遠藤保仁がいればチームの勝ち点は117%になる データが見せるサッカーの新しい魅力 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797369359

感想・レビュー・書評

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  • サッカーの面白さと数字の面白さをミックスしていて、面白い。
    ただ、数字では現れない、ディフェンスラインの統制やポジショニング、メンタル面の要素があるからやっぱりサッカーは面白い!
    単純に勝ち点117%と言うと統計解析に否定的な方にはオススメできませんが、客観的な数字へ「なるほど!」と唸らせる説得力は充分にある。

  • 久々に新書のサッカー本を読んだ。
    けっこうこういうタイトルで釣られるケースがあるのだが、本書はタイトル負けしないすばらしい内容だった。
    充実の内容は下記の目次項目を見てもらえればわかるだろう。

    ■目次
    はじめに データがサッカーに革命をもたらす
    本書で扱うデータ

    第1章 データから読み解く一流プレーヤーの技術
    データを読むための「数字の感覚」
    日本代表の心臓・遠藤保仁は何が優れているのか
    日本人得点王ハーフナー・マイクの躍進と今後の課題
    日本人フォワードは決定力を高めるよりシュート数を増やせ
    日本最高のクロッサー駒野友一
    Jリーグ随一の闘莉王と増川隆洋のコンビネーション
    Jリーグ最高のゴールキーパーは誰か

    第2章 データを使って隠れた才能を探し出す
    選手の可能性をデータで探る
    ケネディを越える可能性を秘めた得点率王
    遠藤を越える中盤のプレーヤーは現れるのか
    守備を支える陰の実力者たち
    Jリーグで活躍するロンドン五輪世代の成長株を探し出す
    スタッツによる選手分析の限界

    第3章 データで振り分けられるプレーヤーの役割
    統計学を使ってデータをまとめる
    いくつの軸でデータを表すべきかを考える
    5つの主成分はどのような内容か
    クラスター分析による選手のプレースタイル分類
    クラスタリングの結果から遠藤の代役を見つけ出す
    チームにおけるポジションの過不足を検証
    ゴールキーパーはフィールド精度とセーブ率で特性が表れる
    データに基づいたベストイレブン

    第4章 データが教える得点につながるプレー
    得点につながるプレーを統計学で検証
    シュートを何本打てば1点入るのか
    ゴールに結びつきやすいシュートは何か
    シュートの種類別に得点を予測する
    得点に結びつくラストパスとアシスト
    ゴールの背景にあるプレーがどれだけ得点に結びつくのか
    守備的なプレーによって失点をどれだけ防げるか
    現実に則した予測モデルで守備的プレーを評価する
    得点や失点を防ぐのに貢献したプレーヤー
    シュートの決定率による評価ではレアンドロ・ドミンゲスが1位
    チャンスメイク貢献度で群を抜く遠藤のプレー
    守備貢献度1位はヴィッセル神戸の河本
    チャンスメイクと守備貢献におけるマイナス評価とは?
    ゴールキーパーのプレーと得点・失点の予測モデル
    攻撃・守備への貢献から見るベストイレブン

    第5章 データが示す勝敗を左右するプレーヤー
    貢献度の合計値とその限界
    試合の勝敗を左右するプレー
    貢献度指標による勝敗の予測
    シーズンを通した勝ち点の予測
    柏レイソルが優勝できた理由と解析の限界

    第6章 データが明らかにするサッカーの気になる疑問
    すべての仮説はデータによって検証可能
    ホームとアウェイは勝敗にどの程度の影響を与えるのか
    先取点を取ることはどれほどチームを有利にするか
    途中後退をうまく使えているチームはどこか
    速攻と遅攻はどちらが有利なのか

    おわりに--仮説こそがサッカーの観戦力

    データスタジアムのデータを著者がしっかりと分析されたようで、
    基本的な分析や多変量解析がなされている。
    回帰分析やクラスタ分析、主成分分析などを用いてJリーグデータを紐解くという目から鱗の内容だった。

    データを分析することで得られる点、ダメな点の整理もとてもすばらしく、やはり論理だけではサッカーは語れないと結論づけるのもとても共感した。
    選手データだけでなく、監督の采配や戦術も何かしらのデータに落とし込むことができればさらによくなるのではないだろうか。
    大変に面白い1冊だった。

著者プロフィール

1981年、兵庫県生まれ。統計家。東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野助教、大学病院医療情報ネットワーク研究センター副センター長、ダナファーバー/ハーバードがん研究センター客員研究員を経て、2014年11月に株式会社データビークル創業。自身のノウハウを活かしたデータ分析支援ツール「Data Diver」などの開発・販売と、官民のデータ活用プロジェクト支援に従事。著書に『統計学が最強の学問である』(ダイヤモンド社)、『1億人のための統計解析』(日経BP社)など。

「2017年 『ベストセラーコード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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