ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)
- 宝島社 (2008年9月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796663588
感想・レビュー・書評
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「チームバチスタの栄光」で一世を風靡した作者による、田口・白鳥コンビ作品第2弾。
東城大学病院・不定愁訴外来、別名「愚痴外来」の担当医である田口。
彼は病院の忘年会の日、当直になっていた。
その忘年会では小児科病棟の看護師・浜田小夜が、
個人では異例の「桜宮大賞(要するに忘年会の出し物における優秀賞)」を獲得していた。
その後、浜田は友人の看護師と共に飲みに出かけ、そこで「伝説の歌手」のライブを目の当たりにする。
が、ライブの途中で歌手・水落冴子は大量に吐血し、病院へ運ばれる事になった。
翌日、通常勤務に戻った小夜は、担当する網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たちと相対する。
その中の一人、牧村瑞人に対しては父親が病院に現れない為、手術への詳細な説明も出来ない。
そんな中、ある日その父親に会う機会を得るが。。。
何だろう。イマイチ読み辛い気がする。
前作と比較してしまうからだろうか。
田口が子供達と対面する辺りからは随分とすんなり読めたのだが。
やはり、田口のキャラが前面に出ていないと面白さが少ないのだろうか。
物語としては上巻なので、様々な謎をまずは散りばめている感じだ。
瑞人の父親の事、小夜の歌声の謎、小夜の行動、水落冴子とマネージャー・城崎の関係などなど。
恐らくは下巻に白鳥が登場し、関係者を巻き込みまくって真実に迫るのであろう。
そのやり口は楽しみである。
しかし、「酔いどれ迦陵頻迦」って呼ばれる伝説の歌姫っていうのはどうなんだろうか。
とりあえず一発変換出来ない。
“迦陵頻迦”というモノ自体、初めて知った。
そんな所に若干の違和感を感じつつ、下巻に期待。
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小児科病棟を舞台に繰り広げられる医療ミステリー。
抜群の歌唱力をもつ主人公の看護師浜田小夜を筆頭に、魅力的なキャラクターが散りばめられています。
ストーリー自体はゆっくり進んでいき、とても読みやすいです。登場人物の人物描写がとても丁寧に細かく描かれており、上巻を読み終わるまでにはすっかり感情移入をしてしまいました。ただ、主要人物以外の病院スタッフなどの登場人物が少し非現実的かなという印象。綺麗な心の持ち主ばかりではない、リアルを描きたかったのかは分からないですが、少し極端かなという気持ちもあります。
印象的だったのは田口医師や白鳥コンビの子供達とのやりとり。1人の人間としてしっかりと向き合おうとする描写はとても微笑ましく好きなシーンでした。
事件が起こり、下巻での展開が気になります。
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主人公が看護師で、彼女の視点で話が進む。前作のようなテンポの良い謎解きでは無いが、面白い。
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下巻に感想
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シリーズ通り、読みやすくて面白い。
ただ、まだ上巻ということで謎だらけ。
主役(?)のナースに感情移入させるための序章か?
内容としては、これからの後半に期待。 -
さあ、こっからですな。下巻が楽しみ
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田口&白鳥コンビが活躍するバチスタシリーズ第2弾。本書はその上巻。ただし、ここでは白鳥は登場しない(登場は下巻から)。バチスタシリーズでお馴染みの救命救急センターの将軍(ジェネラル)こと速水、画像診断のスペシャリスト島津、名脇役の玉村警部補なども勢揃い。
前作はバチスタ手術における術中死の調査だったが、今回は網膜芽腫で眼球摘出を余儀なくされる子どものケア。しかし、事態はそれに収まらず、入院中の子どもの父親が猟奇的な殺人事件の被害者に、そして緊急搬送された伝説の歌姫が巻き起こす数々のトラブル、魅力的な歌声を持つ看護師が起こす不可思議な現象。様々な事案が一気に田口に襲い掛かる。 -
良作であったチームバチスタの第2作目。上巻はひたすら前菜を嗜んでる感が長くてやや退屈だったかな。上巻の終盤からやっと白鳥が登場して、そこで始まった感が出てくる。シリーズ物なのでやはり比較してしまうと、前作のが面白かったな。けど物語とはいえ、幼い子やまだまだ子供の年齢の子たちが重い病気にかかってしまうのは、なんとも言えない辛い気持ちになる。