- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797356571
感想・レビュー・書評
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狼人間とのラブロマンス。
甘く切ない気分にひたれます。
狼のいる広大な森が隣接するマーシーフォールズの町。
森の傍に住むグレースは、子どもの頃に狼に噛まれたことがあった。
その時助けてくれた黄色い目の狼を忘れられない。
冬になると、家の裏手に狼たちが姿を現す。
黄色い目の「私の狼」をいつも探し求めていた。
なぜ冬にだけ現れるのか、気づかないまま…
グレースは、17歳の高校生になった。
同じ高校のジャックが狼に噛まれ、しかも死体は消えていた。
ある日、裏庭に黄色い目をした18歳のサムが現れる。
狼に噛まれたために変身を繰り返す狼人間だが、夏の間だけ、人間の姿でいられるのだ。
仲間も数人いるという…
変身するときに隠れられる家を持ち、親のような役割をしていたベック。リーダー格の黒い狼。人間でいたときが不幸だったので狼になれたのを喜んでいる少女シェルビーら。
サムの視点から、グレースに気づいて貰いたいという気持ちで見つめている様子も描かれ、わかりやすいです。
グレースは両親とも留守がちで、孤独な少女だった。
写真好きな友達のオリビアに、いつも狼の話を聞かせていたら、オリビアが撮った狼の写真にドキッとすることに。
ジャックの妹イザベルは、死んだと思われていたジャックを見かけ、グレースが治療法を知っていると思いこむ。
だがグレースは変身したことはないのだ。
狼人間が変身するペースは色々だが、やがて狼のまま人間には戻らなくなるという。
サムも、この年が最後かも知れない時期に来ていた。
ためらいながらも、どんどん近づいていくサムとグレース。
狼人間とは知らないうちから何かを感じて、黄色い目をした狼に恋している少女というのが、変わっていますね。
詩的でなめらかな描写で、愛しさと哀しみに溢れています。
「トワイライト」ほど大がかりな展開や迫力はないけれど、ひととき一途な初恋に浸りたければ、ピッタリかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まさにイッキ読みでした。途中で止まらない。(笑)もし、上巻しか手元に無かったら、次の日に本屋さんが開くのが待ちきれなかったと思います。上巻、下巻を手元に揃えて読み始めることをおすすめします。
最初は、恋愛小説かぁ~、苦手なジャンル。と、思っていましたが、展開が早くあっという間に、狼の世界に引きずり込まれていました。映画化も納得です。このままで一本の映画を見ているような感じです。 -
変わった目の色をした狼に惹かれる主人公。
しかしその狼は実は人間で、寒さによって狼へと変身する狼男だった。
とある事件をきっかけにそのことを知った主人公は彼との距離を縮めていくが、彼の人間でいられる期間が短くなってきていた…
◆狼男とのロマンス。
上巻ではやがて訪れる別れに脅えながら、それでも寄り添う二人の描写がとても切なく描かれています。
狼男の設定が通常と違い気温で変身する為、作中にはちょくちょく気温が書かれていたり、他にも主人公と狼の両方の視点から書かれている為、文体を変化させたりギミックにも凝っています。 -
届いたその日に上下巻とも読んでしまいました。
読みやすい文体と、あまーい二人の関係が、するすると読ませてくれました。
私も自分の部屋にいい男を飼いたい(笑)
どんどん深刻になっていく展開にハラハラさせられました。
お幸せに。 -
献本ありがとうございました。映画やTVドラマも好きですが、本で読む場合のパラノーマルはもっぱらHQ系で読んでましたので、途中どれだけ七難八苦あっても、最後はハッピーエンドだと安心して読めたのですが、上巻を読み終えた次点で、これは悲恋で終わる可能性もあるのか、とちょっとはらはら・どきどきする展開です。
二人の視点が交互に描かれるのが好きです。
そして各章に記されたもう一つの「数値」が非常に効果的。
どちらかというと、全体的にグレーがかった空気感。
美しい風景・静かな音楽・余計な言葉が必要のない、そんなイメージで進む物語。
むしろ映像の方が、より正確にこの世界観を表現できる気もしますので、すでに決定しているそちらも楽しみですね。 -
『パラノーマル・ロマンス』という分野、初めて聞いた献本フェアにてありがたくも手元に届いた一冊。
いや、上下巻で二冊。
ブクログさま、ありがとうございます!
