一分間だけ (宝島社文庫) (宝島社文庫 C は 2-2)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796670678

感想・レビュー・書評

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  • 表紙のあまりのかわいさに癒される。
    読み終わって再度表紙を眺めると、リラを思い涙が出る・・

    動物もの、子供の話・・私の涙腺崩壊させるもの。
    このお話もその1つ。ダム崩壊しました。

    藍と浩介そしてリラの3人の生活。
    リラを飼おうと決めた時の、藍と浩介のやりとりが好き。
    浩介っていいやつ、って思ったのになぁ・・・
    3人での楽しい生活は長くは続かない。
    編集者としてバリバリ働き仕事に生きがいを持つ藍、浩介との間に溝が深まり結局別れることに。
    リラは藍が飼うことになったけど、なかなか無理があるよね。
    バリバリ仕事もして、リラの世話もなんて。

    この本読んでペットを飼うのって本当に大変なんだって実感した。
    私自身いままでペットは飼ったことなくて、ちゃんとお世話できるのかって自信もないし、何よりもやっぱりお別れをしなくてはいけない日がくるのがきっと私には耐えられない・・と思い飼うことに躊躇してしまう。

    リラの病気がわかってからは、読んでてもつらくてつらくて。
    1人で頑張って看病していた藍だけど、やっぱり限界が。
    周りの人に助けられ最期まで仕事と看病を両立させた藍。
    最期、間に合ってほしかったなぁ・・・
    獣医の宮崎先生の「リラはあなたといて幸せでしたよ」って言葉。
    こんな温かい言葉かけられる獣医さんていいなぁ。飼い主も救われるだろうなぁ。

    私が常日頃、子供たちに、お友達や兄弟でも喧嘩してどんなに腹がたっても「死ね」って言葉は言ったらダメ!!と。もし、偶然にでも「死ね」って言った後にお友達が死んでしまったら、あなたはこの先その言葉を使ったことを後悔するから。と、「命」の大切さを教えるとともに言って聞かせてます。
    子供たちには通じてるのか・・・わからないけど。

    本の中で藍が1人でリラの面倒をみて行き詰ってしまったとき、ふと「リラなんて死んでしまえば・・・」と考えてしまった。
    もう、本の中に飛び込んで、藍をパチーンと1回叩いて、それから「つらいのはわかるけど、そんなこと考えちゃダメ!!」と抱きしめたくなりました。

    「本当に大切なのは何か」を考えさせてくれる、読んでて悲しくてつらいけど心温まる素敵な本でした。

    • vilureefさん
      こんにちは!

      この本は、本当に涙腺崩壊しますよね~。
      もう前半から泣けて泣けて。
      友達の飼っていたゴールデンが去年亡くなって、私も...
      こんにちは!

      この本は、本当に涙腺崩壊しますよね~。
      もう前半から泣けて泣けて。
      友達の飼っていたゴールデンが去年亡くなって、私もその姿を思い出して余計に泣けて。
      いまだにレトリバー系を見かけると切なくなります・・・。

      マハさんの今まで読んだ中では絵画シリーズに次いで好きかも・・・(*^_^*)
      2013/06/19
    • nobo0803さん
      vilireefさん

      こんにちは♫
      本当にこの本は涙腺崩壊です。
      お友達のゴールデンが亡くなったのならなお更、重なってしまい涙涙・・・でし...
      vilireefさん

      こんにちは♫
      本当にこの本は涙腺崩壊です。
      お友達のゴールデンが亡くなったのならなお更、重なってしまい涙涙・・・でしょうね。
      マハさんの本、どれも大好きです。
      絵画シリーズ、皆さんのレビューを読んでいると、すごく読みたくてうずうずしています。
      今、2冊とも予約待ち・・いつになることやら。
      2013/06/25
  • 原田マハさんの本、大好きです。
    でも、この物語は好きになれなかった。

