人はなぜ不倫をするのか (SB新書)

著者 :
制作 : 上野 千鶴子  丸山 宗利  竹内 久美子  島田 裕巳  福島 哲夫  宋美 玄  山元 大輔  池谷 裕二 
  • SBクリエイティブ
3.59
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本棚登録 : 323
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797388350

作品紹介・あらすじ

婚姻関係の外での恋愛やセックスは、
個人の倫理観や道徳感にゆだねられてきた。
しかしほんとうにそこだけにゆだねられるべき
なのか。ひとつの生物として
人はどのような心、体のしくみで不倫をするのか。
それを各界の専門家が解明する。

感想・レビュー・書評

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  • 不倫、といえば…
    「金曜日の妻たちへ」(古い!)ですね〜。
    小林明子の「恋におちて」が頭の中に流れてきます。

    行動遺伝学、動物行動学、昆虫学、ジェンダー研究、宗教学、性科学、心理学、脳の学者が「不倫」について語るこの本。

    しかし、学者さんたち誰一人として不倫を否定しない、というか、できない。
    どうしても存在してしまうものだと言う。


    上野千鶴子さんの章が特に面白い。

    ー 結婚という概念は、生涯ひとりの人としかセックスしませんって言ってることでしょう? 私は結婚を「自分の身体の性的使用権を生涯にわたって唯一人の異性に譲渡する契約のこと」と定義しています。

    とした上で、どうして人はそんなできもしない約束をするのか不思議だと言う。

    挙句の果てに、
    人はなぜ不倫するのか?と言う質問に対し、
    「なぜ不倫をしないのか、逆に聞きたい」と質問返しをする(笑)

    流石です(笑)

  • 上野千鶴子「人はなぜ不倫をしないのか。私には信じられない」 性的自由を手放すなんて恐ろしい | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)(2020/7/9)
    https://president.jp/articles/-/36855

    不倫はなぜ後を絶たないのか 「それでも続けたい人」のための7か条: J-CAST トレンド【全文表示】(2017/8/21)
    https://www.j-cast.com/trend/2017/08/21306155.html?p=all

    書評『人はなぜ不倫をするのか』@関西ウーマン信子先生のおすすめの一冊 : 本日の中・東欧(2017/1/14)
    https://chekosan.exblog.jp/26556088/

    人はなぜ不倫をするのか | SBクリエイティブ
    https://www.sbcr.jp/product/4797388350/

  • アリの話がとても面白かった。
    こういう本を読むと価値観が広がる。

  • 結婚したからには不倫とは真剣に向き合ってくでしょ、なんか不倫に関する本って個人の感情論になりがちで重たくて読む気になれないんだけど、これは学問からの視点がしっかりしてて個人のお気持ちは感想レベルでライトだからするすると読めちゃって楽しかった。

    特に面白かったのは宗教の面から見る個人の在り方で、この肉体も心も自分のものではなく神のもの一みたいな考え方が海外にはあるらしく、あくまで罰するのは神の役割というの。
    でも、日本は宗教がないかわりに放課後の掃除とかにみられ、集団圧力的な善意があるからそのルールから脱した人間を大衆が徹底的に「叩いてもよい」みたいな風潮が出来上がっててその構造の違いがわかりやすくて面白かった。
    信仰してる宗教でこんなにも在り方変わるのかー。

    2人に1人が不倫してる中で、このバッシングアリみたいなのってなんだろ?
    叩きたいだけの欲求不満って結局不倫で解消みたいなのに繋がってんじゃない?とか思ったら完全予備軍だもんね。

    あと、昆虫・動物とかでは種の保存のために不倫はあるのかも的なニュアンスだったけど、遺伝子的に種の保存が目的だったら人間は婚姻制度の中で子供を作り育ててくのが合理的ってズパっと切っててうけた。
    確かに人間は成長までに時間もコストもかなりかかるし、あっちこっちなんて完全に成立してないもんね。
    なんか、あたかも本能なのでしょうがないです〜とか言ってしまうバブル引きずった時代の化石様たちにはこの理論で論破だね。

    あと性科学的に現在40代女性が不倫率ダントツナンパーワンみたいなデータに対して40代ってよりも今の40代の時代背景が関係あるだけで、今の若い子が40代になったらバンバン不倫するかって言ったらしないと思うみたいな考え方はハッとした。
    確かに、今の40代とこれからの40代はまったく別だよね、それぞれの時代背景があるしパートナーシップの在り方も変わってきてるし、不倫するのも自由だけど裁判も自由って感じで痛手が大きいのが当たり前になってきてる昨今の状況からすると、生まれた時から不景気で危機管理能力の高い今の若い子たちはしないかもねえ、コスパ悪いし。
    今のままの婚姻制度しかない状態が続くようならもっとライトに結婚離婚を繰り返すようになっていきそう。

