【映画化】完全なる首長竜の日 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2012年1月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796687874
感想・レビュー・書評
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「このミス」が全選考員一致で、ということらしいが、どこが面白いのか分からないままだった。
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こういう夢と現実と記憶と妄想とがシームレスに繋がってる感じ、すごく好きです。さらに下敷きになってる「サリンジャー」が、なんとも得体の知れない生温い空気を放ち、そして「SCインターフェース」なる言葉が、ある種の無機質でひんやりした気配を漂わせる。行間から立ち上ってくるこのざらざらした空気の手触りが、気持ち悪くてすごく良い。
ミステリーだからって敬遠してたけど、思ってたのとは良い意味で全然違った。読ます嫌いはだめですね。 -
すごく引き込まれた。まぁ、物語の仕掛けは小説慣れしてる人にはある程度読めるかと・・・。
ただ、この物語はオチがどうとか、仕掛けがどうという物語じゃない。むしろ、読み終えてからが本番。あの場面はこういう事だったんじゃないか、本当はこういう意味なんじゃないか・・・どこまでが夢なのか、何度も読み返してパズルを解くように咀嚼したくなる。 -
映画になったし興味持って読んでみた。これは素晴らしい。どんどん引き込まれていって、でも実は読者も半分騙されていて。ラストは種明かしかと思いきや。。サリンジャー的なラストを迎える。
しかし、どうやら映画は設定を大きく変えているようだ。先に原作を読んで良かった。 -
夢から覚めたらまた夢、他人との意識共有が好きなんでたまらん。たとえオチが読めたとしてもこの作品は面白かった。たぶん映画版とはかなり違うんだろうな
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「映画版とはかなり違うんだろうな 」
予告編見たら割と面白そうだったので、映画を観に行こうかな、、、とチョッと思っています。原作は観て面白か...「映画版とはかなり違うんだろうな 」
予告編見たら割と面白そうだったので、映画を観に行こうかな、、、とチョッと思っています。原作は観て面白かったら読みます。2013/06/05
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第9回『このミステリーがすごい!』大賞受賞。選考委員が満場一致で即決した作品です。
自殺未遂を起こし意識不明になった弟と、『SCインターフェース』を使って弟と対話を続ける姉の淳美。SCインターフェースとは、植物状態の患者とコミュニケートできる医療器具のことだ。
弟が淳美に自殺の原因を話そうとしないまま月日は流れる。弟の記憶を探り続けていた淳美は、次第に現実と夢の区別がつかなくなっていく……。
作品のタイトルが好きで前々から気になっていたのですが、文庫化されたと知り早速読んでみました!
“このミス”の選考委員が満場一致した作品!と期待していたせいか、『そんなに面白いか?』というのが僕の正直な感想。
著者の筆力は凄いと思います。ただ、読後感がモヤモヤしていてあまり好きではない。この読後感のせいで、マイナスイメージが拭いきれないのかもしれません。
ミステリというよりはSF要素がかなり強いので、『さぁミステリ読むぞ!』って方には向いていないので要注意。
作品を読んでいる時の不安定感というか、酩酊感というか、そういった"物語の迷宮に迷い込む"感覚は結構好きです♪ -
夢が現実なのか、現実が夢なのか。
それを判断する方法を私は知らない。
ゆえに普通に暮らしていても、見慣れた風景の中でも、たまに「あれ、これは夢?」という考えが頭をよぎる瞬間がある。
この本はまさにそれがテーマだ。
浩市の意識に翻弄される淳美。胡蝶の夢。マグリット。夢と現実の境界が解らなくなっていく。
そうしてそこから目覚めた先で、また。
夢から覚めても夢にいて絶望したならば……誰しも人は浩市、そして淳美と同じやり方で脱出しようとするのではないか。
本当に「静謐」なラストにぞっとさせられる。
ミステリーではないかもしれないが、大変興味深い一冊だった。 -
独特の空気感というか湿度感はけっこう好き。