図解入門よくわかる最新BIMの基本と仕組み (How-nual図解入門)
- 秀和システム (2012年6月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798033716
作品紹介・あらすじ
建築業界に革命をもたらす新たな設計手法、BIM(Building Information Modeling)を包括的に理解できる解説書。
感想・レビュー・書評
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建設の世界にITを投入する。
これは単純にパソコンで管理するというレベルのものではなく、
2Dの設計を3D、そして4D、5Dまでも考慮でき、
建設工程の実施だけでなく、その後のメンテナンス、入居者管理、資産管理でき、
目視できなかったものを解析し見える化してしまう。
無駄を取り除き、意思の疎通を改善し、品質を高める。
未来ではなく、すでに今ここにあるBIMが、それである。
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○まだ設計段階でも、”完成後の世界”にタイムマシンに乗って行って、
できあがった建築物をバーチャルに見ることができるわけです。(P.80)
○光熱費や維持修繕費などからなるライフサイクルコストは、
初期建設費の3~4倍はあるといわれており、
建物への投資に対する収益(ROI)に大きく影響します。
BIMを使うと、設計案に対して光熱費やエネルギー消費量がどのくらい必要なのか、
定量的な値がわかります。
ライフサイクルコストを見える化し、
比較検討しながら設計を進めることができるのです。(P.80-81)
○その場でBIMモデルを修正し、設計に反映していったことです。
設計変更後の建物がすぐに確認できるので、スピーディーに設計が進みます。(P.82)
●病院内には監視カメラが数十箇所に取り付けられています。
(中略)
BIMモデルの中に仮想カメラを設定することで、見え方や視覚を確認しました。(P.82)
○建物のエネルギー消費量や光熱費などを
ざっくりシミュレーションしてくれるアドオンソフトや、
クラウドコンピューティングサービスもあります。
さらに、建物の環境性能指標である「CASBEE」評価や、
PAL値などの計算をBIMモデルと連携して行うソフトもあります。(P.84)
●BIMにおける4D、5D。
4Dとは3Dに時間軸を加えたもの。
柱や梁などの部材を、クレーンなどの重機による施工手順を4Dシミュレーションし、
問題なく組み立てれるか、関係者間での施工手順の意識統一などが可能。
5Dとは4Dにコスト軸を加えたもの。
各部材の属性情報にコスト情報をインプットしすることで、
工程進行基準による清算の際に根拠のデータとして利用が可能。(P.89)
●解析とシミュレーション(第五章)
ボリューム検討(最大床面積の確保)、日影シミュレーション、
熱流体解析、津波解析、ヒートアイランド解析、照明解析、エネルギー解析、
CASBEEシミュレーション、構造計算(一貫構造計算プログラム)、
避難シミュレーション、落雷シミュレーション、まちづくりシミュレーション詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
建築物を3Dモデル化するBIMの事例、利活用イメージ、製品が分かる。
筆者は建築ITの専門家。様々なBIMソフトやパーツの解説は勿論のこと、AR・VR、3Dプリンタ・マウス・レーザースキャナ・レーザープロジェクタ・プロジェクタなど3D系周辺技術も写真入りで解説されていて面白い。