日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

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著者 : 矢部宏治
  • 集英社インターナショナル (2014年10月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797672893

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのかの感想・レビュー・書評

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  • いや実に読みやすくて分かりやすい内容/文章です。

    法律関連のお話が割りと沢山出てくるのですが、著者の巧みな文章、というか会話調ですね、この会話調が読んでいて実に心地よいです。

    この本を紹介してくれた有名ミュージシャンの佐久間順平さんがおっしゃってました。「なんだそういうことだったのか!と目からうろこが何枚も落ちる本です」

    その通りです。

    わたしの読書感想文はいつもの様に本の内容には触れませんが、今後たくさんの政治的経済的国際的事象を考える際に、この本で読んだ知識?をベースに考えを巡らせて行くことになりそうです。

    そのことは今までの自分なりの考へを170度くらいはひっくり返す事になるので、どうやらこの先がかなり楽しみです。うひひ。順平さんありがとう!

  • この本は、一度は読んでおく価値があると思います。

    現在の安倍総理は改憲を望んでいます。
    あくまでも日本が戦争を主体的に行うという意味ではなく、国際貢献の義務(集団的自衛権)を果たす事が目的であり、それには現行の憲法では不都合がある、という説明かと思います。

    「なぜ、法令整備や日米安保条約の改正をすっ飛ばして、国家権力の砦となる憲法での制限解除が必要なのか?」
    「なぜ、国際連盟配下の「国連軍への貢献」ではなく、「集団的自衛権の行使」が必要なのか?」
    「なぜ、GHQは9条を認めていたのに、「アメリカの軍事力(基地)」が日本に存在するのか?」
    「なぜ、独立国家である日本が他国であるアメリカに「新たに国土を明け渡して」軍事基地を提供しなくてはならないのか?」

    このような今までは我々が(積極的には)触れてこなかった不合理に対し、公開されている公文書の事実で謎を解き明かしていくので、その語り口はやや扇動的ではありましたが、説得力があるものでした。
    多くの方に手に取ってもらい、今後の改憲の議論を、ただTVの中で流れているものを眺めるのではなく、自身で一度考えてみる材料にして欲しいと思いました。

  • 『戦後史の正体』『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」
    『検証・法治国家崩壊』』の、創元社の「<戦後再発見>双書」を
    手掛けた編集者が本書の著者である。

    第一弾だった『戦後史の正体』はがっかりだったが、あとの2冊は
    非常に興味深く読んだし、勉強にもなった。

    なので、本書にも期待した。だって、タイトルに「基地」と「原発」が
    入っているのだもの。私の期待はいい方に裏切られた。

    現政権が在日米軍基地と原子力発電所をどう考えているのかの
    分析かと思ったのだ。そうではなかった。これは日本国憲法の
    成り立ちと、その問題点を戦後70年の経緯から解説・分析した
    書だった。

    『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』を読んでいたので、
    在日米軍基地の問題は割に分かりやすかった。それにしてもだ。
    アメリカ国内では住民の生活環境や自然環境に配慮して、低空
    飛行訓練が禁止されている地域があるって言うのに、日本国内は
    どこでもOKってなんだよ。

    あ、一部、禁止区域があったわ。沖縄の在日米軍の住宅地上空。
    お~いっ、日本人の住宅上空なら墜落の危険性は無視していい
    のかよっ。

    建前上、日本にアメリカ軍が駐留しているのは東アジアの平和と
    秩序維持の為…なんだが、実は日本がまかり間違って再武装した
    時の抑止力でもあるって話に目からうろこが落ちる思いだったわ。
    危うくコンタクトレンズを落とすくらいに。

    万が一、日本がアメリカに刃向ったらひとたまりもなく制圧される
    のだろうな。常に共同訓練をやっている自衛隊の能力だって全部
    把握しているんだろうし。

    そして、もうひとつの驚愕の事実。国連憲章では日本は未だに
    「敵国」であるということ。この「敵国」にはドイツも含まれていたの
    だが、英米の影響を受けることの少ないフランスの法学者の説
    だと、既にドイツは「敵国」から除外されているそうだ。

    それは、先の大戦後に日本とドイツが自国の犯した過ちにどのよう
    に対処して来たかの違いだそうだ。

    ホロコーストの碑の前で跪いた首相がいたドイツ。歴史と向き合う
    ことを説いた大統領のいたドイツ。では、我が日本は…ってこと
    なんだなぁ。

    もうひとつおまけ。実はアメリカは日本からの完全撤退を考えていた
    ということ。発案はアメリカ国務省。でも、軍部に押し切られちゃった。
    あれ?湾岸戦争もイラク戦争も国務省vs国防総省だったよな。

    アメリカ内部も先の大戦後から国内の対立構造が変わってないのか。

    民主党の鳩山政権を持ち上げている部分は気に入らないが、全体と
    してよくまとまっている。あとはタイトルに「原発」と入っているのだから、
    もう少し原発関連の記述があってもよかったんじゃないかな。

    自民党が憲法改正案なんてのを作っていたな。権力者がこんなもんを
    考えること自体おかしいじゃないか・・・と感じた人なら読んで欲しい。

  • 日本はなぜ基地と原発を止められないのか 矢部宏治 集英社

    素晴らしい読みがいのある本である
編集者が研究者となって書いた本
    内容も深いし論文に近いが読みやすい
    311の福島原発事故以来大きな疑問に目覚めた日本人
    矢部さんは沖縄問題から地位協定を本格的に調べだし
    2011年の地震と原発事件で日米合同委員会の存在にのめり込んで行く
    明治維新と名付けられた前後の時代から紐解き始め
    戦後の不平等条約に引き続き平和憲法問題へと研究が深まっていく

