ノベルゲームのシナリオ作成技法

著者 :
  • 秀和システム
3.49
  • (5)
  • (9)
  • (19)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 93
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798013992

作品紹介・あらすじ

本書では、著者がソフトハウスでシナリオ執筆作業に従事した経験に基づき、シナリオライターが作業上注意するべき点や技術的なことなどを、解説した。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • プロのシナリオライターが実際にシナリオを作る際の工程から、どうやればシナリオが作れるのかについて述べた本。

    目次
    <blockquote>第1章 シナリオライターの仕事
    第2章 道具が先か、アイディアが先か
    第3章 キャラ設定とネーミング
    第4章 世界観と舞台、企画書
    第5章 シナリオライティング基本の基本
    第6章 シナリオ戦術1/地書きを制する者は…
    第7章 シナリオ戦術2/セリフとドキュメント
    第8章 シナリオ戦術3/構成と伏線
    第9章 演出、立ち絵、声録り
    第10章 デバッグ、そして作品を世に問う</blockquote>
    ノベルゲームのシナリオという奴は、同じ書くものでありながら、小説やSS(ショートストーリー)とは世界がやや違い、脚本と似ている。
    そういったところで、表現の仕方や、テクニックの違いというものが、意外につまづくポイントなんじゃないかと、試しで作ってたときに思った。

    この本では、実際にプロとして活躍してる著者が、仕事の具体的な工程ひとつひとつにたいして、どのようなテクニックを使っているのか、また作品の構成や「受ける」為のストーリー展開の戦略、更には、ゲーム側の要素、声だとか立ち絵、BGMといった、ストーリーの周辺の事情まで、余すことなく書いている。

    さて、「受ける」とさっき書いたけれど、この本はどうやら商業作品として売れる作品はどう作るのかについてのハウツーが目的のようだ。決して個人が満足するようないい作品の作り方、ハウツーではない。
    そこのところの違いもはっきり書いてある。

    <blockquote>特にプロの世界では、何本売れたか(正確には何本出荷されたか)だけがその作品の価値を、ひいては携わった人間の業績を決める絶対の基準となります。「売れなかったけど、いい作品だから……」は、プロにおいてはカッコ悪い言い訳、負け犬の遠吠えでしかありません。</blockquote>
    実に厳しい。しかし、それがプロがプロである為の品格なんだろうと思います。
    それでも、その現実がわかっているからこそ、実際に作品を生み出せるんでしょう。

    やや厳しい言葉でしたが、前に書いたように、ハウツー本としてはかなり詳しく書かれている本ですので、技術を知りたいとか、プロの世界を知りたいとか、そういった面で読む人には、おすすめです。
    また、プロになりたいなんて人には、その厳しい言葉も含めて、教科書としておすすめです。

    名言「<b>諦めの悪い人間がプロになる。</b>」

  • <印象的な箇所のクリッピング>
    ・キャラ設定はこりすぎるな。多面性とか複雑なのは避ける。シンプルが一番。
    ・キャラの名字、名前の文字数、母音のパターンは散らす。
    ・ヒロインが見ている人のお母さんと同じ名前にならないよう注意する。それだけでさめる。
    ・可能ならロケハンする。リアリティーを買えるなら、お金に糸目をつけるな。
    ・新井素子が開発したと言われる実況調一人称は、回想調一人称より臨場感がある。現在形だから実況調になるのではない。語り手があたふたするなら、地の文もあたふたするのが実況調。
    ・セリフは「い」抜きする。「している」より「してる」にする。音読して普通の会話になるよう注意。
    ・O・ヘンリと並ぶ短編の名手サキの短編小説を読むと、大どんでん返しについて学べる。

  • シナリオをつくるのに、必要なものがあります。

  • 非常にお世話になりました。
    書いてるのがクラナドことみシナリオと、プラネタリアンのかたということで、安心してよめました。
    これがなければ今ごろ死んでましたね……。。

  • タイトルどおりノベルゲームのシナリオの作成技法に関する教本。
    著者はKeyのAirやCLANNADなどで知られる涼元悠一氏。
    内容としては結構分かりやすく、基本的な感じのことが書いてあります。
    でも一つ気になるのが「0からシナリオを構築する」のではなく、「無理やりシナリオを構築する」に重点が置かれている点でしょうか。
    シナリオそのものの作り方を勉強したい方にはちょっと物足りないかも。

全5件中 1 - 5件を表示

涼元悠一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
奈須 きのこ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×