氷河期 ―ルーヴル美術館BDプロジェクト― (ShoPro Books)

  • 小学館集英社プロダクション (2010年11月9日発売)
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (87ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796870801

作品紹介・あらすじ

氷河に覆われた未来のパリ、時を超えて眠る美術品たちの館がそこにあった…。地表が氷河に覆われた未来のパリで、豪雪地帯を進む考古学調査隊は、雪に埋もれた巨大な建造物を発見する。膨大な美術品が納められたその建物を探索しながら、調査隊は「失われた文明」を読み解こうと、奇妙な解釈を展開するが、一方、調査隊とはぐれた探査犬ハルクに、美術品たちは口ぐちに自らの過去を語りはじめ…?ルーヴル美術館が、より幅広く世間にルーヴルの魅力を伝えるために企画した、驚きのコラボコミックプロジェクト!美術史家・小池寿子氏による詳しい美術解説も収録。想像力を刺激する、かつてないルーヴル美術館への案内書。

感想・レビュー・書評

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  • 松本大洋のすすめ

  • ニコラドクレシー作、って言われないと
    若干ピンとこないような絵柄してて、
    もう少し前の頃の絵柄の方が好きだなと実感。

    ルーブルの企画作品として、
    大丈夫なのか?ってなるくらい
    目の付け所が妙な内容になってて、
    バンド・デシネにも
    こういう温度感を表現するひとが
    いるんだなって新鮮でした。
    ラストのキリストの扱いとか、
    銀魂みたいなイジり方してて面白かった。

    ニコラドクレシーさんの作品は
    絵柄が第一だと思ってるので、
    かなり雑な絵柄と、
    かなり他作品の絵を貼り付けてるだけの
    後半の作りが好みじゃなかったー。

    美術品たちがキャラクターとして
    しゃべりまくってるのとかは、
    挑戦的で面白い作りではあるんだけど…。

    ありがとうございました。

  • ルーブル美術館とアーティストがコラボしてBDを制作するルーヴル美術館BDプロジェクトのうちの一冊。
    遠い未来、考古学調査隊のメンバーは氷に閉ざされていたルーブル美術館を発見するが…。
    未来人が美術品を見て勝手に昔の人間の事を変に解釈したり、美術品がしゃべりだしたりこのド・クレシー的な世界観好きです。
    絵もド・クレシー的な絵の中に美術品の絵画がそのまま表れてといった風にほんとに絵が上手い。

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    所在記号:726.1||クレ
    資料番号:10202196
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  • BD
    まんが

  • "「時代の壁を越えられるように精神統一をしてください、わたしが種の壁を越えたように。
    そうすればあなた方のそれぞれが持っている知恵で、全員で動ける方法が見つかりますよ
    あなた方は生まれた時代の違いを乗り越えて、ずっと一緒に暮らしていたわけですよね。
    一体になるのです。自分の枠から開放されて 新しい一つの作品に」"[p.73]

  • <閲覧スタッフより>
    考古学調査隊と探査犬ハルクが発見したのは、未来のパリ、氷河に覆われた巨大な建造物-ルーヴル美術館―だった。“失われた文明”として解釈される名画の数々。そのユニークな発想と淡い幻想的な描写がなんとも魅力的な作品です。

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    所在記号:726.1||クレ
    資料番号:10202196
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  • こんなもの読んでいる場合じゃない、というとき(実は今がそうです)に限って読んでしまうかもしれない本。寝転んで読むには物理的に重いし、ちゃんと読むとけっこう時間がかかる。ラストの解釈(というほどおおげさじゃないかもしれない)のために数回は読み返すことになるだろうし。ましてや後注にでてくる絵画、彫刻などの説明を他の画集など(昨今はぜんぶネットかなあ)で確認しようとするとえらい時間がかかる。でもその時間のかけがいはある作品だと思う。

    お話は、現代社会のあとに(何回かの)氷河期がきて、それを生き延びている人間の探検隊が凍りついたルーヴルを発見して諸作品を解釈する、というもの。探検隊の「犬ぞり」の「犬」が良。遺伝子操作でよって豚を混ぜられ言語能力が上がっている「犬豚」。彼ら/彼女らの自己認識と世界理解に比べれば、登場する人間なんて……という話。これもストーリー自体はそれほど新奇なものではないが、あまりにこの犬豚が魅力的なので読みとおせます。ラストはあえて秘す。犬豚、がんばれ。

  • 地球が氷河で覆われてしまった近未来のパリ、まだ保存し得る文明のかけらを捜して歩く人類の生き残り(➕自意識が生まれたイヌたち)の物語。

    彼らが偶然見つけた文明の残骸が氷河に埋もれたルーヴル美術館なのだが、近未来の人びとは(それらが描かれた時代の)過去の人間の叡智や記憶を辿るすべを何も持たないため、かつては価値のあった美術品がいくら出てこようとも、そこにもう当時の価値は役に立たない。
    特にルーヴルで人気もあり価値が高いとされる宗教画を並べて、宗教上いろいろな暗示が込められた裸婦像をとりあげ淫らな人間の業だと分析するくだりは、素直に笑ってしまう。
    私たちは絵を観る時、どれだけその表面上の価値に左右されているか。情報がその目を曇らせてしまうことを痛烈に皮肉っていて、面白い。

    人間が自然に畏怖を抱き、そこから生まれる衝動で作られた芸術の尊さが価値のあるものだと、素直に感じられるラストシーンが良かった。

  • Le LOUVRE invite la Bande Dessine.

    ルーヴルの作品を、全く別の文化の者が見たらどう見えるか?
    という設定で多くの作品が描かれるBD(フランスの漫画)。
    通路の順序に従って大人しく作品を眺めるだけがルーヴルの見方じゃない。
    探検隊と一緒に、ルーヴルを探検していくことができる。
    それは、とてもわくわくする、新しい眺め方だ。

    扱われているのはあまり有名でない作品たち。
    だからこそ、ルーヴルの再発見になる。
    ルーヴルにはもっと面白い作品があるんだと、このBDは訴えかけてくる。

    ルーヴル美術館BDプロジェクト第一段。
    ニコラ・ド・クレシーによる作品。
    名高きルーヴルが、BDという文化と手を組んで、こんないい本が出来上がるなんて。
    わくわくの連続。
    またルーヴルに行きたくなる。
    もっとルーヴルを知りたくなる。
    美術や漫画の可能性はもっと広い。

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