どうしようもないのに、好き イタリア、15の恋愛物語

著者 :
  • 集英社インターナショナル
3.39
  • (3)
  • (7)
  • (10)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 98
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797672787

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 15の短編集。作中にも出てくるように、シャンパンのような小説達だった。「飲んでしまえば、それでおしまい。記憶に残るのは、ふわりとした酔い心地だけである」
    が、個々のテイストがとても好みだった。空想とまで行かないが、現実離れした登場人物達。その人達が織り成す物語は、やっぱりどこかほろ酔い加減だ。
    最終的に離婚もしくは破滅を示唆する話が大半を占めるものの、何故か読後感がいい。幸せの欠片だけが、手元に残るようなそんな感覚。

    どれも良かったものの、特に良かったのは「4 目は口ほどに」。
    妻子も友人の目も見ず、ひたすらに医学書の目だけを見つめつづけた眼科医の物語だ。

    「人の目の奥までを、見抜くことを疎んじて、自分一人の世界に籠ったのである 」
    「不思議な家には無数の生きた眼差しがあちこちに潜んでいる。
    そして医師は、そのどの目も見ようとはしていないのだった。寂しくて、怖くて、見つめ返すことができないのかもしれなかった」

  • ここ5年あたりでめぐりあった中で一番というよりも、読む機会を逸しなくて良かったと思っている内田洋子、本作はイタリアの恋愛にフォーカスした連載集。

    すごいとしか形容する表現できないのがもどかしい。☆3つ評価なのは著者の他作品比較という観点から。

著者プロフィール

ジャーナリスト

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

内田洋子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×