    2006年アメリカでの公文書開示によって明らかになった
    形式だけの独立に伴う安保条約の日本国民に対する嘘と秘密が表面化した
    そこには砂川裁判が日本政府・検察・最高裁などの全ての官僚組織が
    アメリカ軍の方針のもとに働くという
    日本の憲法をも凌ぐ権利を与えている日米合同委員会の支配状況を
    この本が暴き出している

    ここで統治行為論と言う筋の通らない支配的で依存搾取的な話が
    民主主義を掲げる社会でまかり通っている現実
    アメリカでもフランスでもありえない現実
    国連における敵国条項も戦勝国の五カ国のみが持つ決定権も
    国連が掲げている趣旨と真っ向から対立している事実を無視したままである
    そのくせ国連の経費を賄う最大の国はニホンである

    日本は未だに占領当時の実態のままで米に対する国境もなく治外法権であり
    基地を通して出入り自由である上に
    日本の上空に対する航空権のほとんどを握ったままである
    現状では独立国であるための領土も主権もないし国民という範疇も曖昧である

    原子力村と呼ばれる日米原子力協定しかり
    安保村となる日米安全保障条約しかり
    全てはアメリカ政府を抜きにした日米合同委員会というアメリカ軍が
    全て英語による会議と文書によって日本の官僚を支配することで政府を骨抜きにし
    国民を蚊帳の外に囲い込んでいるという仕組がバレてきたわけだ

    国土の一部でも占拠されている状況下で憲法を変更してはならない
    国際的には《占領者は占領地の現行法律を尊重》というハーグ陸戦条約がある
    がニホンにおけるアメリカ軍は日本人が望んでいるという理由でこれに違反している

    現状のニホンでは憲法を人権保護から人権放棄へと後退させたい勢力と
    それはならじと現状維持をとなえる二派しかおらず
    更に良い憲法を目指そうとする派がいないのが問題なのだけれど
    実質占領状態なのだから現状維持しか選択しがないのである

    民主主義世界のリーダーから基地帝国へと変貌したアメリカ
    皮肉なことに70年前に自ら提唱して国連理念を今や自ら破壊している
    最大の原因は国連憲章への集団的自衛権の追加にある
これは事実上の侵略行為となる

    ニホンが主権の制限に同意した上で時刻の法の一部として取り入れる必要があったのは
    アメリカとの軍事協定でなく国連憲章における国際法の原則にするべきだった

  • 米国の許可を貰わないと何もできないという事実は承知しているつもりだったが、その現実を改めて見つめさせられ、言いようのない虚脱感を覚えた。

  • ★★この手の分野の知識が薄いので、一歩間違えば陰謀論に堕ちてしまうような話の正否の判断は全くつかない。それでも裁判所が何も決められない仕組みの裏側に憲法があるという指摘は新鮮だった。だからと言って、安倍政権の憲法改正で良いわけではないだろうが。
    国際連合と訳しているunited nationsは、第二次大戦中は連合国を指していた、つまりは戦時中の体制を引きずっているという内容も情けないが驚きだった。だから米軍の沖縄の基地は日本に対しても向けられていると。

  • これは日本人として是非読んでおきたい1冊。
    砂川判決以来、憲法を含む日本の国内法の上に、安保中心のアメリカ条約群が体系としてあることから、ここを変えないことには、米軍基地、原発問題はどうしようもないことがわかる。
    憲法を変えること(自主制定)が必要だが、そのメインとなる自民党が憲法の意味を理解せずに案を出していることのズッコケ感が…。
    そして、未だ国連の敵国条項に該当しており、同条件だったドイツとの国際的な立場の差と近隣諸国と友好な関係を未だ作れていない課題が浮き彫りになっている。
    北朝鮮情勢が緊迫しているため、在日米軍のありがたみが強く日本人に印象づけられるため、まず手をつけなくてはならない真の独立国へのアプローチがますます遠くなっていくのが実感させられる…。

  • 米軍の理不尽な支配と何故か追従する日本政府の対応が不思議でもっと日本が良くならないのかと思う。

  • 原発より基地、戦後処理、憲法がメイン。
    著者のリベラル派での憲法改正、軍事外交に賛同する、しないは分かれるとは思いますが
    米軍駐留に至る戦後処理、安保、国連、憲法、天皇について書かれた内容は思ったより骨太で興味深く、これが評価されてるのかな、面白かったです。


    PART1 沖縄の謎――基地と憲法
    PART2 福島の謎――日本はなぜ、原発を止められないのか
    PART3 安保村の謎(1)――昭和天皇と日本国憲法
    PART4 安保村の謎(2)――国連憲章と第2次大戦後の世界
    PART5 最後の謎――自発的隷従とその歴史的起源

    矢部さんが日米合同委員会について語る↓
    https://youtu.be/Ys7A40UAqaw

  • なぜ日本に米軍基地があるのか?なぜ日本は原発を止められないのか?この本は公開情報を基に謎に踏み込む。砂川裁判最高裁判決。憲法よりも日米条約が上位。官僚たちが忠誠を誓う安保法体系と密約と日米合同委員会。日米地位協定。原子力基本法により憲法判断が不能になり、日米原子力協定で米国の承認なしに脱原発は不能になった。原子力村・安保村。天皇の人間宣言、日本国憲法はGHQ主導で作られた。日米安保は日本の安全のためではなく日本という地域の安全のため。米国の仮想敵国には日本も含まれる。

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日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのかの作品紹介

戦後70年経つのに、なぜ米軍基地が日本中を支配しているのか。未曾有の大事故を起こした原発を、なぜ止められないのか。米国公文書の資料などの実証をもとに、戦後日本の「謎」を解きあかす。

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