ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796663588

感想・レビュー・書評

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  • 「チームバチスタの栄光」で一世を風靡した作者による、田口・白鳥コンビ作品第2弾。

    東城大学病院・不定愁訴外来、別名「愚痴外来」の担当医である田口。
    彼は病院の忘年会の日、当直になっていた。
    その忘年会では小児科病棟の看護師・浜田小夜が、
    個人では異例の「桜宮大賞(要するに忘年会の出し物における優秀賞)」を獲得していた。
    その後、浜田は友人の看護師と共に飲みに出かけ、そこで「伝説の歌手」のライブを目の当たりにする。
    が、ライブの途中で歌手・水落冴子は大量に吐血し、病院へ運ばれる事になった。
    翌日、通常勤務に戻った小夜は、担当する網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たちと相対する。
    その中の一人、牧村瑞人に対しては父親が病院に現れない為、手術への詳細な説明も出来ない。
    そんな中、ある日その父親に会う機会を得るが。。。

    何だろう。イマイチ読み辛い気がする。
    前作と比較してしまうからだろうか。
    田口が子供達と対面する辺りからは随分とすんなり読めたのだが。
    やはり、田口のキャラが前面に出ていないと面白さが少ないのだろうか。

    物語としては上巻なので、様々な謎をまずは散りばめている感じだ。
    瑞人の父親の事、小夜の歌声の謎、小夜の行動、水落冴子とマネージャー・城崎の関係などなど。
    恐らくは下巻に白鳥が登場し、関係者を巻き込みまくって真実に迫るのであろう。
    そのやり口は楽しみである。

    しかし、「酔いどれ迦陵頻迦」って呼ばれる伝説の歌姫っていうのはどうなんだろうか。
    とりあえず一発変換出来ない。
    “迦陵頻迦”というモノ自体、初めて知った。
    そんな所に若干の違和感を感じつつ、下巻に期待。


  • 小児科病棟を舞台に繰り広げられる医療ミステリー。
    抜群の歌唱力をもつ主人公の看護師浜田小夜を筆頭に、魅力的なキャラクターが散りばめられています。
    ストーリー自体はゆっくり進んでいき、とても読みやすいです。登場人物の人物描写がとても丁寧に細かく描かれており、上巻を読み終わるまでにはすっかり感情移入をしてしまいました。ただ、主要人物以外の病院スタッフなどの登場人物が少し非現実的かなという印象。綺麗な心の持ち主ばかりではない、リアルを描きたかったのかは分からないですが、少し極端かなという気持ちもあります。
    印象的だったのは田口医師や白鳥コンビの子供達とのやりとり。1人の人間としてしっかりと向き合おうとする描写はとても微笑ましく好きなシーンでした。
    事件が起こり、下巻での展開が気になります。

  • 主人公が看護師で、彼女の視点で話が進む。前作のようなテンポの良い謎解きでは無いが、面白い。

  • 下巻に感想

  • シリーズ通り、読みやすくて面白い。
    ただ、まだ上巻ということで謎だらけ。
    主役(?)のナースに感情移入させるための序章か?
    内容としては、これからの後半に期待。

  • 前作のような医療ミステリーを期待していたが、特殊な異能者がお話の中心に据えられ、戸惑いながら読み進めた。実は異能ではなく現実的で納得のいくナニカである事を期待したが、結局はファンタジーだった。関連パートは途中からポエムを読んでいる気持ちになった。
    前作と舞台が違えば これはこれでと思えたが、前作の続きとして読んだので期待外れ感が大きい。

    肝心の事件も、ちょっと無理がある印象だった。
    追い詰められれば こんぐらいできるのかもしれないが、犯人に共感できない異常さ、そして先に書いた異能の存在が物語の現実感を奪うので、かなり引いたところから 虚構を見届けた気分。

    文書は読みやすかったので、後続の作品は 気が向いたらそのうち読むかも?くらいの感じ。

  • さあ、こっからですな。下巻が楽しみ

  •  田口&白鳥コンビが活躍するバチスタシリーズ第2弾。本書はその上巻。ただし、ここでは白鳥は登場しない(登場は下巻から)。バチスタシリーズでお馴染みの救命救急センターの将軍(ジェネラル)こと速水、画像診断のスペシャリスト島津、名脇役の玉村警部補なども勢揃い。
     前作はバチスタ手術における術中死の調査だったが、今回は網膜芽腫で眼球摘出を余儀なくされる子どものケア。しかし、事態はそれに収まらず、入院中の子どもの父親が猟奇的な殺人事件の被害者に、そして緊急搬送された伝説の歌姫が巻き起こす数々のトラブル、魅力的な歌声を持つ看護師が起こす不可思議な現象。様々な事案が一気に田口に襲い掛かる。

  • バチスタの続編、このシリーズは面白く読める。でも四字熟語の渾名は西尾維新を彷彿とさせるというか読みにくいのでやめてほしい。バチスタと違って犯行の時からこういうことかな?という推測がぶれることなくそのまま割りと思った通りに解決して、ミステリーとしてはそれでいいのか感はあるもののエスエフミステリーであることを考えるとそれくらいシンプルなほうが気を配るところが多すぎなくて読みやすいのかもしれない。

  • 良作であったチームバチスタの第2作目。上巻はひたすら前菜を嗜んでる感が長くてやや退屈だったかな。上巻の終盤からやっと白鳥が登場して、そこで始まった感が出てくる。シリーズ物なのでやはり比較してしまうと、前作のが面白かったな。けど物語とはいえ、幼い子やまだまだ子供の年齢の子たちが重い病気にかかってしまうのは、なんとも言えない辛い気持ちになる。

著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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