海からきたチフス (新風舎文庫 は 105)

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  • 新風舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797491951

感想・レビュー・書評

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  • (あらすじ)
     生物学一家である木谷一家は、毎年8月に大島の別荘で過ごしている。
     今年も親戚のとも子を伴ってやって来た。
     しかし今年はいつもと様子が違う。
     海辺からは魚や貝が消え、その代わりに、白いぶよぶよした塊が大量発生していた。
     ケンの兄による徹夜の分析により、その塊は生物学的な新発見だと判明。
     そうこうしているうちに、島では謎の病気が流行し、島は封鎖された。
     その後も食糧が消えたり、銀行から金が盗まれたりと不思議な事件が続く。
     さらに、斎藤さんやとも子も病気にかかる。
     木谷一家は科学の知識を武器に、この謎の解明に取り掛かる!

    (感想)
     少し日常性を離れた非日常を描いていて、『ウルトラQ』や『怪奇大作戦』などを思わせます。
     内容も、生物学や分子生物学の知見が反映されていて、少年少女向けの良質な“サイエンス・フィクション”となっています。
     一つ一つの謎を研究し、その解明がつながっていって結論を導き出す過程は、ミステリー小説のようであります。
    それは科学研究の過程をなぞったものでもあるのですね。
     物語の内容は、執筆当時、すごい勢いで発展していた分子生物学をテーマにした、少年少女向けの良質なサイエンス・フィクションです。
     科学の骨格は基本的なもので、今でも通用するものです。
     現代の中学生や高校生が読んでも違和感ない、夢中になれる物語だと思います。 


     映像化しても面白い作品だと思います。
     畑正憲さんの小説デビュー作として本作品が出版されたのが1969年。
     今年・2014年は45年目になります。
     畑正憲小説デビュー45周年記念として、TVドラマ化しても面白いのではないでしょうか?
     今年が無理なら50周年記念にでも。いや、半端な数字でもいいじゃありませんか。
     しかるべき立場の皆様、一度企画検討よろしくお願いします。
      http://sfclub.sakura.ne.jp/21csf05.htm
      http://sfkid.seesaa.net/article/402352050.html

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著者プロフィール

1935年、福岡県生まれ。「ムツゴロウさん」の愛称で親しまれる。その純真無垢にして豊かな感性での動物・自然とのかかわりは大きな支持を得ている。1968年、「われら動物みな兄弟」で、日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。1977年、環境の文学で菊池寛賞受賞。2008年、『ムツゴロウの東京物語』(柏艪舎)を出版。

「2009年 『ムツゴロウのニッポン物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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