前の言葉』として使っている。言葉が体に染みつくとはこういう事なのかと感心してしまう。

    『おわりに』が最後に入っているが、ここでは植物も言葉を理解するというトンデモ科学の話はありえないとある。
    実は私はその話を聞いたときに、ときめいてしまった。そして、信じたいとも思ってしまったが、いろんな場所で『それはない。理由は……』というのを見るうちに、やはりファンタジーだったかと思ってしまった。

    言葉に力があるのは、『言葉から人間がそれをイメージすることでそれに近づこうとするから』だとあった。私もそう思う。

    言葉の力は、イメージ(妄想・空想)だ。

  • ことばの教育の実践を紹介。

    相手の立場を考える=思考力なのだと、本当に思考力を鍛えねばと自戒。

    著者は、言霊信仰=非科学的であり、行き過ぎたものは宗教であると指摘している。
    わたしたちはことばでもって気持ちを表し、ことばを受けとって相手の気持ちを推測して、喜んだり傷ついたりするのだ。

    気持ちを的確に表すことばを選ぶことが誤解を避ける。
    そのことばが相手にどう響くかさらに推察して語を言い換えたり、丁寧にして控えめに話したりするのである。

    鍛えよう。ことばの使い方と思考力。

  • 気をつけよう。

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著者プロフィール

佐藤 拓(さとう たく)
明星大学心理学部 准教授
東北大学大学院文学研究科人間科学専攻心理学専攻分野博士課程修了。博士(文学)。
日本心理学会,日本社会心理学会,日本パーソナリティ心理学会などに所属。専門は社会心理学,応用認知心理学。
著訳書は,『嘘と欺瞞の心理学:対人関係から犯罪捜査まで 虚偽検出に関する真実』(共監訳,福村出版),『嘘の心理学』(分担執筆,ナカニシヤ出版),『現代のエスプリ:嘘の臨床・嘘の現場』(分担執筆,至文堂)など。

「2021年 『「隠す」心理を科学する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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