- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796679015
作品紹介・あらすじ
秋の演奏会を控え、第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の晶は初音とともに、プロへの切符をつかむために練習に励んでいた。しかし完全密室で保管されていた、時価2億円のチェロ、ストラディバリウスが盗まれる。脅迫状も届き、晶は心身ともに追い詰められていく。さらに彼らの身に不可解な事件が次々と起こり…。メンバーたちは、果たして無事に演奏会を迎えることができるのか。ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」がコンサート・ホールに響くとき、驚愕の真実が明かされる。
感想・レビュー・書評
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岬洋介シリーズ第2弾。ヴァイオリニストを目指す音大生の城戸晶が主人公。所属する音大の学長柘植彰良は、稀代のラフマニノフ弾きと呼ばれる世界的に有名なピアニストでもある。音大の定期音楽会での奏者、しかもコンマスに選ばれた城戸晶は日々レッスンとバイトに勤しんでいたが、そんな中時価2億円のストラディバリウスが保管庫から消え、また学長専用のピアノも悪意を何者かに水浸しにされてしまい…。そんな状況の中、非常勤講師でもある岬洋介が、バラバラだったオーケストラとその要因となった事件のピースを明らかにしつつ真相を解明していく…。
前作から感じていましたが、音楽を文章にし臨場感までも感じさせることって中山七里さんだからこそですね。特に避難所と定期音楽会での演奏の描き方が素晴らしかったです!前作を読んでいるからわかる描写もあるのは嬉しいし、ラストは「音楽家の宿命」みたいなものを感じました。岬洋介さん、こうして読むごとにいいキャラしてるなぁ~って思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
音楽良く分かりませんが、演奏表現は疾走感あります。
いろんな意味で今回も岬先生が凄すぎます!
密室からストラディバリのチェロが消えた⁉︎から始まり...事件的には警察が介入したらスグ解決してしまいそうと言うか、ちと無理があるような気もしますがメインはそこぢゃないみたい(๑❛ᴗ❛๑)
内容に触れようと思うと大分長くなりそうなので...
面白いお話ですよぉ
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ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番というと、最初に思い浮かんだのは、浅田真央さん。
ロシア人 タチアナ・タラソワ氏の指導の下、見事な演技で私たちを感動させてくれた。
壮大にして荘厳、そして何となく悲壮感の漂う曲だなぁという印象を受けた。
密室の音大 楽器保管室で、時価二億円のチェロが盗まれた。
その後も不可解な事件が次々に起こる。
音大の臨時講師、岬洋介が、鋭い洞察力で 事件の謎解き を進めながらも
関わった人たちを救いへと導く。
このシリーズでは、岬洋介の魅力が光る。
読んでいる間、ラフマニノフだけでなく、ベートーベン、シューマン、
チャイコフスキー、パガニーニ が ページの中から流れ出てくる。
最後の一行を読んだ瞬間、『おやすみラフマニノフ』というタイトルが
音と優しく重なった。 -
演奏シーンの描写がすごく良いと思う。実際に音楽が聞こえてきそうなほどだ。疾走感がすごい。まるで自分が楽器を奏でているかのような感覚に陥る。こんなふうに弾けたら気持ちいいだろうな。
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岬洋介シリーズ第2弾
音大生の城戸晶は、実家からの仕送りも途絶え、学費を滞納していて、学校からは、請求書が届いていた。
それでも、女手一つで育ててくれた、今は亡き母親と「絶対に、プロのヴァイオリン弾きになる」と約束を忘れずに、今日も、練習に励んでいる。
そんな折、「今年の定期演奏会の出場者は、オーディションで決める」と、教授から告げられる。
