毒殺魔の教室 (上) (宝島社文庫 C と 1-1)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796676151

感想・レビュー・書評

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  • とても面白く、書き方としても読みやすい作品でした。
    本を読むのが苦手な人でも、スルスル読み進めていけると思います。
    私はミステリーが苦手ですが、それでも面白かった作品です。

  • 注! 内容に触れています



    イマイチ、なーんか、足りない?(^^ゞ
    決して話が面白くないわけではないんだけど、読んでいると、2010年(この本の出版年)の30年前、小学6年生にこんなにませている子いた?とか。
    安田、平山、鳥原から出てくる言葉が一様に漢語?熟語?、つまり、普通の人の普通の話し言葉に出てくる単語よりはちょっとあらたまった単語が使われることで、違う人なのに同じように感じちゃうところとか。
    その一方で、下巻に出てくる筒井久人(話の語り手はその姉)は、その姉との会話で、「楠本大輝は女の子にもてる」みたいなことを言うのだけど、筒井久人くらいの年(中3)だったら、同級生は「女の子」ではなく「女」と言う方が普通じゃない?等々。
    そんな風に、書きっぷりにちょっとアラいところがあるんだと思う。

    あと、この展開の話は、語り手が次々に変わるからこそ、え?とか、あ、そうなんだ!みたいに意外性や驚き、ドキドキ、ゾクゾク、ワクワクがあると思うのだ。
    なのに、意外に早くキーマンが出てきちゃうから、話の膨らみがそこで止まっちゃう。

    そういう意味で、もうちょっと、あーでもない、こーでもないと頑張って書いてほしかったなぁー。
    あとちょっとの頑張りで、出来の印象が全然違ってたんじゃないかなぁーって思っちゃうんだよね。

    ていうか、『毒殺魔の教室』なのだ。
    その割に、ゾクゾクこない(^^ゞ
    やっぱり、そこかなぁ…。
    今ひとつ、なーんか、足りないと思っちゃうのは(^^ゞ

  • 同じ年齢、同じ時間を過ごしていても人の感覚によって見え方が変わる。この本に登場する事件当時の証言は個々で見え方が全然違っていたのが読んでいて面白くみんな共感できる部分だと思う。当事者と第三者で意見が違うのは当たり前だけどそれが面白かった。

  • 悲しい物語り、小学生がこんな事しちゃうのかな〜

  • 児童毒殺事件の真相を、何人かの証言や告白で暴いていくのだけど…こういうのが割と好きな分、色々と…ちょっと物足りなかった気がする。「下」に期待しよう。

  • テンポが良くて好き。「白雪姫殺人事件」に似たものは感じるんだけど、無理してない感が凄くいい。わざと印象操作してるっていうよりは本当に少しずついろんな視点から話が見えていく。真相が全然掴めないので下巻に超期待!

  • 当事者たちの証言で進んでいく話が面白い。

  • 那由多小学校で起きた児童毒殺事件。小学6年生の男子生徒が、クラスメイトを毒殺。その後、同じ毒で服毒自殺を遂げ、動機がはっきりしないままに事件は幕を閉じたー。あれから30年。ある人物が当時の事件関係者たちを訪ね歩き始める。食い違う証言、見え隠れする思いもよらない人間関係、そして事件当日に仕組まれたある計画…。

  • 上巻の盛り上がり、とても良かったです。

    事件のあらまし、先生と、その甥と、小説家のやりとり。

    伏線たっぷりで、上巻で事件のほとんどがわかってしまったので、それが合ってるかどうか下巻を読みます。

  • 上下巻読み通しての感想
    毒殺事件。事件関係者の証言。どこかで読んだことがあるような構成で成り立っている。
    けれど、似たような…と言われる作品よりも、この物語が一番面白かった。
    証言者によって異なる被害者・大輝の人物像。
    考えてみればそれほど不思議なことではない。
    教室という場で見せる顔、誰かとふたりきりになったときに見せる顔、教師へ見せる顔、扱いやすい仲間たちへ見せる顔。
    わたしたちもまた、現実の生活でも無意識のうちに場に合った顔を使い分けている。
    こんな末恐ろしい小学生がいるのか…と思う半面、小学生だからこそこんなに残酷で取り返しのつかないようなことも実行できたのだろうと思う。
    同じ事件を経験したはずなのに証言内容に差があるのは、関わった度合いによる。
    本当のことを言えずに過ごした30年間。
    忘れたいと思いながら忘れることが許されなかった事件は、彼らにとって心の中に小石を詰め込まれたような苦しく重い人生を与え続けた。
    事件は終わったけれど、彼らの中でけっして終止符は打たれてはいない。
    30年と言う時を経て次々と明らかになる事実。
    事件の芽はずっと前に始まっていた。
    ひとりひとりの嫉妬や驕り、嫌悪感や憎しみ…様々の人間の思惑が絡み合った末にあったのは最悪の結末だった。
    時間が経ったからこそ話せる事実もある。
    いろいろな経験を経てようやく見えてきた新しい事実もある。
    疑問に思いながらも口に出せなかった事実もある。
    積み重ねられていく過去の事実…そこにあったのは多数の小さな負の感情が引き起こした哀しい現実だ。
    偶然に手にしたこの物語。
    思いがけず読み応え十分で一気に最後まで読んでしまった。
    長編だが途中で飽きることもなかった。
    中だるみすることもなく、最後まで読み手を引き付けて離さない魅力のある物語だった。

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著者プロフィール

1962年、千葉県生まれ。第7回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞、『毒殺魔の教室』にて2009年デビュー。

「2020年 『甲の薬は乙の毒 薬剤師・毒島花織の名推理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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