鶏のプラム煮 (ShoPro Books)

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制作 : 渋谷豊 
  • 小学館集英社プロダクション (2012年2月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (90ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796871068

鶏のプラム煮 (ShoPro Books)の感想・レビュー・書評

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  • 近所の本屋のコミック売り場に、無造作に差してあった。粋だねぇ。

    『刺繍』同様、『鶏のプラム煮』という書名が隠喩になっていて、読み終えてから改めて題を見ると沁みる。

    "知的で、精神がむき出しで、どこか現実離れしたところのある人" というのは、私達の身近にわりといる。そうした人の一人が、自分の人生にすっかり失望しきって死のうと決意する、これもよくある話だ。ただ、その一人が誰かではなく知人や友人だったなら、そしてその人が決心してから実際に死ぬまでの8日の間に、何を感じ考えていたか知ることが出来たなら、それはもう私に関係する出来事だ。
    そうして距離を縮め、けれど近過ぎず、他者ではあるけれど最早無関係ではない者として作品が迫って来る。明るい物語ではないけれど、どこか陽気で心地良い。

  • 繊細な身勝手さを持つ芸術家の不幸な話。実際に不幸なのは主人公の芸術家の男ではなく、彼の妻とその子供達だが。たった一ページ、文字だけで表現された七日目の話がすべてを物語っている。主人公が他のタールの音に満足できなかったのは楽器自身のせいではなかったのだろう。何度か読み返したい作品。

  • フランス式白黒マンガ。舞台は1958年のテヘラン。ある男が若い頃に封印した恋を思い出したことをきっかけに、死を決意してから死ぬまでの話。悲恋に死ぬという純粋さは深い淵であって、男の思いに圧倒される。
    ユーモアと日常のエピソードとアラビアン・ナイトの挿話などが言葉で解説できない男の心情を象徴的に描いていて、読後ずいぶんたってから「あれはなんだったんだろう?」とイメージが甦ってきます。
    映画化されているそうですがイラン色が薄められているそうで、少し残念。でも、映画のように読めるマンガです。

  • <閲覧スタッフより>
    イランの伝統弦楽器“タール”の奏者として有名なナーセル・アリ。 ある日なによりも大切なタールを妻に壊され、生きる希望を失った・・・。素朴で淡々とした描写がアリの死までの8日間を辿ります。

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    所在記号:726.1||サト
    資料番号:10214379
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  • 映画は映画でいいとして
    やはりヴァイオリンではなくタールがいいんだろうな
    それと鶏のプラム煮はおふくろの味のようで
    映画はその点抜けてた気がする

  • この人の絵がすごい、体験がすごい、表現がすごい、などとさんざんペルセポリスで
    騒いで、もう褒め言葉なんて出てこないだろうと思ったらいやー、まだ、ありました。

    着眼力と構成力、なんとなんとなんと!!!


    死を選んだ主人公の最後の数日を遡る手法というのは、なるほど、よくあるかもしれない。
    しかしなんだこの、表現のすごさは。
    過去と現在、近未来と近過去(なんて単語あるのか?)が映画のようにミックスされる。
    また、表現としてコマ送りで進んでいたものが急に俯瞰されたり、同じ構図が急に、色だけ
    白から黒へネガポジ反転したり、視点がパーンして現実から心象風景へ転換したりと、その技術はまさに、技のオンパレード。

    その技巧が、シンプルな絵の故にか、まったく浮ついて見えないのも強み。

    ストーリーはアマゾンなどの紹介サイトでどうぞ。まさにそのまま。
    妻に大切な楽器を目の前で壊された音楽家が、厭世的な気分になりハンストして、
    衰弱して死んでしまうまでの8日間と、その前後の小規模な過去・未来の物語。
    (ちなみにペルセポリスとほーんの少しだけリンクしてます。
    マルジにあいたいあなたも、ぜひどうぞ。)


    キリストは6日で世界を作り、7日目に休んだというが、
    音楽家は8日間で絶望し、諦観し、達観し、後悔し、悩み、人生を再放送した。
    タイトルの「鶏のプラム煮」は音楽家の大好物。2回登場するこの料理が、
    わずかな間に全く違う意味付けをもって提示されるあたりも演出の妙。

    なにはともあれ、見るとよい。
    特に最初のプラム煮のシュールな表現には、にやりそして、合掌。

  • フランスの漫画です。

    とても味わいのある物語でした。

    イランの伝統弦楽器タールの演奏家が、お気に入りのタールを失って、その後自ら死を選び、母親の隣に埋葬されたというお話。

    彼の死を迎える数日間に、彼が思い起こすことが、淡々と描かれていく。

    鶏のプラム煮が好きだったこと。

    結婚に至るまで。

    家族との関係。

    時は静かに流れていく。

    白と黒で描かれていく物語。

    じわっと、心にしみてくる感じです。



    映画化されたそうです。

    ぜひ、映画もみたくなりました。

  • 全1巻。映画『チキンとプラム』はまだ観ていないが、どう映画化されたのかが気になってきた。イランの映画はいくつか観たが、漫画を読むのは初めて。正直、男の身勝手さが描かれた作品だとは思う。良質な音を奏でるタールにもう出会えないと見切り、寝ながら死を待ち、そして実際一週間ほどで死んでいく男の、死を決意してから死ぬまでの話。

  • イラン人作のマンガ。
    映画「チキンとプラム」を見て、原作である今作が気になって手にとりました。

    日本のマンガに慣れてると驚くほど質素な絵。新聞の四コマみたい。
    驚いたのが映画はこのシンプル極まりない絵をほぼそのまま実写化してるんですね。8割はセリフ回しから描写まで原作通り。

    映画化のセンスに感銘を受けました。
    私の中では映画とマンガをワンセットで楽しむとより物語の素晴らしさが増幅するというモノ。
    単体だと60点ぐらいが合わさることで90点くらいになりました。

  • 「ペルセポリス」は、気に入らない部分もありましたが素敵な作品でした。これは未読なので、先ず映画を愉しんでから読みます。

    映画『チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~』公式サイト
    http://chicken.gaga.ne.jp/top.html

    小学館集英社プロダクションのPR
    「イランの伝統弦楽器タールの奏者として活躍していたナーセル・アリは なによりも大切にしていたタールを妻に壊され、生きる望みを失った。 死を決意してから8日後の彼の死まで、ナーセル・アリの最期の日々が始まる。 はたしてタールの音色に秘められた想いとは……? 『ペルセポリス』で激動のイラン現代史とともに自らの半生を描き切ったマルジャン・サトラピが、 1958年のテヘランを舞台に綴る、可笑しくも、やがて哀しき人生の物語。 」

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鶏のプラム煮 (ShoPro Books)の作品紹介

イランの伝統弦楽器タールの奏者として活躍していたナーセル・アリはなによりも大切にしていたタールを妻に壊され、生きる望みを失った。死を決意してから8日後の彼の死まで、ナーセル・アリの最期の日々が始まる。はたしてタールの音色に秘められた想いとは…?『ペルセポリス』で激動のイラン現代史とともに自らの半生を描き切ったマルジャン・サトラピが、1958年のテヘランを舞台に綴る、可笑しくも、やがて哀しき人生の物語。2005年度アングレーム国際漫画祭最優秀作品賞。

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