この演奏会は、才能有る若き演奏家達の登竜門であり、コンマスに選ばれたら、ストラドを使用でき、更には、後期の学費も、免除される。しかも、《稀代のラフマニノフ弾き》と呼ばれる、尊敬してやまない学長・柘植彰良と、共演できる。
晶にとっては、願っても無い事。
臨時講師の岬洋介に励まされ、練習に練習を重ね、運にも味方され、どうにか、コンマスの座を射止める。
が、ある日、柘植彰良の孫娘 初音が使用する、時価2億円のチェロ・ストラドが、完全密室の保管庫から盗まれる。
「犯人は大学関係者?」
「動機は、金銭目的か、定期演奏会の妨害か?」
オケ全体に漂う形容しがたい不信感。
大学側、特に学長は、警察沙汰にはしたくない。自分たちで解決しょうとする。
学長は、芸術院入りが、ほぼ確定しているらしく、この時期、問題を起こすと、反故にされかねない。と言うのが、理由らしい。
疑心暗鬼と気味悪さと不快感が続く中、次は、学長専用の、スタンウェイ製、コンサートグランドピアノ《通称、柘植モデル》が水浸しにされる。
犯人がわからない毎日、一向にまとまらないオケ。纏め役である、コンマスの晶は、ますます自信を無くしていく。
更に、大学公式サイトに、柘植学長の殺人予告が。
脅迫者に怯えるオケメンバー。
学校は、学長の命を守るため、演奏会を中止しょうとするが、
指揮者を岬洋介に
ピアノを下諏訪美鈴に
交代して、演奏会を行う事になった。
警察に届けようとしない大学側に、業を煮やしたオケメンバーが、自分たちが、届けようとした時、メンバーの一人が
「俺、見たんだ」と呟いた。
お決まりの、どんでん返し。
と思いきや、再びのどんでん返し。
途中で、先は読めてきたと思ったが、晶の取った行動の理由が、予想外であった。
大雨洪水警報と、避難勧告が出された時、避難所である中学校で、避難している人たちの、剣呑な空気を緩和させるためにに演奏した《ヴァイオリン協奏曲》
定期演奏会の《ピアノ協奏曲、第二番》
柘植彰良が、新しいピアノで弾く《前奏曲嬰ハ短調》
其々の描写が、今回も秀逸で、圧巻だった。
恐るべし 中山七里!
今回も、岬洋介の魅力が、惜しげもなく、随所に出ていた。
家柄も良く、頭も良く、ハンサムで、冷静沈着、でしゃばらず、性格も文句なし。
ピアノを弾かせたら、聴いている人を一瞬で虜にしてしまうテクニック。
一度、岬洋介のピアノ演奏を生で聴きたいものだ。
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シリーズ2作目。
音楽表現が、さらっと読めてBGM流したくなります。
探偵ぽくないですが、最後のにさらっと推理されるところが、面白い。
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“練習の基本は反復と考察だ。片方だけでも不十分なのに両方怠っていれば上達はおろか、退化していくのは自明の理だ。”(p35)
今回も面白かった۹꒰*´꒳`*꒱۶
主人公は前作と違う人だったけど、登場人物がリンクしていて同じ世界線であることがうかがえた。 -
ドビュッシーの続編だけど、その後の話ではなく
オーバーラップしてるところがなんか新鮮で楽しかったです。
あの美鈴まででてきて、なんか実はいい子だったりして。
岬先生は相変らずすごすぎ。
彼のシリーズなのに自分のことは多くを語らない脇役に徹してて
どんどん気になってきます。(笑)
音大が舞台で、前作がピアノだったのに比べると、
オケがメインなのでより多彩な音が聞こえてくる感じでした。
特殊な世界なので、ホントにこんななの?ってびっくりすることも。
晶もだめなのかと思いきやコンマスなれるくらいの才能あるしね。
音楽描写はわからないなりにも迫力と疾走感があって
流れるような文章にこっちが引きこまれます。
ラストは少々物足りないなーと。
最後「おやすみ、ラフマニノフ」ってしたかったのは、よーく分かるんだけど。
初音のことが置き去りだし、なんかもう少し欲しかったです。
ミステリー的には、犯人や血縁関係のところはわりと早くに想像ついたけど
やっぱりミステリーとしてより、音楽にかける青春小説として読んじゃうんだよね。
音大生のシビアすぎる夢と現実、犠牲を厭わない熱意とひたむきな努力と、
底知れぬ不安と栄光と引き換えの孤独。
そして音楽の血と才能を持つ苦悩と怖さ。
すさまじく痛々しいけど、それだけ人を魅了できる音楽ってすごいんだな。-
またまたお邪魔します(笑)
デビュー作にえらく感動して
映画も観に行ったんやけど、
この小説はまだ読めてないんで
近々読ん...
