「他人」の壁 唯脳論×仏教心理学が教える「気づき」の本質 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797390575

作品紹介・あらすじ

●「話せばわかる」は、やはり大ウソ!
「自分」と「自分以外の存在」を正しく認識できれば
世間や物事の見方は180度変わりだす!


なぜ、相手は自分をなかなか理解してくれないと思ってしまうのか?
なぜ、いつもあの人には話が通じないと思ってしまうのか?
なぜ、悩みや不安はいつまでたっても消えないのか?
なぜ、都合の悪いことは無意識でシャットアウトしてしまうのか?
なぜ、「本当の自分」があると思い込んでしまうのか……

「自分」にとらわれることで他人や環境を正しく理解できず、
かえって自分の認識をも妨げ、
物事の本質の理解から遠のいているのが根底にあるのである。
いわば理解の「壁」が存在し邪魔しているのである。

かつて『バカの壁』(400万部)で一世を風靡した脳科学者の養老孟司氏と、
心理学の専門家でありタレントとしても注目されている名越康文氏が、
人生、脳、仕事、世間、老若男女、死、宗教、AI、脱グローバリズムなどのテーマから
「自分」を超え、相手や周囲に「気づく」ことで物事の本質を極め
読者の方が思考の新たな次元が見えてくるようになるユニークな対談本。

感想・レビュー・書評

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  • 脳や心理に長けた人気者のおふたりが口を揃えて言う。

    「他人なんて分からないもの。無理に分かろうとしないで、ただ、ぶつからなければいい」

    大変参考になりました。
    養老さんが好き放題言って、名越さんが上手に回収するという感じの対談集でした。
    後半は仏教よりのお話が多かったです。
    「自分の中で芽生えた違和を無理矢理にそういうもんだ、と納得させるのではなく、違和感を持ったまま人生を過ごしていく」というのは難しいけどやっていこう、と思いました。

  • 著者は、「人は話せばわかり合える」なん大嘘だよーと考察しています。
    通じないのが前提として生活しましょー❕という考えには、とても納得できました。
    ぜひぜひ読んでみてください。

  •  情報は死んだ(固定した)もの。そして人は、生きている。その違いを認識しておくべきなんだろうな。でも人は人に対してすら、情報を求めがち。なぜかって、その方が楽だから。

     人間なんてそうそう変わるもんじゃない、というのもひとつの真理なんだろうけどさ。でも、生きている以上、実はいっしょじゃないよ、という面も気づいていかないとね。

    「納得せず疑問を持ち続けることが大切」「実際にどう当意即妙に対処するかというのは、その人の知識の量ではなくて、人としての厚みのようなものに表れます」など、響くことばがいくつもあった。

    今の世界の見方というか進み方について、グローバリズムという言い方がある。それに対して、市場は間違えないみたいなノリで、グローバリズムは正しいとか、反対にグローバリズムは悪だなんて見方もあるけどさ。養老氏や名越氏がいうのは、グローバリズム一辺倒で来すぎたものだからフラストレーションがたまるんだ、ときに一般則から離れることも必要。でも、あんまりローカルばっかりだと全体が壊れてしまう、という悪くいえばどっちつかずの言葉を出す。でも大枠で正しいことって、案外どっちつかず、っていうかスパっとわりきれるものではないのかもしれない。だからこその、納得せずに疑問を持ち続けることが大事、になるのだろう。

  • 養老先生と名越先生の対談となったら即購入。
    やはり生きるのを楽にしてくれる。
    人のことを分かろうとしていたことがバカらしくなってくる。
    グローバリゼーションを推し進めることが原理主義になってしまう危険性には注意しておきたい。
    名誉や報酬を欲していいと分かったときは気持ちが軽くなる。
    何事にもとらわれなければ問題はない。
    山へ行ってリフレッシュしてこよう。
    違和感を抱えながら自分の頭で考えて生きたい。

  • 帯表
    唯脳論×仏教心理学が教える
    「理解」の本質に気づくヒント
    帯裏
    見えない「壁」に気づくと世の中が見えてくる!
    序章  「他人」をわかりたがる現代人
    第1章 「わかる」の前に立ちはだかる他人の壁
    第2章 誤解を無理に解く必要なない
    第3章 「意識化」と「脳化」がもたらした弊害
    第4章 無理解の壁に向き合える「場」の力
    第5章 世界を席巻するグローバリズムの「壁」
    第6章 判断を鈍らせているのは自分自身
    終章  「違和感」を持つことで主体的に生きる

  • 養老孟司さん、名越康文さんの対談集『他人の壁』

    「他人」をわかりたがる現代人。前提が違うのだからわからないのに、通じるはずだという思い込みがストレスになっている。というところから話が展開。

    なるほどと思いながらも、お二人のような達観した境地に至るのはまだまだ程遠いかなと。

  • 題名は「他人の壁」ですが精神科医の名越先生と養老先生が日本社会から家族から夫婦からSNSから子育から動物から国際問題など幅広く対談されています。養老先生が大学生に「お迎えが来ましたよ」と言われサラッと流した場面は爆笑しました。下手なビジネス書を読むより楽しい対談でした。

  • 最近、相手が分からない、そもそも自分は何なのか、今何をしたいのか、どんな気持ちなのかもよくわからなくて悩んでいたのですが、
    『人はそうやって育っていくんです。だからおもしろいんだよ。僕はよく言うんだけど、人生にはわからないことが山のようにある。そのうえで辛抱強く努力を続ける根性が必要なんです。』
    という言葉を読んで、はっとなりました。
    色んな固定概念とか他人の価値観がすぐ見れちゃう中で、自分の人生についてもっと自由に悩みも含めて楽しめるようになりたいです。

  • 養老節はやはりいいです

  • 久しぶりの対談本。
    こういう本は単純に1冊で2人の意見が聞けるから面白い。
    あの人はいつも話が通じない。
    自分がなかなか理解されない。
    現代人はわかりたがろうとする。
    議論して通じるはずと思い込んでいる。
    前に読んだ友達幻想に似ているなと思いました。
    なんでも意味で満たすところがありますよね。
    最近家にテレビはないんですが、たまにどっか行った時についてるテレビからのニュースやワイドショーを見ていると感じるところはあります。
    トランプがまたこんなことを言っている。
    じゃあそもそもトランプがなんで大統領に選ばれたんだとか、選ばれたってことは今世の中の人はどういう考え方の人が多くて、何を求めようとしてるのかとか。
    根源に持っておかないといけないのは疑問だと思いました。
    「意味」とか「結果」ではなく「疑問」とか「違和感」を持つこと。
    誰かと会話する時もその人に直接言わないにしてもそういうもんだと片付けるより疑問や違和感を持って考えれば人生という長いスケールで考えれば大きく変わってくるでしょうしね。

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著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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