- Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797340228
感想・レビュー・書評
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CIAの元工作員ライアン・キーリーがCIA副長官の密命のもとアメリカ合衆国の国家的な窮地を解決するシリーズ。本作ではパキスタンを訪れた米国務長官が訪問を終え空港に向かう車列が襲撃、拉致されるという危機に立ち向かう。勧善懲悪の黒白ハッキリさせるタイプの多い米ノベルに置いて、このスタイルを取りながら個人的な復讐をサブテーマにおいた本作はハードボイルドの香りもする一作となっている。
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12人のアメリカ人旅行客がパキスタンで行方不明に。そして、折しもパキスタンを訪問中のアメリカ国務長官がテロリストに拉致された。元CIA工作員のライアン・キーリーは、またしても任務を依頼されるが・・・。前作のヒロインのある「行動」は、この作品にまで波及します。でもよくよく考えてみれば、かえってリアルなのかもしれません。例に出して恐縮ですが、翻訳が同じ黒原さんのジャック・ヒギンズ描くところの「ショーン・ディロン・シリーズ」(最近出ていないのはなぜ?)。任務を遂行する姿にはほとんど苦悩が感じられません。こちらのライアン・キーリー・シリーズは、任務中の失敗が頻出し、ヒーローもヒロインもどつぼにはまっていきます。彼らが困難をいかに克服していくかが、この著者の小説の読ませる点だと思います。それにしてもまだ、20代の若さ。あと、何年も楽しませてもらえるのかなと思いきや、何と今年、心臓発作で亡くなられたのだとか。未解決の謎はいくつも残されたままです。ああ・・・。ご冥福をお祈りいたします。