日本一の税理士が教えるもめない相続の知恵 事例で学ぶ相続トラブル回避術 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797382594

作品紹介・あらすじ

累計相続案件実績5100件超と日本一を誇る税理士法人事務所代表の著者は、これまで数多くの修羅場や悲惨な相続現場を見聞きしてきている。本書では、経験豊富な著者でも息をのむ不幸な状況に陥った相続事例を紹介。また、そんなときはどうすればいいのか、もめない対策・知恵を伝授する。

感想・レビュー・書評

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  • 2022.01読了
    もめた相続のケーススタディ本。読み物としても面白い。
    相続は当事者達の「感情」と「整理能力」が問われるが、感情や金銭により余裕のある方が余裕の少ない方に、感情的に寄り添う事、また、自身に過去から来る感情のもつれがあるなら早めに相手と向き合う事が大事だと思った。
    はじめにに書かれている「子が親に」「妹が姉に」「兄が弟に」寄り添う、は何気なく書いたのかもしれないし、多くの相続に立ち会った著者が実感した上手く行くケースなのかもしれない。実際、親も姉(年長者)もプライドがあるから、本心を子や妹(年少者)には言い辛く、つい今までもそうであったように相手に譲り後に思い返して腹が立ち、縁を断絶する事があるだろうし、また、子や妹(年少者)は今まで甘えさせて貰っていたように、甘えれる事を当然と考え、他人にはしないような過度の自分に対する優遇を、当然のように親や姉(年長者)に対し無意識に行い、縁を断絶される事もあるだろう。
    また、家父長制の思想が残る日本では、長男が優遇される事が当たり前の家庭もまだまだあり、それにより長年苦しんで来た弟の気持ちに気づかずに、いつものように兄が優遇されて当然、親と同居していて親の世話を見ているのも自分だし、というように他の相続人を顧みず、親の金は自分の物と考え、相続でもめる場合もあるだろうと思う。男子はプライドを教え込まれるので、弟も本音を隠し我慢我慢の末、相続の際に爆発するという事もあるのではないだろうか。
    各々が親、や兄姉、弟妹、に対し、「相手が親兄弟ではなく赤の他人でもそこまで甘えるのか?」「本当に公平か?」「自分の苦労ばかりを見ていないか?相手の口からきちんと相手の苦労や気持ちを聞いているか?」を考え、相手の利益を優先に話し合いを出来ればいいかもしれない。
    尚、「地主の娘は地主に嫁がせろ」論には笑った。つまり、地主はそれだけ生きて行くのに苦労せず、地主以外に嫁ぐと生活苦の格差が明瞭になり、不満が出てくる、という事。この本に載っていたケースは地主や金持が多く(当然ながら貧乏人は税理士を雇うお金もない)、個人的には、財閥解体農地改革で行われたように、もう一度社会の富の再分配が行われれば、もっと安全で平和な社会になるのではないかと思ったし、巻末位に載ってた、相続による、財産の地銀からメガバンクへの集約話は、果たして社会をどの様に変えるだろうか、と疑問に思った。

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著者プロフィール

税理士法人レガシィ代表社員税理士。公認会計士、宅地建物取引士、CFP。1951年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。アーサーアンダーセン会計事務所を経て、1980年から現職。『やってはいけない「実家」の相続』『相続格差』(小社刊)他、100冊の著書がある。

「2023年 『【改正税法対応版】「生前贈与」そのやり方では損をする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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