    主人公に感情移入出来なかったことが大きい。どんなことがあっても動物に八つ当たりするなんてしてはいけないこと。彼女は彼に世話をさせ、可愛がっていただけに過ぎない。
    最後まで身勝手な人としか思えなかった。

    動物と共に生きることの大変さや、人間の身勝手さなど本から学ぶべきことは多いが…この本で〝泣けた〟ひとはリラを想って泣いたのだと思う。
    子供が親を選べないように、動物たちも飼い主を選ぶことは出来ない。

    浩介さんが主人公だったら…と意地悪な想像をしてしまった。

  • この本はダメです。
    反則です。

    泣けて泣けて仕方がないです。

  • まずは、表紙のゴールデンレトリバーが可愛いなと思って手に取りました。
    それから、あらすじを読んでタイトルとの繋がりが気になって読み始めました。

    冒頭部分から、すでに感動系の話だなと思いましたが本当にその通りでした。
    特に、P100 からは涙腺崩壊したのかな?と思うくらい読みながら自然と涙が溢れて止まりませんでした。
    学校で読んだのが失敗だったなと感じるくらいで、途中で読むのをやめて家に帰ってから読みました(笑)
    人目がないので思う存分泣いて、リラの気持ちや藍、浩介の気持ちに共感するばかりでした。
    藍は浩介に本当に支えられていたと思うので、岡部翔の存在が嫌でした。
    浩介がいると、何故か私まで安心してしまうくらい浩介には安心感があって、藍がつい頼ってしまったり甘えてしまうのがよく分かりました。
    対して、奈津美やタクシー運転手の齋藤さん、宮崎先生はとても好きになりました。
    リラが藍と浩介のことを本当に大好きなんだと分かるシーンがたくさんあって心が温かくなります。
    「犬って、ほめられるのが大好きなんですよ。人間が大好きだから、大好きな人間に、ほめてもらいたくて一生懸命なんですよ。」
    という言葉が何度か出てきました。
    リラを見てると本当にそうなんだろうなぁと感じられます。

    P211
    「誰にもわからないんですよ。延命治療をしたほうがいいかどうか、なんて。飼い主さんは、少しでも長生きしてもらいたいと一生懸命になる。でも、犬にしてみれば、長いか短いかなんて、問題じゃない。一年間でも、一分間でも、犬の時間は一緒なんです。どれだけ濃い時間を一番好きな人とともに過ごせるか。それが犬にとって、一番大切なことなんですよ。」
    という宮崎先生の言葉にハッとさせられました。

    最後、浩介が藍に「さよなら」と言わず、その代わりに一分間だけ抱きしめたシーンが好きでした。

    全ての本好きや動物好きにオススメしたい!
    そう思える一冊です。
    最近読んだ小説で一番よかったと思いました。

    あらすじ
    ファッション雑誌編集者の藍は、ある日ゴールデンレトリバーのリラを飼うことになった。恋人の浩介と一緒に育て始めたものの、仕事が生きがいの藍は、日々の忙しさに翻弄され、何を愛し何に愛されているかを見失っていく……。
    浩介が去り、残されたリラとの生活に苦痛を感じ始めた頃、リラが癌に侵されてしまう。愛犬との闘病生活のなかで、藍は「本当に大切なもの」に気づきはじめる。

    「おかえり、リラ」
    もうどこにも行かないで。私も、もうどこにも行かないから。
    私たちこれから、ずっとずっと一緒にいよう。
    たとえ一瞬でも、離れることなく。


    ずっといっしょにあるいてる?

