驚くべき日本美術 (知のトレッキング叢書)

  • 集英社インターナショナル
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797672879

作品紹介・あらすじ

「美しい畸形」VS「鎖国派」の歴史が日本美術を作った。歴史・文化・地域を横断して日本美術を論じることのできる山下流の独断と偏見と愛に満ちた日本美術論を愛弟子・橋本麻里が徹底的に聞く。

感想・レビュー・書評

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  • <目次>
    第1章  日本美術を「見る」ということ
    第2章  日本美術との出会い方

    <内容>
    美術史家、山下裕二から美術ライターへの橋本麻里のインタビュー集。雪舟を専門に研究していた山下氏が、ひとさまの解釈(簡単に言えば「権威」)に寄り添って作品を見るのではなく、虚心坦懐に美術作品と向き合え、と言う。赤瀬川原平との出会い、長谷川等伯・伊藤若冲・雪村・白隠から会田誠・岡本太郎などまで。そしてこのインタビュー集は、山下氏の自伝となっている。へらへらしていそうで、雪舟の線が見えてしまう、そこまで画と向き合ってきての発言は、しっかりと重い。

  •  もっと早くにこの本(山下祐一氏)に出合っていたら、日本美術にとどまらず、美術全般への心構えが違っていたのではと思う。

  • 17/05/13。

  • 日本画にもいろいろあるんだなあということと、審美眼というのは基本的には生まれつきのもんなのかねえという二つの感想。
    著者は知識不要論っぽいことを言っているけど、著者の言葉一つ知ることで絵の見方ががらっと変わってくるので、やっぱ(少なくとも生まれつきの審美眼を持っていない人間には)絵を見る際の知識ってのは大切なんじゃないかなあと思う。

  • 1958年生まれの山下裕二氏、
    東大文学部美術史学科、同大学院卒。
    専門の室町時代の水墨画にとどまらず
    縄文から現代美術まで、作品の発掘、普及に努めている。

    彼が発掘しプッシュし、広く広めた作家群。
    このところ私が気になっていた作家は、この人の啓蒙作戦の
    術中にしっかりはまった格好だ。

    美術作品は、解説文などから読んではダメ!
    まずは、知識のない心で感じるのがベスト。
    5分見て、ダメなものはダメ。
    そのくらいでいい、、、、とおっしゃる。

    来る日も来る日も、作品を食い入るように見た
    その目の記憶が、片隅を見ただけで
    誰の筆致かわかるという。
    作家はその人にしか無い『整理的曲線』を持っていて、
    その生理的曲線は、作品に現れ存在しないことがない。
    文字の筆跡と同様というと、わかりやすいか。
    商品として膨大な数が海外に流れてしまった
    明治から大正の美術品。
    今では再現も不可能なほどの圧倒的な技術と美!

    もっともっと、知らなければならない。
    いや、知らねば、もったいないのだ!知らねば、もったいないのだ!
    http://www.meijigakuin.ac.jp/~art/prof/yamashita/

  • ジャケ買いみたいな感じで、表紙に惹かれて手に取った。

    本書にも書いてあるが、実物を見ないとわからないことは多い。美術館に足を運ぶためのモチベーションアップには良いのかも。

  • 本物を直接みる、感じる大切さ。
    日本美術は筆の線によってできている。
    肉筆。
    まさに肉の筆。
    歌舞伎の隈取りなんかもきっと関係があるのだな、って思う。

  • 2015/10/29

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著者プロフィール

美術史家、明治学院大学文学部芸術学科教授。1958年、広島県生まれ。東京大学大学院修了。室町時代の水墨画の研究を起点に、縄文から現代まで幅広く日本美術を研究している。著書に『日本美術の底力 「縄文×弥生」で解き明かす』(NHK出版)、『未来の国宝・MY国宝』(小学館)、『日本美術の二〇世紀』(晶文社)、共著に『驚くべき日本美術』(集英社インターナショナル)、『日本美術応援団』(筑摩書房)ほか多数。

「2022年 『伊藤若冲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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