この手の映画でしたら観てました。好きなんです。
外国小説をあまり読まないので(カタカナに弱い)どうかなとも思っていたのですが、まぁなんと、
面白い。
読みやすい。
とても繊細。
美しい描写。
グレース視点とサム視点、両方から書かれていて
それぞれの想い。
狼との出会い。恋。
ドキドキする物語。それは非現実的ではなく、
だれしもが持つ不安、喜び。
あなたの隣に居る愛する人は、明日もあなたの隣に居て愛してくれますか? -
※上下巻読了後の感想です。
この本については、
(あくまで原書への評価ですが)以前から良い評判ばかりを聞いていたので、
近いうちに読もうと原書も買ってあるのですが、
今回、献本キャンペーンで頂いたので、邦訳版で読んでみることにしました。
自分の中であまりに期待が高かったので、
少々不安でしたが、読了後に余韻が残るような素敵な作品でした。
物語は、章ごとにグレースとサムの二人の視点で描かれています。
私としては、サムの思いや心の動きの方が細かく描かれていたので、
グレースのというより、これはサムの物語のような印象を受けました。
二人は、“ホット”ではないけれど“スウィート”。
微笑ましい…と言ったらいいでしょうか?
そんなカップルです。
サムは、繊細で(本人はこの表現を嫌っていましたが…)シャイで、優しくて、正直。
読書や詩が好きで、グレースに対する思いや自分の状況を詩で表現しようとしたり、
グレースに対して、あくまで人間らしい態度で紳士的に振舞おう努力している姿が素敵でした。
グレースは、実用的(?)で自立している女の子。
放任主義の両親の愛情に飢えているものの、
だからと言ってサムにしがみついて、彼のことしか考えていないというわけでもなく、
行動力もあって良いなぁっと。
全体的にストーリーは静かで、至る所に登場する冬の寒さを表す描写が切なさを募らせます。
シリーズ第二作目の“Linger(原題)”が楽しみです。
一つだけ、不満を言うとしたら…
表紙を原作と同じにして頂きたかった…すごく素敵なので;
<あらすじ>
幼いころに狼に襲われた経験のあるグレース。
なぜ助かったのかはわからないが、
彼女はそれ以来、狼の群れや黄色の瞳をもつ狼に惹かれるようになる。
夏は姿を消し、冬になると現れる狼たち。
黄色の瞳を持つ狼は、グレースの家の裏庭と森の境に姿を現すものの、
二人がそれ以上の距離を縮めることはなかった。
だがある日、町でジャックという青年が狼に襲われるという事件が発生し、
そのせいで人々の狼への恐怖が高まっていく。
森を追われそうになる狼を助けようと走り回るグレース。
彼女がそこで目にしたのは、
血を流して倒れる“彼女の狼”の瞳を持つ青年サムだった…。
(あらすじは参考程度でおねがいします。) -
パラノーマル・ロマンスという言葉を最近初めて聞いて、この本を読んでみました。とても切なくなる想いを抱かずにはいられませんでした。
パラノーマル・ロマンスというと、映画では「トワイライト」などが挙げられますが、この本も内容はそれとなく似ているところがあります。
主人公たちの想いがとても純粋で、愛おしくさえ感じられるストーリーになっています。
普通ではない設定の恋愛物語ですが、今の世の中では、信じられなくもないかもしれません。
この本を読んでいると、とても切ない気持ちになり、今すぐにでも恋愛をしたくなってしまいます。
それもきっと作者が作り上げた主人公たちの、愛おしいまでの感情表現が、本を通して伝わってくるからだと思います。
海外の小説として楽しめますが、若干ティーンエイジャー向けのような、印象もなくはありません。
この一冊は上巻なので、ぜひ続きは気になるところです。
もうすでに映画化も決定されているそうなので、米国ではかなりの人気があるようです。それもそのはず、一度読みだすと最後までは読みとどけたい…そんな想いにさせる本です。
訳者の方が「ダレン・シャン」シリーズを手掛けた方なので、楽しめると思います。 -
キャンペーンに当選して読了しました。
以前、本屋で見かけて気になっていた本だったので嬉しかったです。
グレースは幼い頃、狼に噛み殺されかけた経験を持つ17歳の少女。
殺されかけた少女を救ってくれた別の狼の瞳は不思議な色をしていた・・。
以来、「冬」になると彼女を遠くから見守るように見つめている狼を「あたしの狼」と呼び、グレースと狼の間には不可思議な交流が芽生えていた。
そんなある日、グレースは「あたしの狼」と同じ瞳を持つ「サム」という少年に出逢う。
パラノーマル色より切ない恋愛要素を強く感じる。
1章ごとにグレースとサムの視点で描かれるのも興味深い。
個人的には一人称の物語はあまり好みではないのだが、これは大変読みやすかった。
人間と狼によって、サムの表現が「ぼく・俺」と訳されるのも面白い。
サムの愛読するリルケの詩集が要所要所に用いられ、風景の美しさと相まってロマンティックさに色を添える。
次に狼に変身してしまったら、二度と人間に戻ることはできない。
サムとグレースはどうなってしまうのか?
上下巻を感じさせずに読み切れる物語。
「SHIVER」(震え)。
原題にこめられた意味合いも最後には納得。
この秋にお薦めの一冊ではなかろうか。 -
詩的なパラノーマル。“Shiver”の邦訳。待ってました!