毒殺魔の教室

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 449
感想 : 108
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796667906

作品紹介・あらすじ

那由多小学校児童毒殺事件-男子児童が、クラスメイトの男子児童を教室内で毒殺した事件。加害児童は、三日後に同じ毒により服毒自殺を遂げ、動機がはっきりとしないままに事件は幕を閉じた。そのショッキングな事件から30年後、ある人物が当時の事件関係者たちを訪ね歩き始めた。ところが、それぞれの証言や手紙などが語る事件の詳細は、微妙にズレている…。やがて、隠されていた悪意の存在が露わになり始め、思いもよらない事実と、驚愕の真実が明かされていく。『このミステリーがすごい!』大賞2009年、第7回優秀賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 近所の図書館で「このミステリーがすごい!」入賞作品特集が組まれてて、そこで手に取った。
    30年前に小学校で起きた殺人事件。当時のクラスメイトの証言、手紙から少しずつ隠されていた真相が明らかになっていく。
    黒幕?の存在は分かりやすいけど、動機の核心は最後に判明するから、ずっとドキドキするし、はやく続きを…とどんどん読み進めてしまう。おもしろかった。

    たまたま同じ日に湊さんの告白を読んだんだけど、少し展開が似てたな。笑

  • 非常に面白かった。
    半日で一気に読んでしまった。
    テンポも良く途中でダレることもなかったので読みやすかった。
    犯人は途中でわかったけど、事件の真相に辿り着くまで何度も裏切られた(苦笑)
    著者の他の作品も読みたいと思う。

  • 『このミス』に期待し過ぎた…かも。
    前半は勢いよく読めたけど後半失速。

  • 多視点ミステリー。この本の1つ前にやはり多視点のやつを読んでたのでなんとなく比較しながら読んだ。多視点の場合、ある視点からは見えないモノが別の視点から見えてたりする中で、ナゾが深まったり複線が貼られたりっていうのが王道なんだろうけども、その中でも、そこで順次見えてくるものに「事実」の部分と「感情」の部分があるってことにちょっと気づいた。

    人の心理についてはいろいろあるんだろう。だから登場人物が最後の最後で真相を語るみたいなことになるためには、その「感情」に頼るしかない。もちろんその「感情」になるための状況は必要なわけだが、今回の作品はそこのあたりがピンとくるものとそうでないものがはっきり分かれたような気はする。

    登場人物が多いせいもあり、それぞれの心理の描写もいろいろになり、好き嫌いがでてしまうんだろうなぁ。ミステリーの度合いとしては好きな方なんだけども、ナゾがつまびらかになる過程の重要な関係者の告白は、本当にそれを言うほどの状況?っていう気がするものがいくつかある。

    多視点の場合は「事実」と「感情」のバランスってことになるんだろうかね。

  • 読メのレビューを読んで面白そうだったので図書館へ。
    最初のほうは芥川の藪の中っぽい感じ。
    芥川と違うのは後半でちゃんとそれぞれの話が繋がっていくところか。
    結構面白かったのだが、ミステリーとしてはヒントが多すぎてわかりやすすぎちゃったところが残念かな。
    クーさんの正体もどんな毒が使われたのかも、なぜそれが使われたのかも割と早いうちにあっさりとわかってしまう。
    まあ、この作品ではあまりそこは重要じゃないからそうなのかもしれないけど。
    そのあたりがこのミス大賞ではなく優秀賞となってしまった理由になるのかな。

  • 30年前の毒殺事件について、当時のクラスメイトや関係者にインタビューをし、真実を明らかにしていきます。
    類似作である湊かなえの『告白』が一歩早く出版されたのは気の毒としか言いようがありませんが、それでも型に嵌った展開と題材にオリジナリティーを感じられないのは不満が残ります。
    ただ、黒幕らしき人物が登場してから展開される「何故犯人は色々ある毒の中からそれを選んだのか」という動機の謎解きは目を見張るものがあり、ミステリーとして巧く纏まっていると思います。

  • おもしろい。湊かなえっぽい。ありがちだけど、よく考えられていると思う。でも、最後キレイにまとめすぎて残念。

  • 湊かなえ的一人称語りの小説。
    はじめはぐいぐい引き込まれておもしろかったのだけど、読み進めていくうちに出来過ぎ感が強くなってしまって少し冷めた…
    小学生でこれはないだろっていう。
    でもさすがこのミスという感じでした。
    先生のこともっと深めて書いてくれればよかったなぁ

  • 『毒殺魔の教室』
    -塔山郁-



    クラスの問題児がクラス1の人気者を毒殺。
    その裏に隠された本当の動機とは。

    当時の同級生の証言や話で章を区切っていて構成的にはとても好みで読みやすく一気読み。
    が、クライマックスに向かっていくにつれ急失速…。
    「告白」と似た雰囲気ではあったが、最後まで先の読めない展開という点で「告白」の方が引き込まれていった。

    最近の小学生ってみんなこんな感じなのか?
    怖い世の中だ。

  • なじ■
    このミステリーがすごい!大賞作。
    小学生男児がクラスメイトの男児を毒殺した事件から30年後、
    ある人物が事件関係者を訪ね歩き、
    事件の真相を導き出していく。


    恩田陸さんの『Q&A』や『ユージニア』のように
    インタビュー、独白などの形で一つの事件を
    様々な視点から探っていく形式の話が好きなので、
    少々物足りなさはあったもののこれも面白く読めました。

    ストーリー中に語られていた些細な事柄が
    全てもらさず後々の展開に繋がっていたのも良かったです。

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著者プロフィール

1962年、千葉県生まれ。第7回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞、『毒殺魔の教室』にて2009年デビュー。

「2020年 『甲の薬は乙の毒 薬剤師・毒島花織の名推理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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