ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796667692

感想・レビュー・書評

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  • 高揚感があって一気に読めました。ナイチンゲールの裏進行でこんな物語も成立させているとは…。意外な巧さも感じさせられましたね

  • 2010年に放送されたドラマが大好きで、原作も読んでみたかった。

    海堂尊作品は「ナイチンゲールの沈黙」に続いて2作目。

  • 救急医療を巡る過酷な現実の中で、速水が奮闘する姿が悲しく思えてしまいました。立場は違えど、登場人物がそれぞれ、医療と向き合っている姿に感動すら覚え、反対勢力だと思っていた、黒崎教授や三船事務長も人間味を出しています。28章のカタストロフから終章の岬までが特に好きでした。

  • 下巻。冴子が地下MRI室で歌うシーンまで読んで、この物語が前作「ナイチンゲールの沈黙」と同時期に進行している物語なのだと気づいた(遅い)
    このシリーズは、ディスカッションのシーンが、手術シーンと双璧を成す盛り上がりどころだと思う。現実でもよくあるような、遠回りでイライラする会議を、速水白鳥両氏がバッサリぶった切っていくところが痛快でした。今回白鳥が大人しかったのがちょっと残念だったけど。
    コンビナート炎上で急患が運び込まれてくる前の静けさと、その後の怒涛の展開、静と動の対比に鳥肌が立った。ちょっと芝居がかりすぎているようなところも、速水先生だと素直にかっこいい。美和ちゃんは最後に大勝利、よかったね!
    前作のナイチンゲールは、あまり好みじゃなかったけど、こちらは面白かった。同時進行にした意味はあんまり分からなかったけど。

  • 前作がいまいちスッキリしない感じだったので、対になっているというこちらの方が楽しめた。とは言っても、医療ドラマというより医療の現状についての問題にスポットが当たっていて、ドラマ版を見ていた自分としては、思っていた雰囲気と違うな、と。まぁドラマ版は連ドラでしかできない内容で、あれはあれで面白かったから良いのかな。
    小難しい手続きのことはよく知らないから、速水先生への対応が現実的なのかどうかは分からないけど、ドラマとしては最終的にスッキリ収まっていて良かったと思う。医療ものにしてはやや地味とも言える委員会や水面下でのやり取りも、新鮮で面白かった。

  • 速水とコミティのやりとりがテンポ良く、殺人とかはないけどグイグイ読めた。救命救急に感謝。

  • 面白かったです^^ 流石はロジカル・モンスター(笑) 撃破ですね。
    これ、TVドラマもハラハラドキドキワクワクして観ていたのですが、原作は原作で姫宮もいい味だしているし、楽しいです。TVドラマも原作も満足という数少ない作品の一つです(勿論、私的にということですが ^^;)
    病院経営のシビアさと人名救助の理想と、とても考えさせられました。

  • 「ジェネラルルージュの凱旋」下巻、読了。速水部長の収賄疑惑の調査に乗り出した田口と倫理委員沼田の対決、速水率いる緊急医療メンバーそれぞれの思いが交差する。速水は病院を追われてしまうのか!?お馴染みロジカルモンスター白鳥も活躍する、医療の理想と現実を描くシリーズ第三弾。笑いあり、爽快感あり、ちょっぴり恋愛ありと、まさに医療エンターテイメント。キャラの今後の活躍が楽しみ♪

  • 速水先生が最後までかっこよすぎて辛いです。いなくなってしまうのがもったいないほど素敵な人でした。

  • 伝説の歌姫、酔いどれ迦陵頻伽こと水落冴子が
    東城大学医学部付属病院に緊急入院した頃、
    不定愁訴外来、通称“愚痴外来”の田口公平の元には
    匿名の告発文書が届いていた。
    『救命救急センター速水部長は、
     医療代理店メディカル・アソシエイツと癒着している。
     VM社の心臓カテーテルの使用頻度を調べてみろ。
     ICUの花房師長は共犯だ』
    速水晃一は“血まみれ将軍(ジェネラル・ルージュ)”の異名をとる
    救命救急センターの部長であり、
    殺人的な激務でまさに“戦場”である救命救急センターを
    その辣腕をもって率いている。
    傍若無人な振る舞いに周囲は困惑させられることも多く、
    またその言動のせいか院内には彼を敵視している者もいるが
    医療に対する真摯な姿勢や天才的な医療センス、
    また時に見せる神がかり的な勘の良さなどから
    彼に対して絶大な信頼を寄せる者も多い。
    その速水が特定業者と癒着しているというのだ。
    田口は告発文書の件で高階病院長に相談するが、
    例によって例のごとく病院長に言いくるめられ、
    自ら調査へと乗り出す羽目になる。
    しかしそこに、田口を目の敵にしている沼田教授率いる
    倫理問題審査委員会(エシックス・コミティ)が介入してくる。
    さらに、ICUには謎の新人看護師・姫宮が現れ
    素人同然の看護技術と要領の悪さで混乱を招き、
    また、別件で桜宮を訪れていた白鳥圭輔も首を突っ込んできた。
    果たして速水は、田口の前であっさりと
    文書の内容が事実であることを認める。
    赤字を垂れ流し続ける不良債権部門であるICUにあって
    正しい医療を行うために戦い続ける男は病院を追われてしまうのか?

    「チーム・バチスタ」シリーズの第3作。
    前作「ナイチンゲールの沈黙」と同時期の物語。

    最初に言っておくと、本作は速水晃一という
    一人のヒーローについて描いた英雄譚である。

    相変わらず文章のテンポは非常に良く、
    また隠喩や適度にブロークンな表現を織り交ぜた文体は
    極めてリーダビリティが高い。
    医療の現場のあれこれをエンターテインメントとして描く技量も健在で
    財務の面から見た医療や、大学病院内の院内政治など
    ともすれば地味になってしまう物事を実に面白く描いている。

    また、個性的なキャラクターが今回も良く動いており、
    そこから生み出されるドラマには強く惹きつけられ、
    ページを繰る手が休むことを許さない。

    そしてなんといっても、本作に五つ星をつけた理由は
    “ジェネラル・ルージュ”速水晃一というキャラクターにある。
    簡単に言ってしまえば、彼がとんでもなく“カッコいい”のである。
    登場した直後から、物語の最後まで、
    徹頭徹尾、彼は英雄然とした言動を取り続け、
    何人かの女性キャラの心とともに、読者の心も奪っていくのだ。

    言ってしまえば漫画的なほどにそのカッコ良さは極端ではあるが
    本シリーズはそもそもケレンの強い作風であり、
    むしろそうしたキャラクターはぴたりとはまるのである。

    これまでの2作と違い、派手な事件(殺人)を取り扱うわけではない。
    しかし本作の面白さは圧倒的なように思える。
    キャラ造型の素晴らしさとストーリーテリングの力、
    このふたつを兼ね備えた作家が語れば
    どんな題材でも圧倒的に面白くなるのだろう。

    とにかくこの爽快感は滅多に味わえるものではない。
    これぞエンターテインメント!と快哉を叫びたくなるような
    心底面白い小説をお求めの方はぜひ。

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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