ヤクザ1000人に会いました!

著者 :
  • 宝島社
3.10
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本棚登録 : 140
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796682671

感想・レビュー・書評

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  • 血液型をアンケートにとるのが面白い

  • 『潜入ルポ ヤクザの修羅場』がバツグンに面白かった鈴木の、15年のヤクザ取材経験をふまえた「ヤクザの雑学」本。

    著者は過去12年にわたり、ヤクザを取材するたびに共通の質問項目を並べた無記名アンケート調査をしてきたのだという。その目標数が1000件。「統計学上信用に足る数値は、1000件のサンプルだから」だ。
     もっとも、本書を書くまでに集まったのは612件だそうだが、対面取材してきたヤクザは1000人を超えているというから、タイトルに嘘はない。

    この手の「ヤクザの雑学」本は過去にもいろいろ出ていて(山平重樹・監修/『週刊大衆』編集部・編の『ヤクザ大辞典』など)、私もいくつか読んでいるが、本書がいちばん面白かった。

    《誰にでも読みやすいよう、ヤクザ社会の雑学を集めた形をとったが、既存のヤクザ本より、ずっとまともなドキュメントになったはすだ。》

    ……と「まえがき」にあるとおり、類書の多くが「ヤクザ礼賛寄り」であるのに対し、本書はぎりぎりのところまで本音バチバチで書いているし、著者独特の乾いたユーモアが全編にちりばめられていて、なかなか笑える本なのである。

    アンケート調査の集計結果を紹介した第1章が本書の売りなのだろうが、一読者としては、15年の取材経験で得た知識を総動員してヤクザの実像に迫った2章以降のほうが面白かった。

    私が爆笑した一節を引く。

    《とある関東の若手組長は、自分が若い衆の刺青を彫るようになった。もともと絵心があって、墨絵や書、水墨画では飽きたらず、ついに刺青を趣味にしたのだ。今ではかなりの腕前で、他団体の若い衆からの依頼もあるらしいが、最初に現場を見せてもらったときは、若い衆に心から同情した。なにせ針の加減が分からないから、若い衆の肌で実験をするのだ。
    「てめぇこの野郎、じっとしてやがれ」
    「は……はい、でもオヤジ、なんか変じゃないですか。先生のときより、ずいぶん痛いような」
    「ガタガタいうんじゃねぇよ。おとなしくしねぇと、ドラえもん彫るぞ!」》

  • 統計や調査をやる身として凄く楽しめた。
    あとは生体について、淡々と物騒な話題が出てくるのが新鮮。

  • ヤクザアンケート!

  • 大勢と会うことによる、情報のリアルさってのはあるんだろうけど、統計的にまとめたところもそう多いわけじゃなく、更に言えば、アンケートの有効回答数の少なさが、タイトルの数字の水増し感を醸し出していますね。(^^;
    内容は、ヤクザの内情もの。
    作者は、他の媒体の文章より自分の方が事実に近いと言っているけど、こればっかりは言ったものがちなところがあるのでなんともはや。
    ま、質問内容に興味が持てれば楽しかろうと思います。

  • 北九州のヤクザ vs 警察の攻防が昨年話題になったが、ヤクザの実態とは? について、600人強のヤクザに対して無記名アンケートを実施した結果を書籍化。なかなか面白い!

  • ヤクザに興味がなければつまらない本かもしれないが、前半はなかなか楽しめた。後半はだれ、ネタ不足なのか前半の勢いが無い。
    ・自殺に見せ掛けようとして、遺書なんて書くから足がつく、絞殺か溺れさせ、首をつらせるか、水の中に入れる。
    ・看守の携帯を使い、1000万恐喝。最初は人情に訴え小さな頼みごとをして、お礼を渡す。その後それをネタに恐喝。
    ・刑務所がヤクザの大学と呼ばれるのは、ヤクザが塀の中でいろいろ勉強するからだ。官本が漫画ばかりなら、馬鹿のままなのに。

  • 「おとなしくしねぇと、ドラえもん彫るぞ!」と若い衆を脅して、自らの趣味である刺青の実験台にする組長の実話には笑い転げた。この若い衆は辛抱強く堪えたため、ドラえもんを彫られることはなかったが、後日に別の若い衆が毒牙にかかり、ケムンパスとあくびちゃんを彫られてしまい、男泣きに泣いたそうである。わはははははははは!。表題の如く1000人に会ってみないと、こういう話は書けないでしょうな。というわけで、ヤクザもん好きな向きには1143円+税は高くはないかもしれません(笑)。

  • 市井のヤクザな人々の生活白書。血液型から出身大学、ヤクザになったきっかけ、内縁の妻の数、など、イキイキと語られている。

  • 自分の知らない世界というのは、自分が体験や経験できないならば、そういう本を読むしかわからない。この本の情報量は素直にすごいと思った。ヤクザの論理とか行動ってどういうところから来るのかよくわかった。
    ちなみに第2章から第6章に向けてヤクザの私生活になってるので、最初第6章から第2章へ読んでいくと、内側から理解できる。

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著者プロフィール

1966年、北海道生まれ。日本大学芸術学部写真学科除籍。雑誌・広告カメラマンを経て、ヤクザ専門誌『実話時代』編集部に入社。『実話時代BULL』編集長を務めた後、フリーに。週刊誌、実話誌などに広く暴力団関連記事を寄稿する。主な著書に『ヤクザと原発 福島第一潜入記』(文藝春秋)『潜入ルポ ヤクザの修羅場』(文藝春秋)『サカナとヤクザ』(小学館)などがある。

「2021年 『修羅の花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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