僕はお父さんを訴えます (『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 461
感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796688239

感想・レビュー・書評

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  • 『このミステリーがすごい』の優秀賞作品。
    数時間で読める内容です。前半は手を止めるところもありましたが、後半の裁判部分になると面白くなり、一気に読めます。

    父子家庭の中学生が、愛犬を殺した罪で裁判所に父親を訴えます。
    父と暮らす家を出て、裁判所で父親と対決する彼には、実は協力してくれている人たち誰にも話していない目的がありました・・・・

    ミステリーとしては面白いし、一度読んでから読み返すと随所に主人公の葛藤が隠れていてさらに面白いのですが、ストーリーとは別にして、リク(犬)が(T_T)
    虐待され続けてて、殺されかけて捨てられて、瀕死の体で必死で家に帰ろうとして途中で倒れる・・・・子供のころからコリーを飼っていた身としては、何よりもここが一番つらい。

    最後は主人公にとって救いのあるものになっていますが、沙紗のセリフの方が私の心境に近いです。犬好き、ペット好きの方には、つらい内容かも。

  • 悲しい。

  • 凄く面白かった!

  • 後半は特に一気読みの面白さ。
    好ましい登場人物がいないところが私には物足りなかった。

  • とても読みやすいお話でした。2、3日もあれば読めると思います。
    最後に「え??」という展開が待っていて面白かったです。
    少年の父に対する複雑な思いがよく表現されていたと思います。
    軽く読めるけど、DVを考えさせられる作品だと思います。

  • お父さんが、リクを殺した。
    中学一年生の光一は、周囲の力を借りつつ、愛犬リクを殺した罪で父親を訴えることにした。

    このミス大賞優秀賞作品。
    丁寧に裁判までや裁判の様子が描かれていて、落ち着いた空気の作品。だけどところどころで違和感がたくさん残してあって、後半の真実でその正体が明らかになったのはとてもよかった。中学一年生にしては落ち着きすぎでは?と思わなくもなかったけど、あらゆることがお金に換わっていくことへの複雑な感情や家族への思い、友人への戸惑いなど、中学生らしいところも垣間見え、納得できた。
    確かに道尾作品っぽい痛い青春小説感はあるし、話が小さくまとまっているといえばそうなのだけど、嫌な後味の悪さはないし、落ち着いて読める作品だった。

  • 内容を知らないまま題名に惹かれて読んでみた。

    中学生の光一は飼い犬のリクを、人の手による動物虐待によって失う。悩んだ末、光一は犯人と思われる人物を民事裁判で訴える事にした。その相手とは、光一の父だった。

    訴えるにも、中学生の光一が父親を訴えるというのは簡単な事ではなく、継母で現在離婚裁判中の真季に法定代理人を頼む必要があったり、弁護士を目指す敦の手を借りる必要があったりした。
    そうやって一つづつ問題を乗り越えて、やがて父親との裁判の第一回口頭弁論に挑むときには、こちらも緊張する思いだった。

    裁判は、光一の有利なように進んでいく。父親が反論らしい反論もせず、金銭的に余裕があるはずなのに弁護士を頼む事もしなかったから。
    光一は協力してくれる敦や真季、同級生の沙紗にも、何かを隠している様子。それは一体なんなのか。

    だいたいの想像はつくけれど、光一の悲痛な思いが胸をつく。

    失ったものはたくさんあるだろうけれど、それでも希望を残すラスト。

  • 図書館予約ベストにあったので何気なく読んでみた。表紙の可愛さとはうらはらな重苦しい、切ない真相に涙ぐんだ。主人公が悲しみの連鎖を絶ちきり生きていってくれますように。民事裁判の描写は解りやすくてお勉強になりました。

  • 7

  • 母さんが死んでから経ったひとつの僕の支えだった、愛犬リクが何者かに暴行を受けて死んだ。確実な証拠をつかんでいた中学1年生の僕(光一)は、司法浪人の敦とクラスメイトの沙紗の助けを受けながら、実の父親を裁判で訴える決心をする。
    表紙が手に取りやすく、タイトルはキャッチーで、実際に本を開いても字間が広いなど読みやすい。展開も上手に含みをもたせながら先を読まずにはいられない。
    法廷や訴訟の色々については、「ほほー」と思えるほど分かりやすく解説してあると感じた。
    先の展開はなんとなく予想はついてしまったし、どうしても受け入れられない部分はある。それでも面白かったし、これを中高生が読むのは意味があることなのではと思う。

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著者プロフィール

2011年、『僕はお父さんを訴えます』で第10回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞してデビュー。14年、『ボランティアバスで行こう!』が名門ミステリファンクラブ「SRの会」13年ベストミステリー国内第1位に選ばれる。著書に“スープ屋しずくの謎解き朝ごはん”“さえこ照ラス”“レシピで謎解きを”の各シリーズ、『映画化決定』など。

「2023年 『無実の君が裁かれる理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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