スパイダーマン:ブルー (MARVEL)

  • 小学館集英社プロダクション
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本棚登録 : 39
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796875134

作品紹介・あらすじ

始まりはあの瞬間だった-グウェン・ステイシーとメリー・ジェーン、美女2人の間で揺れ動くピーターパーカー、『スパイダーマン』の名エピソードを人気コンビが鮮やかに描く-

感想・レビュー・書評

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  • ホークアイシリーズを読み終えて、マーベル・スパイダーマン初心者も楽しめて満足度が高いとのことで手に取った1冊。

    物語はスパイダーマン:ピーター・パーカーによる回顧録。
    ピーター・パーカーがグウェン・ステイシーと出会い、愛し、失うまでを記録する物語。
    キャラクターの初期の物語を再解釈・再構築したものとのこと。

    読後の素直な印象としては「切ない。」に尽きます。
    本書のコピーにもある通り、まさに「過ぎ去りし青春物語」でした。

    クラシカルなアートとシナリオが折り重なってどのページ、どのコマにも常にノスタルジーが漂い、愉快なシーンであるはずなのにどこか物悲しさが漂っていて惹きつけられました。
    グウェンに関してはマーク・ウェブのアメイジング・スパイダーマンで彼女の行く末を一応は知っていたのですが、コミック内で「死が明確に描かれない」ことにより、より一層悲しみが襲ってきます。

    友情、恋愛、青春時代の全てが「スパイダーマン」でいることと同居しているピーター・パーカーの「大いなる力には大いなる責任が伴う」の言葉でいうところの「大いなる責任」が前面に出されています。

    「スパイダーマン・ブルー」のブルーは劇中ではブルーな気持ち。と表現されますが、僕は「青臭く過ぎ去った青春」という言葉を添えたいと思います。

    初心者向けと謳いながら、「かつて起きた出来事」を知っている前提で話が進むのと、派手なシーンも派手に見えず、絶えずピーター・パーカーの内側にフォーカスを当てた本作は初心者向けにしては難解な気もします。
    ただ、キャラクターのオリジン、その理解といったものに関してはとてもわかりやすいので、作風が好みとあっていればさえすれば、僕含め初心者も楽しめると思います。

  • かつての痛快活劇を、うまくいかない事だらけのピーターの文字通り「一人称」視点から再構成したちょっと懐古的な掌編。苦労ばかりの日々に「あの表紙」でフラッシュを救い彼も変わる展開が鮮やかな脚色。最後のMJの言葉も涙もの。カラリストが違うとT.セイルの過去の邦訳作と比べちゃうなあ。

  •  ピーターがグウェンとMJの間で揺れ動いていたころの話が、ピーター自身のグウェンに対する追悼としての回想という形式で描かれているリメイク的な作品。そのため、この作品単体で楽しむことは出来、1つのテーマでしっかり構成されているのでまとまり良く読むことが出来る。

     ただし、構成上あえて省いているのか、挟まっている旧作の説明を読まなければわからない部分もあるのがこの作品単体で読む読者には辛い。また、多くのヴィランとの戦いを取り入れているのが素晴らしいのだが、1人あたりの扱う時間が短いこともあり、少し物足りない印象もあるかもしれない。どちらかと言えば、旧作を読んでいて思い入れのある人の方が楽しめる作品であると感じた。読んでからもう一度読むと思いが変わるかもしれない。

    本編以外の見所として、巻末に書かれている通り、スパイダーマンを主体にしない扉絵はその回の話の内容とも合い見応えがある。

  • メリージェーンとグウェンの間で揺れ動くピーターの心境を描いた10年前の作品。

    実際には50年近く前に連載されていたスパイダーマンシリーズのリメイクなのだが、本作はピーターが亡くなってしまったグウェンに対して(テープレコーダーで)話しかける構成で物語が進む。

    ひたすらセンチメンタルで詩的なピーターのモノローグと後の結末を知ってしまった上で読んでいる読者の心境が自然と重なり、読み進めるとひたすら悲しさが溢れてしまう。

    現在映像化されてる作品のピーターは演者ゆえかどうにもチャラさが抜けないが、やはりピーター・パーカーはこうあるべきだよな‼︎ と感じさせてくれる一冊。
    続きものじゃないので映画しか見てない人にもおすすめ。

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著者プロフィール

●ジェフ・ローブ[作]……ライター、脚本家。海外ドラマの『LOST』や『HEROES』の脚本家としても活躍。

「2019年 『スーパーマン:エンペラー・ジョーカー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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