最も危険なアメリカ映画 『國民の創生』から『バック・トゥ・ザ・フューチャー』まで
- 集英社インターナショナル (2016年10月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797673340
感想・レビュー・書評
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最初は面白く、ぐんぐん読んでいたが後半ダレテきた。著者、内容というより題材の時代背景を知らないのでのめり込めなかったのかもしれない。しかし映像、メディアの恐ろしさを再度認識した。『バック トゥー ザ フューチャー』『フォレスト ガンプ』の解析には驚き! 「フォレスト ガンプ』を見た時の違和感の原因がわかったように思う。 紹介されている映画を観る機会がないのが残念! 【軍産共同体】は、いまだに続いている…。
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思ってもみなかったビジョンを捻り出し提示するその視座には驚かされるばかりだ。
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アメリカという国は黎明期から深刻な問題を抱えているけれど、戦争はもちろんカルチャー面でも激動の歴史の連続だったのだなと知った。
映画を手掛かりにアメリカ史が簡潔に書かれているのでわかりやすい。
撮り手が語っているのを抜き出しての町山氏の考察も、こんな見方もあるんだなと新しい発見だった。 -
アメリカ映画の古典的名作といわれている作品から、歴史的背景を読み取り社会にどのような影響を与え合ったのかを考察した一冊。
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アメリカ社会の差別の闇も深いという事を改めて感じる。映画が、その後の社会やまた新たな映画への影響を与えてること、そのエッセンスが入っていることなどは、この本を、読まなければけっしてわからなかった裏話も多かった。
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アメリカの50~70年代のことがわかった。
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様々な映画を引き合いに、差別と隠蔽に満ちたアメリカ史をさくっと解説する。
「国民の創生」のような事実の塗替えによる隠蔽もあれば、告発もある。
人種のサラダボールに保革、階層間の政治的な思惑が裏で揺らめく複雑な国アメリカへようこそ -
きわめて若いメディアである「映画」は、第八芸術と呼ばれている。20世紀初頭から現代に至る米映画の歩みを振り返れば、期せずしてアメリカ精神史が見えてくる。
明るく軽い映画が主流の米映画界にあって、伏流水のように暗く重い映画が製作され続けていた。
教科書的名作「國民の創生」から最近作「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に至るまで、町山智浩はその暗黒面を剔抉してゆく。
判りやすい毒々映画より、いっけん目や耳に優しい娯楽大作の中に潜ませた「毒」の方が罪は重い。その点を思い知らされた。 -
ルポ トランプ王国――もう一つのアメリカを行く (岩波新書)を読んだばかりであり、映画の世界にも、いろいろな思い入れのもとに、熱狂的な支持を得た映画にも、直視できない問題をかかえていることがあるなあと思いました。
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アメリカ在住の映画評論家である町山智弘氏。
様々なメディアで拝見・拝聴する町山氏の映画評論は、映画そのもののみならず、映画の背景や歴史、製作現場やスタッフ・キャストの裏話、また、特にアメリカ文化の深堀りなども絡めながら、とても分かりやすく、生き生きと、そして時に生々しくもあり、映画好きの私としては、いつも楽しく味わい、そして学ばせていただいています。
そんな町山氏ならではの本書。
アメリカの政治・経済・文化とその歴史を背景とした、「最も危険なアメリカ映画」たちが紹介されています。
そして、取り上げられているテーマは、もちろん、同国の暗い、負の側面。
かつて『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を何十回と鑑賞しまくってきた私。
もちろん、本書で取り上げられているような背景や解釈など全く知らず、純粋なエンタメ作品としてたいへんお気に入りの作品でした。
が、本書に触れると、これまでのような観方はできなくなってしまうように思います。
それだけインパクトの強い本書。
本書における各章のメインに取り上げられている映画はあまり馴染みのないタイトルばかりでしたが、それも、本書で取り上げられている歴史・背景等から、さもありなん、と納得するところでもあります。
「アメリカ映画」と言えば、壮大なスケールで、華やかで、煌びやかな、いわゆる「ハリウッド映画」的なものを思い浮かべてしまいがち。
しかしながら、歴史や背景を知ることで観方が180度変わってしまう。
また、時代や距離がそれなりに離れてしまった我々までには届かない作品も多く存在していること。
いろいろと学ばせていただくとともに、映画の世界の深さ・広さを改めて実感させられた本書です。