またまたお邪魔します(笑)
デビュー作にえらく感動して
映画も観に行ったんやけど、
この小説はまだ読めてないんで
近々読んでみたいと思います(^O^)
自分も学生時代に音楽の魅力にとりつかれて
いまだに同じメンバーでバンドやってるんで
読んでてすごく共感できるし、
音楽という表現を
技術論ではなく
誰にでも分かる魅力的な言葉で表せるところが
この作者はスゴいって思ってます♪
2013/04/08 -
音楽わかる人が読むときっともっとおもしろいでしょうね~。
羨ましいです。
こちらはみんなで奏でるオケなので、バンドやってらっしゃるならいろい...音楽わかる人が読むときっともっとおもしろいでしょうね~。
羨ましいです。
こちらはみんなで奏でるオケなので、バンドやってらっしゃるならいろいろ共感できそう。
レビュー楽しみにしてます!
ドビュッシーの映画も、美少女橋本愛が気になってて、観てみたいです。2013/04/08
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相変わらず、音楽への熱情が
奔流となって押し寄せるような演奏描写♪
音符が飛び交う表紙にも、譜面をイメージした扉デザインにも
各章についた楽想用語にも、音楽への愛が溢れている。
デビュー作『さよならドビュッシー』は、大怪我を負いながら
ピアニストを目指す少女がヒロインだったこともあって
かなり閉ざされた世界の中で物語が展開していたけれど、
今回は音大の選抜学生オーケストラが舞台だったので
主人公のコンマス 晶を始め、ヴァイオリン、チェロ、クラリネット、
オーボエ、トランペットなど、さまざまな楽器奏者が登場して
担当楽器の特性と微妙にリンクした性格設定などが楽しい。
探偵役の岬先生も相変わらずのかっこよさ♪で、
ラフマニノフのピアノ協奏曲のシーンでは、
「え~、指揮だけ?岬先生なら余裕で弾き振りできるのに~!」
ともどかしくなってしまったりして。
音大生の中に歴然と存在する環境や才能による格差とか
国公立大学の4年分より多い、1年分の学費とか
物心つくかつかないかの頃から何万時間ものレッスンを積んでも
音大に進んだ中の数%しか演奏家として自立できない
音大生の就活の厳しい実態とか
音楽に関わる人には涙なしに読めないリアルさも健在です。
前作と同じく、伏線の張り方がとても几帳面なので
犯人も、トリックも、晶の素性もかなり早い段階でわかってしまうけれど、
台風から逃れた避難所で晶と岬先生が奏でた
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲のように
全身全霊で奏でた音楽が、誰かの胸に届いたか、
それだけが音楽家の証である、という主張が素直に胸に響きます。
冒頭のチャリティーコンサートでの岬先生の演奏に
『さよならドビュッシー』のヒロインが聴衆の一人として耳を傾けていたり
彼女をコンクールで罵倒しまくった毒舌女王(?!)の
下諏訪美鈴のアルマジロ的かわいらしさが垣間見えたりして
前作を読んだ人は、2倍楽しめる作品になっています。-
円軌道の外さん、そうなんです!
音楽の描写が、演奏のテクニックに終始することなく
演奏者がどのフレーズを美しいと思って弾いているのか
どん...円軌道の外さん、そうなんです!
音楽の描写が、演奏のテクニックに終始することなく
演奏者がどのフレーズを美しいと思って弾いているのか
どんなイメージや想いを伝えようと思っているのか
そういう部分に重きを置いて描かれているのが
素敵ですよね!
『さよならドビュッシー』では憎らしいばかりだった毒舌女王、
この本では、相変わらず毒舌ではありますが
憎めない一面も見せてくれますよ♪
2012/07/05 -
コメントとフォロー、ありがとうございます。まろんさんが面白い、と書いている本に、何冊も興味がわいています。また読んでみたいと思います。
私...コメントとフォロー、ありがとうございます。まろんさんが面白い、と書いている本に、何冊も興味がわいています。また読んでみたいと思います。
私は、トリックも主人公の素性も全然分からなかったです。「兄弟!?」みたいな感じでした・・・2012/08/30 -
あやこさん、こちらこそありがとうございます♪
中山七里さんは、たぶんとても几帳面な作家さんなので
伏線部分を破綻がないよう、ものすごく一生...あやこさん、こちらこそありがとうございます♪
中山七里さんは、たぶんとても几帳面な作家さんなので
伏線部分を破綻がないよう、ものすごく一生懸命書き込んでくれていて
私の場合は、それがかえって「アヤシイ・・・」に繋がってるかもしれません。
でも、「兄弟?!」と驚いたあやこさんのほうが
きっと純粋で素敵な読み方をされたんだと思います!
なにはともあれ、岬先生の出てくる本を、中山さんには量産してほしいものです(笑)2012/08/31
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