イノセント・ゲリラの祝祭

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796666763

感想・レビュー・書評

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  • 「チームバチスタ」シリーズ待望の四作目。

    今回は少し忍耐が必要だった。
    やはり門外漢の一般人には、「厚労省vs医療現場」の構図は理解するのが難しい。
    しかも、それだけでなく、司法、マスコミなども絡んでかなりの部分が会議室!

    でも、作者の真骨頂、というより、「もっとも言いたかったこと」が込められていると感じ、読み進んだ。

    今現在ニュースでトップ扱いの、「元厚生省役人殺傷事件」に通ずるものがある・・・というのも見逃せない内容だ。
    いかに「官僚」が国民不在の仕事をしているか、というのが、虚実ないまぜ(ほとんど事実?)に、うまくフェイクを入れながら書かれていると思う。

    中でも面白いエピソードがひとつ。

    現在、マスコミや役所が声高に推奨する「メタボ」対策、というのは、厚労省にとってすばらしい企画であり、秘密兵器らしい。
    というのも、本当に国民の健康増進に有効かどうか明らかになるまでに、ゆうに十年以上かかるわけで、その間に当時の役人たちは皆それぞれ天下り先で悠々自適。
    本当に厚労省の良い予算稼ぎ。
    だいたい、お腹の周り測るだけって医者じゃなくてもできるものに、
    なんと「五千億」という巨額の国費をつぎ込んでいるなんて、みなさまご存知だろうか。

    自分がメタボだからってのもあるんだが、おかしいと思いませんか?
    「メタボ」を克服しよう克服しようって、バカみたいに変な体操考えたり、市役所の職員がダイエットしたりしてるけど、本当にカラダにいいの?

    ・・・と日ごろ疑問に思っていた答えが、この本にありました(笑)

    もっともっと人気が出るべきシリーズだと思います。
    ぜひ、変える力を持った人々に、読んでもらいたいです。

  • エーアイをめぐる騒動に巻き込まれる田口先生。

    いろんな人の思惑が交差し、かみ合わない議論。

    濃いキャラクターが多すぎて主人公が目立たない。

  • 終わりが中途半端。

  • 結論は「異状死には解剖を」ということですね。
    だが、解剖には金がかかる。人員も要する。同意もいる。
    Ai(オートプシーイメージング=死後CT及びMRI)なら
    どれもそこそこ解決するじゃない、というお話。
    で、「なぜそれは実施されていないか」という裏話を
    新興宗教団体の信者リンチ死事件を絡めて展開するという。

    本題が興味深いものだし、傷害致死事件を絡めているので興味も惹きます。
    が、読みやすいかと言えば文体に比して内容は難しい。
    今回は白鳥さんもおとなしめ。

  • これは一体なんのお話なのかしら?でも海堂さんのお話は読んでてトキメキます。わりと論争してるだけなんだけど、いちいちドラマティックとゆーか、胸踊ります!FSSと似てる。最強やら最凶やらがたくさん.+゚(・∀・)゚+.゚

  • 田口、白鳥コンビ。
    今回は厚生省での会議がメイン。
    ミステリではなく、現代の医療、司法にたいしてこのコンビがメインに色々な人を巻き込んで暴れるという話。

    ミステリではなかったけど、途中から面白くなり止まらなくなった。

  • 下巻に入ってから、メチャクチャ面白くなる。
    素朴な田口公平の指摘が、的を得ている。
    よく話を聞いて、整合性のない部分を追求する。

    そして、イノセントゲリラの彦根先生の大独演会。
    医療現場からの告発と希望を語る。
    医療事故を防ぐにはという検討会でありながら。
    死体解剖が、ただの2%という現実。
    旧態前とした法律のつじつま合わせ。
    司法と医療の分離。
    エーアイという画像診断の優位性。
    結果として、無難な道をとる官僚たち。それに対して、解体せよという。
    国が滅びても医療は滅ばないと見得を切る。

    死亡診断書は、どうできるのか?
    確かに、心不全ではねぇ。

    その仕掛けをしたのが、厚生労働省の白鳥だった。
    さて、大阪弁の坂田局長は、どう幕を引くのだろうか。

    小説の名を借りた直訴状。
    おおコワイ。こういう方法もあるのだね。

  • シリーズで今まで読んできた中では
    つまらんかった。
    私がこのシリーズに求めてる
    面白さがなかったなぁ。

    もっと白鳥さんが暴れないと
    つまんないなぁ。

  • 解剖率が2%台の日本で,死亡時画像診断Aiを導入しようとする官僚白鳥,医師彦根とそれに取り込まれる東城医大の田口.これにそれをなんとしても阻止しようとする厚生労働省がからむ.厚生労働省の会議で彦根は並みいる法医学者,法学者,官僚たちをこてんぱんにやっつけるが,ちょっとやり過ぎ.ここまで論破されるのはあまりに現実味がない.それよりも国家は滅んでも医学はのこる.医学を中心に政治を行わなければならないという筆者の哲学にはおどろいた.確かにそういわれればそうかもね.役所を舞台にした小説で,いつもの病院のものと比べると退屈.なにより筆者の主義主張が強くですぎていて,辟易としてくる.

  • 私はこのシリーズが好きです。
    同じシリーズの、他の作品に比べ、少しミステリー要素が少ないところは残念でしたが…。

    今回は政治的な局面が多く、どこか伏線めいた印象を受けました。次に続くのかな?という感じです。堅苦しくもあり、同時に読みごたえもある一冊だと思います。

    この先の展開が期待できるし、楽しく読ませていただきました。彦根先生がよかった!あの弁舌…感動です。

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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