    ずっと一緒に歩いて行くよ。





  • 自身のキャリアアップと恋人と愛犬との間で揺れ動く感情...。自身の愛猫の看取り期がフラッシュバックする。う~ん、正直に言うと物足りない感じかなぁ...。いやぁ、えぇ話なんですよ。自身のコンディションの問題か...。リラとの別れをどう解釈するかが分かれ目…。

  • 4.9
    いや〜、泣けました泣けました、
    私も昔ゴールデンレトリバーを飼っていて、
    今は別の犬を飼っていますが、
    私の子供が主人公の女性と似たような状況になりつつあり、重なってしまい、かなり感情移入してしまいました。
    ずっと読みたかった一冊、
    多分また読み直します。
    おそらく一生忘れない一冊になると思います。

  • ペットを飼った人なら泣くだろうな。
    途中まで主人公には共感を覚えなかった。あなたが仕事で遅くなって、お漏らししたのに…そこ怒る所じゃないから。どんぐらい我慢してたかわからないのか?便を我慢するって辛いだろ!って。。作者にやられた笑
    でも、彼氏との別れで、リラに対して少しづつ変わったので安心して読めたかな。
    この本で学んだのだけど、生後1、2ヶ月で売れなく3ヶ月すぎた犬や猫は殆ど売れない。そして保健所行き。はたまた動物実験か輸血の為に痩せ細って死ぬって…
    また、飼ったは良いが簡単に無理で手放して保健所行きとか切ない…
    飼う人は、覚悟して飼って欲しいものだと思う本当に…
    ちっと話しは変わるけど、編集長の北条さんがカッコいい!わたしの仕事の信条と同じで共感した。
    物語はありきたりですが命の大切さを学んだ良本!!

  • 読んでて苦しかった。電車の中で読んで嗚咽。

    心に残った言葉↓
    「一年間でも、一分間でも、犬の時間は一緒なんです.どれだけ濃い時間を一番好きな人とともに過ごせるか。それが犬にとって、一番大切なことなんですよ」

    今飼っている犬をもっともっと大切にしようと思った。

  • 泣けた!
    ペット系の鉄板ストーリ。
    動物はダメですねぇ。

    ストーリとしては、
    ファッション雑誌編集者の藍は終電過ぎまで働き、徹夜も辞さないバリバリのキャリアウーマン。そんな彼女がある日、ゴールデンリトリバーのリラを飼う事に。恋人の浩介と一緒に育て始めたものの、仕事一筋の藍は徐々に、浩介やリラとの距離が離れていきます。
    勝手な女だなぁって思います。
    こういう人はペットを飼ってはいけません!
    ペットがかわいそうです。

    結局、浩介と別れることになりますが、リラは自分で引き取る事に!
    一人でリラの世話をする藍ですが、ここでも、身勝手な行動が出て来ます。しかし、ある意味、それが等身大の姿なのでは?と思います。
    そして、いよいよリラとの生活が厳しいとなったところで、リラが癌で余命いくばくもないことが明らかになります。
    リラを看護するのか、仕事を取るのか?
    彼女にとって本当に大切なモノは?

    リラとの闘病生活を通した藍の成長物語です。

    動物好きの方、犬を飼っている方にはお勧め

  • あらすじを読んでイヤーな予感はしていたけど・・・案の定ボロッボロに泣いてしまった。
    やっぱりダメだわ!原田さん!動物もののこんな切ない話は反則だ!

    編集者として忙殺される毎日を送る神谷藍は仕事にやりがいを感じていた。
    そんな中でゴールデンレトリーバーのリラとの生活は甘い癒しばかりではない。
    リラを疎ましく感じ始める藍。動物と生活することはその命もしっかりと受け止めることだということを痛感し無理をし続けるうちに彼女は疲れてくる。
    彼女の身勝手だけど素直な思いがじゃんじゃんぶつけられていくのを目の当たりにして
    ただカワイイカワイイ・・・では済まない動物との生活を思い、同情する一方でリラのただただ藍のことが好きで傍にいたいという一途な可愛さにすっかりやられた。
    ハッピーエンドではないけれどとても優しいラストだった。

    編集長の身の上話はちょっと出来過ぎな感はあるけど
    やっぱり周囲に味方は一人でも多くいてほしいと思うのでアリ・・・なのかな。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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