のはなしし

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796682640

作品紹介・あらすじ

「ああああ」の話から「んかきそこねもの巻」の話まで全91話。笑える話はもちろん、ちょっと泣ける話、あーわかる、わかる!って話など、どこから読んでも全然飽きない、バラエティ豊かなエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • のはなし第四弾。元ネタは2000年代のメルマガだが、書き下ろしもちょくちょく挟まる。やはり「ん」のエピソードが素晴らしい。まだまだストックがあるそうなので、ぜひ第五弾も書いてほしい。5年以上音沙汰がないけれど。

  • ”のはなし”シリーズは全て読んでいます。
    黒の伊集院光氏といえるラジオ番組も初回から聞いています。
    昔から共感する部分があり、生や死に対する記載もとても共感できました。
    最後の奥様の弟さんに関するものは初めて聞きました。(たぶんラジオでも詳細は語っていなかったと思います)
    死んだ人に対する、何とも言えない虚無感は言葉に表しにくいものです。

  • 内容紹介
    大事な第一話のタイトルが「ああああ」って、そんないいかげんなことでいいのだろうか?(本人談)。絶対におもしろい伝説のエッセイ。待望の『のはなしし』完成!「ああああ」の話から「んかきそこねもの巻」の話まで。笑える話はもちろん、ちょっと泣ける話、あーわかる、わかる!って話など、どこから読んでも全然飽きない、バラエティ豊かなエッセイ集。


    本書を読んでいくうちに、どこかで聞いたような、既読感を覚える話が時折出てくる。

    おそらく、著者がradioで過去に話し、聞いたことがあったから。

    ナインティナインにも言えるように、この二組に対する興味にはブランクがある。

    共通するのは深夜ラジオのパーソナリティーであったこと。

    しかし、学生生活を終えるとともに僕は深夜ラジオから卒業してしまった。

    卒業といえば話は良いかもしれないが、深夜にラジオを聴くような余裕がなかったというのが本当のところである。

    あれから干支が一周するほどの時間が経った。

    世の中にはスマートフォンなるものが出回り、

    僕自身その文明に利器を手にしてから、たくさんのラジオ音源をインターネットの世界で見つけることになる。

    農作業という単調な作業の中、

    懐かしさも相まって著者の声は仕事のお伴となり、空白の期間を埋めていった。

    なにより有難かったのは、もっとも聞いていた二組が未だに同じようにその場にいてくれたことである。

    よって本書「のはなしし」においても、内容が10年以上前のエッセイの追筆であろうとも、

    リアルタイムで話しているかのように読み進むことができた。

    著者には様々な顔がある。

    とてもシャイで自分をひけらかさない。

    褒められることを怖がり、冗談で誤魔化す。

    江戸っ子っていうのはこういう人なのかなと漠然と思う。

    熱い風呂に入ってもヤセガマンする人みたいな。素直じゃないあの感じ。

    そんな著者の文章は逆に素直な印象を受ける。

    とても真っ直ぐで、元落語家の遺伝子がそうさせるのか、

    しっかりマクラがあってフリがあって最後にオチをつける。

    またオチを期待していると、見切ったようにハズシてくる。

    一番印象に残ったのは『「路地」のはなし』だ。

    とても短く、オチもない。

    オチがあるものと読み進めてきた終盤に視点をそらされる。

    心に残る。

    何かが心に突き刺さる。

    そんな感じの読後感。。。

  • 伊集院さんのラジオと同じで、リズム感がものすごく、読んでて心地よい。何処から読んでも面白いけど、ラストはちゃんと伏線を回収してて、鳥肌たった。

  • 伊集院光さんのエッセイ、のはなしシリーズ第4作。期待を裏切らない、安定の面白さ。のはなしではこういうのを読みたいんだよね、という期待値にピッタリ寄り添っている感覚。そのテンションを4作ずっとキープしているのもすごい。時々全作ぐるっと読み返したくなるシリーズですが、もちろんこの一冊もその仲間入りです。

  • 「のはなしし」読了。笑える話もあれば良い話もある。言葉の選び方がうまく、頭でイメージすると不思議とおもしろい絵が出来上がっている。そしてなぜに子供時代の記憶が引っぱり出される。最後の話はゲーム好きならではで、じんわり感動させてくれる。

    個人的には「見間違い」の話の中に出てくる「ドラえもんえかきうた」のたとえがスマッシュヒット。あれは実際に見た人しか分からないだろうが、憶えている人はあの文脈で出されるとその凄さが分かるはず。

  • "あ〜ん"までをタイトルに日々の何気ないこと、くだらないこと、おかしいこと、じんとくることなどバラエティ豊かなエッセイ集第4弾。ラジオの軽妙なトーク同様に確信的に笑いへと誘導させられる。名エッセイストと呼びたい。

  •  深夜ラジオのカリスマパーソナリティーは気鋭のカリスマエッセイストでもあるのかもしれない。
     落語家時代から積み上げられてきた卓越した話術がそのままのクオリティで文章に転化した本書。そのテンポ、語り口はまるで無声ラジオを聴いているかのような陶酔感を与え、読む人を活字の渦に飲み込んでいく。
     内容も著者独特のユーモラスかつ自虐的な目線が光る笑える話や、一抹の哀愁を読後感に忍ばせる話、ふとした日常の為になる話など、人生経験の豊富さがにじみ出る幅の広いものとなっている。
     ちなみに私はエビフライおじさんの話が好き。そのほかにも所々感極まってしまった。
     重ねた年月というのは、ここまで人を魅了するんだなあ。

  • 深夜の馬鹿力リスナーだから、面白い!
    いくつになっても少年のような好奇心を持ちつつ、大人になった卑屈な精神が交錯してあって、そのバランス加減が面白い。
    ちゃんと話のオチもある。
    私が好きなのは、オシャレなカフェで出てくる量の少ないご飯のことを「病気の小鳥が食う餌の量」と言ったり、「ぷぷぷ」の話がおならの話なのに、なぜかおとぎ話を読んでいるようなほっこりする話だったり。
    ひとつのテーマの文章量が少ないのもあったけれど、あっと言う間に読めた!

  • こんなに面白かったっけ?のはなし(いち)は既読だけど、こえ出して笑った記憶はさすがにない。オチもほぼ全部しっかりしてるし、ショートショートに近いような構成の妙もある。寝る前に二三篇づつ読むと気持ちよく眠れる。残りも買うとしよう。

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著者プロフィール

1967年生まれ。84年に三遊亭楽太郎(現・六代目三遊亭円楽)に弟子入りし、落語家・三遊亭楽大として活動。87年ごろから伊集院光としてタレント活動をはじめ、「伊集院光のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)、「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ)といったラジオ番組のパーソナリティをつとめる。2012年よりNHK Eテレ「100分de名著」に出演。『世間とズレちゃうのはしょうがない』(養老孟司との共著、PHP研究所)、『名著の話 僕とカフカのひきこもり』(KADOKAWA)などの著作がある。

「2023年 『名著の話 芭蕉も僕も盛っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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