みんなが聞きたい 安倍総理への質問

著者 :
  • 集英社インターナショナル
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797673135

作品紹介・あらすじ

先の安保特別委員会で山本議員が総理以下各大臣に迫った全質疑に詳細な注を加え、さらに側近と本人への新規取材を収録。率直で真っ当、ぶれない政治家としての姿勢と戦略、情熱の全て。(解説・小林節)

感想・レビュー・書評

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  • 少ない時間での質問のチャンス。山本太郎議員はこれに周到な準備で資料をあたり、裏取りをし、総理や閣僚から狙いの言質を得るべく、綿密にシナリオを練って臨む。しかも、たまたまTV中継を見た政治にあまり詳しくない人にも分かり易い様な表現を心がけている。

    当時、審議の中継を見たり、国会に傍聴に行ってみたりもしたが、山本太郎議員が質問に立つと、議場の空気が明らかにピリリと変わる。本書に収録されている議事録を読むと、2015年夏の当時の空気を臨場感をもって思い出すことが出来た。

    大人の理由か何か知らないが、多くの政治家があえて触れない米国や多国籍企業による隠然たる日本支配、米軍による戦争犯罪という部分に、直球で切り込む山本議員の質問に対し、総理も閣僚も官僚が用意した紋切り型の逃げ口上を壊れたレコードの様に棒読みを繰り返し、正面から答えずに逃げまくり、山本議員の持ち時間がなくなるのをひたすら待っているケースが多かった。

    理論で勝てないから、与党側は最終的には人間カマクラで議長席を取り囲んで防御しながら、「指揮者」の合図で議長の声も聞えない状況のまま起立・着席を繰り返すという茶番で、議事録も「議場騒然につき聴取不能」のまま無理やり可決させた安保法制。
    これをめぐる2015年の夏の記録と舞台裏に迫った本書。

    様々な資料・公文書を使いこなしながら、見事に切り込んで見せた山本議員の質問で、総理や閣僚のこね上げたマヤカシがガラガラと崩れ落ちていく様子がはっきりと本書収録の議事録には捉えられています。

  • 山本太郎さんの質問は、シンプルで真っ当だ。
    本書は是非、当日の衆議院審議中継を聞きながら読むことをお勧めしたい。言葉を選び考え抜かれた質問は、私たちにも「一緒に考えよう」と強く訴えてくる。
    あの時国会の中で何があったのか、ニュースを見ているだけでは分からない。
    太郎さんの真面目さと覚悟がずしんと伝わってきた。誠実で、いつの間にか周りを巻き込むパワー、今後も注目し応援したいと思う。

  • 山本太郎って自己顕示欲の強いアホぐらいに思ってたんだけど、これを読んでアホだったのはなんとなくなイメージで人を判断していた自分だと思い知った。山本太郎、彼の質問は本質を突いてるし、相手の答えを計算してと思われるさらなる突っ込みが賢い。焼香パフォーマンスなど彼の全てを肯定的に捉えているわけではないが、1人の政治家としての彼の今後に期待したい。

  • 2015年9月の安全保障関連法案(戦争法案)に対する山本太郎議員の国会質疑を文章に書き起こしたもの。今、改めてこれを読むと、山本議員の質問は論理的で一貫性があり的を得た質問であることがよく分かる。

  • 期待しなかったが読んでみるとおもしろい。2015年8月〜9月にかけての参議院での質問だ。リアルタイムでテレビで見ていたのを思い出した。質問の内容や主張にはなるほどというのもあるので、今後は期待したい。

  • 討論の内容自体は面白く感じるが、
    もう少し質問の核がわかる編集だと良かったかな?と感じた。
    山本氏には、政府の悪いところを出していくのも大事だが、
    奨学金制度の討論の時のような、ポジティブな議論もたくさんお願いしたい。
    自分がいろいろ知らない、勉強不足だと感じることも多かったので、ちゃんと調べよう。

  • 安保法案で国会が揺れた時、山本太郎と安倍総理のやりとりがYou Tubeで話題になりましたが、数回にわたるこのやりとりを、発言そのままにまとめられたもの。この時掲示された資料も添付されています。もちろん、動画を見る方が臨場感あふれて面白いのですが、文字で起こすことで何が言いたかったのか分かりやすい面があります。また最後の数十ページは彼をサポートする著名人による評価や彼の行動の背景などが解説されていて、ここだけ読んでも面白いと思います。まあ、彼を批判的にみるのであれば何を言っても面白くないでしょうけど・・・

    個人的には芸能人だから当選したのかなと最初は思っていましたが、当選した要因がたとえ認知度があったからだったとしても、その後の彼の行動に対する評価は芸人としての山本太郎ではなく、政治家として山本太郎の評価だと思います。目立ちたがり屋、無知、いろんなこと言われていますが、一方で愚直で素直、無知であることを自覚しているが故に非常に勉強家であるという評価もある。

    国会中継では、テレビで放映される時間に合わせて、最も知りたい、聞きたいであろう質問をぶつけるようにしているとのこと。政治を見てもらうためだという。アドリブで率直な質問をするので、質問内容を書いた紙をのぞき見する官僚も現れ始めたのでダミーの内容を混ぜたり、詳細な紙を用意するのをやめたりと、質疑前から攻防は始っているというくだりの話は面白い。他の政治家が同じタイトルで同じような内容の本を出しても売れないだろうし、評価どころか批判もないだろう。

  • 「みんなが聞きたい」というよりは「みんなが知らない」ことを総理に質問している本 そしてその質問に総理はじめ関係者はほとんど答えず逃げている、というのが分かる本

  • どのように質問がなされ、どのような回答が総理から返ってきているかがよく分かる。

  • 山本太郎。
    すごい政治家だ。
    自分も行動しよう。

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著者プロフィール

山本太郎(やまもと たろう)
総務局総務部副参事兼総務課歴史資料整備室長。
主な論著に『近世幕府領支配と地域社会構造―備中国倉敷代官役所管下幕府領の研究―』(清文堂)、「江戸時代の大原家」『大原孫三郎・總一郎研究』創刊号、「幕府領陣屋元村の掛屋と陣屋・地域社会─備中国窪屋郡倉敷村を事例として─」(『ヒストリア』第247 号)など。

「2022年 『絵図で歩く倉敷コンパクト版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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