    最終的に個人としては不倫はメンタルの病気だと思ってるので、正しいカウンセリングと法的処置がもっと気楽になるといいなぁて感じかな。

  • 様々な学者が男女の関係について語る一冊。

    帯表紙にあるように、どの学者も不倫というか1対多(多対多)の恋愛を否定してないのが印象的だった。

  • これはタイトルで避けると損する本ですよ。
    各章のタイトルは
    ・昆虫は不倫をするのか
    ・動物は(以下略)
    ・宗教
    ・遺伝子
    ・脳科学
    という感じで、論理的に不倫を論じている本です。めっちゃレア。
    作者の感想が差し込まれるスタイルも目新しいですね。

  • 2021 2-2
    色々な視点からの「人はなぜ不倫をするのか」

    「家庭には恋愛感情が不必要」
    「恋は大人を子どもにする」

  • 思索

  • <目次>

    はじめに
    第1章 ジェンダー研究から不倫を考える
    人はなぜ不倫をしないのか
    上野千鶴子(社会学者)
    第2章 昆虫学から不倫を考える
    昆虫は恋をするのか
    丸山宗利(昆虫学者)
    第3章 動物行動学から不倫を考える
    動物の浮気は倫理では語れない
    竹内久美子(動物行動学研究家)
    第4章 宗教学から不倫を考える
    宗教消滅で善悪の基準は変わるか
    島田裕巳(宗教学者)
    第5章 心理学から不倫を考える
    不倫は心を救うか
    福島哲夫(心理学者)
    第6章 性科学から不倫を考える
    人は一生、同じ相手とセックスし続けられるか?
    宋美玄(産婦人科医)
    第7章 行動遺伝学から不倫を考える
    恋愛は遺伝子に左右される
    山元大輔(理学博士)
    第8章 脳から不倫を考えるすべては「脳のバグ」である
    池谷裕二(脳研究者)
    終章 人はなぜ不倫をするのか


    2017.05.28 KKさんの本棚より

    あぁなんという・・・原始時代、ホモサピエンスは乱婚だったという。日本も江戸時代まではそうだった。特に江戸は、圧倒的に男性人口>女性人口だったため、1人の女性を複数の男性でシェアしていた、なんていう話も聞く。1人の男性が複数の女性にシェアされるのは、上流階級のみ。日本人が一夫一妻の倫理観を持つようになったのは、開国・明治維新によりキリスト教解禁になって移行。あぁ、生まれるなら、江戸時代に生まれたかった!

    しかし、乱婚説に否定論あり。
    http://rootport.hateblo.jp/entry/20110904/1315146873

    チンパンジーのアレは大きい。
    http://losk926.com/archives/2121921.html

    2020.07.10
    上野千鶴子「人はなぜ不倫をしないのか。私には信じられない」 性的自由を手放すなんて恐ろしい | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
    https://president.jp/articles/-/36855

    2020.09.13 読書が愛人会で紹介する。
    http://naokis.doorblog.jp/archives/dokushogaaijin_Sep2020.html

  • 他の方の本棚から見つけて、上野千鶴子氏の歯切れのいい文章を期待して読んだ。

    動物行動学、宗教学、心理学、生化学、行動遺伝学、脳科学の専門家がそれぞれの切り口で不倫を論じていて、見出しだけでも興味深い内容が並びどこから読んでも面白い。ナレーションのように亀山氏の感想や補足があるのがまたいい。

    女が女の不倫を叩く理由、結婚詐欺やプレゼントをする昆虫たち、女の浮気の確率はアラフォーで上がる、不倫を人が裁く時代、不倫をしやすい人とはどういう人か、人の性欲は性ホルモンに支配されない、人は大事なことは無意識のうちにやってしまう?、恋は脳のバグであるなど。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。明治大学文学部演劇学専攻卒業後、ライターとして活動をはじめる。女性の生き方を中心に、恋愛・結婚問題を中心に執筆している。著書『人はなぜ不倫をするのか』『夫の不倫がどうしても許せない女たち』『日本一赤ちゃんが産まれる病院』など多数

「2017年 『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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