- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796688239
感想・レビュー・書評
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悲しい。
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凄く面白かった!
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後半は特に一気読みの面白さ。
好ましい登場人物がいないところが私には物足りなかった。 -
お父さんが、リクを殺した。
中学一年生の光一は、周囲の力を借りつつ、愛犬リクを殺した罪で父親を訴えることにした。
このミス大賞優秀賞作品。
丁寧に裁判までや裁判の様子が描かれていて、落ち着いた空気の作品。だけどところどころで違和感がたくさん残してあって、後半の真実でその正体が明らかになったのはとてもよかった。中学一年生にしては落ち着きすぎでは?と思わなくもなかったけど、あらゆることがお金に換わっていくことへの複雑な感情や家族への思い、友人への戸惑いなど、中学生らしいところも垣間見え、納得できた。
確かに道尾作品っぽい痛い青春小説感はあるし、話が小さくまとまっているといえばそうなのだけど、嫌な後味の悪さはないし、落ち着いて読める作品だった。 -
内容を知らないまま題名に惹かれて読んでみた。
中学生の光一は飼い犬のリクを、人の手による動物虐待によって失う。悩んだ末、光一は犯人と思われる人物を民事裁判で訴える事にした。その相手とは、光一の父だった。
訴えるにも、中学生の光一が父親を訴えるというのは簡単な事ではなく、継母で現在離婚裁判中の真季に法定代理人を頼む必要があったり、弁護士を目指す敦の手を借りる必要があったりした。
そうやって一つづつ問題を乗り越えて、やがて父親との裁判の第一回口頭弁論に挑むときには、こちらも緊張する思いだった。
裁判は、光一の有利なように進んでいく。父親が反論らしい反論もせず、金銭的に余裕があるはずなのに弁護士を頼む事もしなかったから。
光一は協力してくれる敦や真季、同級生の沙紗にも、何かを隠している様子。それは一体なんなのか。
だいたいの想像はつくけれど、光一の悲痛な思いが胸をつく。
失ったものはたくさんあるだろうけれど、それでも希望を残すラスト。 -
図書館予約ベストにあったので何気なく読んでみた。表紙の可愛さとはうらはらな重苦しい、切ない真相に涙ぐんだ。主人公が悲しみの連鎖を絶ちきり生きていってくれますように。民事裁判の描写は解りやすくてお勉強になりました。
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7
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母さんが死んでから経ったひとつの僕の支えだった、愛犬リクが何者かに暴行を受けて死んだ。確実な証拠をつかんでいた中学1年生の僕(光一)は、司法浪人の敦とクラスメイトの沙紗の助けを受けながら、実の父親を裁判で訴える決心をする。
表紙が手に取りやすく、タイトルはキャッチーで、実際に本を開いても字間が広いなど読みやすい。展開も上手に含みをもたせながら先を読まずにはいられない。
法廷や訴訟の色々については、「ほほー」と思えるほど分かりやすく解説してあると感じた。
先の展開はなんとなく予想はついてしまったし、どうしても受け入れられない部分はある。それでも面白かったし、これを中高生が読むのは意味があることなのではと思う。