名門校の「人生を学ぶ」授業 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797390353

作品紹介・あらすじ

●受験勉強だけでは東大に行けない?

名門校と呼ばれるほどの進学校ほど、実は受験勉強以外により大きな時間を割いています。しかも、それは流行りのプログラミング教育でも、ネイティブに迫る英語でもありません。「裁縫」や「なわとび」など、一見、大学受験には関係なさそうな授業なのです。
果たしてそれはなんのためにあるのか? 名門校が考える「どんな時代になっても生きていけるための力」の育て方を探ります。

●16校の授業を実況中継
本書でとりあげる学校は16校。実際に授業を聴講し、まとめました。

・65年以上の歴史がある「なわとび」検定・桐朋
・文庫本の朗読・東大寺学園
・大運動会で「個」を育てる・開成
・制約の中で「劇」をつくる・海城
・1人1つのバイオリン・芝
・リベラルアーツとしての「園芸」・鴎友
・「山」で学ぶ・早稲田本庄
・「聖書」と「礼拝」・女子学院
・毎日ラジオ体操・栄光
・岩を削り続ける・武蔵
・大菩薩峠越え・巣鴨

●500万ページビューを誇る超人気連載!

感想・レビュー・書評

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  • 図書館でたまたま手に取った本。

    能力ってテスト対策のための勉強だけじゃなくて、多様な経験からも人間力?的なものが身について、それが受験勉強も含めてあらゆる場面で役立つんだろうなと思った。
    高校生の時にこんな経験はできなかったけれど、多様な経験を通して人としての深みを出したい。

  • 豊島岡女子学園 運針
    運針で無心に。ここぞというときの集中力を養う。
    運針では毎回、最後には糸を抜きとってしまう。どんなに頑張っても形が残らない。形を残すことが目的ではない。本当に大切なものは、自分の中にしか残らない。

    栄光学園 半裸ラジオ体操
    人生において、何のためにこんなことをしているのか?と思うことは度々やってくる。本当に大事なことの意味は、大概あとになってからわかる。人生訓

    おわりに
    教科書は教材にすぎない。その他様々な視点からの教材を使うことで、自ら考える姿勢そのものを養う。批判されたゆとり教育も、そもそもは目先のテストの点数よりも、将来実社会で活躍するための実践的な学力を鍛えようという話だったはず。そのためには、あそびやムダも、大切な寄り道。
    人生が順風満帆なときにはさほど必要ないのかもしれないが、むしろ逆風が吹いたとき、あるいは先行きが見えない五里霧中の状態になったときこそ、役立つ教育といえよう。

  • 相変わらず、おおたとしまさ氏の本でした。良い意味で

  • 「意外でしょうが、進学校なのに、受験と関係ないこんな授業を、結構真剣にやっています」がコンセプト。しかし、進学校の生徒にいわゆるガリ勉タイプはそれほど多くないのは、結構世間で知られてる常識ではないだろうか。知的体力と知的好奇心が高い生徒たちは、どんな分野の活動からでも学ぶ術を持っている。決して受験に直結するか否かの価値観だけではないと思っているので、筆者が狙っていたかもしれない意外性から来るa-ha momentはなかったが、腑に落ちる深い言葉は随所に。

  • <目次>
    はじめに
    第1章  まるで幼児教室⁈な授業
    第2章  他者とかかわり自己を知る
    第3章  教科の枠を超えて学ぶ
    第4章  意味は後からわかる
    おわりに

    <内容>
    超有名私学の中高校でおこなわれている教科外の授業(といったほうがいいか)。それを各中高校一つずつ取り上げている。灘中高の数学的折り紙の授業、聖光学院中高校のレゴブロックを用いた数学の授業、何よりも面白かったのは奈良の東大寺学園中高校の「読書」の授業だ。教師の力量が問われる内容だが、年間で数冊の本を読みながら、どんどん教科の枠を超えて授業が展開する。
    著者が「おわりに」で書いていたが、教科書「を」教えるのではない。ここに載る私立校(複数)がある歴史教科書を採用していることが報道されると(報道自体がおそらく学校への批判だったと思われる)、多くの批判の手紙などが送られたそうだが、私立校は一切めげることがなかった。それは上記の、『教科書「を」教えるのではなく、教科書「で」教える』ことが徹底しているからだ。生徒もそれについてくるし、ちゃんと批判的精神も学んでいる。公立学校はとても弱腰で、すぐに世論に負ける(教委の言い訳がいつも哀しい)。でも、私もそうだが、教科書をそのまま教えているわけではない。何が載っていても載っていなくても、教えるのは「事実」。その解釈は多様なものだということを教えれば、あとは後々でも生徒が自ら考えていく。そこだろう!
    こうした私立校の教育はうらやましい(教える教師の力量には感嘆する)。

  • 名門校でおこなわれている型破りな授業の実況中継が16本

     灘の折り紙
     聖光学院のレゴブロック
     桐朋のなわとび

    受験とは直接関係なさそうな不思議な授業に込められた意図は「どんな時代になっても生きていけるための力」を教えること

     麻布の替え歌
     ・友学園の園芸
     女子学院の聖書

    《試されるのは保護者の覚悟である...すぐには効果が表れない教育の価値を、まずは大人が理解できるようになっておかなければならない。》

     筑駒の水田
     豊島岡の運針
     武蔵の岩削り

    東洋経済オンライン連載「名門校の不思議な授業」に加筆修正
    著者は斬新な視点による評論で知られる気鋭の教育ジャーナリスト

  • どの学校も試験内容同様,授業内容にもその学校の教育哲学が反映される.教員の情熱に恐れ入る.聖光のレゴは,そのアイデアが素晴らしい.

  • どんな時代になっても生きていける力
    生き抜くための足腰を鍛えるためには受験勉強だけでは足りないんです。

    本書では集団学習の大切さが書かれていたように思います。
    集団の中で個人がどう考えるか。
    個人の考えが集団の中で伝播するときに思考が飛躍的に進むスピードを感じれると思います。

    うちの娘は類塾の自考力を高めることの大切さを学びました。
    自考力が高まれば集団学習の中でも意見が出来て分からないことがみんなの思考に補われて解決に進むことを学んだようです。

    今は進学校に進んだので周りのレベルに気圧されてますが上手く自分の居場所を見つけているようです。
    さて息子はどうなるか今一番気になることです。

    私立進学校が集団学習の大切さを授業に取り入れてることからも公立校でも入れて欲しいなと思います。
    まあ天高も負けてないと思いますがd(^_^o)

  • 多根さんの本

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著者プロフィール

おおたとしまさ:教育ジャーナリスト。1973年東京生まれ。リクルートで雑誌編集に携わり、2005年に独立後、数々の育児・教育誌のデスク・監修・企画・編集を務め、現在は教育に関する書籍執筆および新聞・雑誌・webメディアへの寄稿を行う。テレビ・ラジオなどへの出演や講演も多数。心理カウンセラーとしての活動経験、中高の教員免許、私立小学校での教員経験もある。著書は『ルポ名門校』(ちくま新書)、『勇者たちの中学受験』(大和書房)、『不登校でも学べる』(集英社新書)など80冊以上。オフィシャルサイト:http://toshimasaota.jp


「2024年 『学校に染まるな!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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